■トヨタのモータースポーツ部門の課題
Q.カスタマー・モータースポーツではクルマ作り以外にもやるべきことがあるのでは。
A.GT3を展開するにはグローバル・コミュニケーションが必須ですが、これまで欧州のTGR-EとTRD-USA、日本のTRDの動きが密には繋がっていなかった。
この三局を一体運営するようにし、オール・トヨタのリソースを上手に使えるグローバル体制を作ります。特にWECのハイパーカークラスで積み重ねてきてたエンジニアリング・サポート力をGT3の領域でも活かせるスキームを作る。
他にも物流システムをマネージするチーム、TPS(トヨタ生産方式)のチーム、データのマネージメントシステムを作るチームと、レースオペレーションをやってきたブレーンたちがそこにいて、データの見方やセッティングの決め方のコンサルティングまでを含む、オールインワンでサポートしていかないとGT3の取り組みは難しいで。
Q.昨年からWECチームのマネージメントを担当している中嶋一貴氏の役回りは?
A.絶大です。表から見えにくいんですけど、いわゆるモリゾー軸っていうのかな、トヨタらしいモータースポーツにしていくための大きな事業ビジョンを日頃から相談しています。
WECのスキームもですが、例えばドライバー育成をどう進めるかも、一貴の経験をふまえたアドバイスをもらいながらいろんな作戦を立てていく。
ACOとやりとりする時も『カズキとコウジ』で一緒に行き、彼は元ドライバーとして、僕はクルマ作りをやってきた人間として、二人で面として取り組んでます。いまトヨタでは面とか群戦略がトレンドです。
今週も北海道ラリーは章男会長がリードしてくれるからWECは僕がカバーした。トヨタのモータースポーツに対する思いを面や群で示せる体制は、やはり章男さんがいて、大きいビジョンがあるから具体的にやってみましょうという意欲も湧きます。
Q.最後の質問です。佐藤さん的にWECの今季最終戦のみどころは?
A.いかにウチの2台がガチかっていうところですかね(笑)。今日も何度ピットで叫んだことか(笑)。8号車相手に無理するなよホセ、ホセ、ホセ~!って(笑)。
平川にしてもポルシェが次周にピットインすることがわかったのにズバっといった。無線でトゥマッチリスクはいらないからねと伝えた時、『OK』って答えてたのに(笑)。無線、ちゃんと聞いてたのか?と言ったら、本人は『いやー、あそこはオレ、レーシングドライバーとして絶対行かなきゃ行けないと思ったんです』って言ってましたが(笑)。
でも、それでいいんです。あれが彼の生き様でプライドだから。そういうチームなんですよ、ウチは(笑)。だからレースが面白くなるんだと思います。
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