2023年9月22日、F1日本グランプリがいよいよ本格化するその日に大きなニュースが舞い込んできた。なんとトヨタの平川亮選手がマクラーレンの開発ドライバーとして契約を結んだというのだ。メーカーをまたいでの契約が難しいと言われていたのだが……これはすごいぞ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、マクラーレン
■トヨタドライバーにF1の道はないと思われたが
WECなどで活躍をする平川亮選手。情熱的で目立つキャラクターというわけではないが、安定した走りを見せる彼の評価はレース現場では高い。トヨタに籍を置いた平川選手だが、WECの次のキャリアが気になっていた。
ところが現状としてトヨタがF1には参戦しておらず、F1挑戦への道はホンダ在籍ドライバー以外は不可能と思われていた。実際に現在はトムスに在籍する笹原右京選手もF1への夢と共にホンダに加入し、欧州での好成績にもかかわらず鈴鹿レーシングスクール(SRS)の生徒までやり直した経緯がある。
そこまでしてもF1は目指したいキャリアだが、いかんせんこの日本ではメーカー間での「縛り」が厳しく、メーカーを越境して契約するというのは難しかった。
あのミハエル・シューマッハもF1以前のキャリアはメルセデスと共に歩み、グループCやDTMでドライビングの研鑽を積んだ。そしてフェラーリで栄華を築き、最後はメルセデスに恩返しをした。そのようなメーカーの縛りがない移籍を日本メーカーも目指すべきなのだ。
■モリゾウさんはチャレンジを後押し!!
WECで走る平川選手について、モリゾウさんはかねてから応援をしていたのは周知のとおりだが、ドライバーのキャリアについても「チャレンジしたいドライバーは応援したい」と言っており、そっと背中を押したのだろう。
実際に平川選手はコメントでモリゾウさんへの感謝を述べている。
“The second thank you goes to MORIZO-san (Akio Toyoda), who has supported me as a driver. As a driver himself, his advice was that I should drive any car that gives me the chance to develop. I therefore want to make the most of this opportunity and return the favor by showing him how I have grown.”
「(トヨタへの感謝に続き)ひとりのドライバーとしてサポートしてくれたモリゾウさんにも感謝を表します。彼自身がドライバーとしてくれたのは”成長のチャンスを与えてくれるクルマならなんでも乗るべきだよ”というものでした。このチャンスをモノにして、いつか成長した姿で恩返しをしたい」。
もちろん平川選手の実力も手堅いものがあり、スーパーフォーミュラ、WECでの経験を経ていよいよF1へとステップアップする。
「ドライバーがヘルメットひとつでマシンを乗り換えられるのが理想だよね」と語る往年のレジェンドドライバーは多いが、ついにその時代が来たことを実感する。モリゾウさんがこのように柔軟に動いたことはモータースポーツにも明るい未来だろう。
とはいえまだリザーブドライバー契約。29歳と決して若くはないものの、レギュラーへの道を獲得すること視野に入れてグイグイと進んでいってほしい!!!
コメント
コメントの使い方今年のルマンでハートレーから乗り代わったときに、ブレーキバランスがおかしいから気をつけろと言われていたのに走行して数周でスピンしてフェラーリを追うのを諦める羽目になったんじゃなかったか?
少なくともハートレーより劣る