第2戦の唐津ラウンド。新井大輝選手は見事全日本総合優勝!! 一見するとなんの問題なくこの栄光を勝ち取ったかに思えたが、じつはマシンが丸焦げになる可能性があったのだ。隠された衝撃の事実がもう完全にドラマ!! よくぞ気づいたなぁ……さすがです!!!!!
文:新井大輝/写真:新井大輝
■トライ&エラーを布団で!?!? 何を言っているんだ……隠された真相って!?
惜敗した三河湾で開催されたラリーから1ヶ月半、悔しくて大粒の涙と鼻水を拭いながら机上でセッティングを構築しては、お布団の中(レム睡眠)でトライ&エラーを繰り返しました。
そこ(レム睡眠)で見つけた新たなシュコダ丸のセッティングがバッチリ決まり40秒差をつけてツールド九州in唐津を制しました!! 久しぶりの全日本総合優勝です、やったぜ!!
レム睡眠で試すんじゃなくて、走りなさいよ!! と思われる方もおられると思いますが、テスト走行すると色々パーツが故障するので走れないのです……。
全日本選手権のポイントを考えると最新鋭のGR ヤリスRall2マシンを擁するトヨタのワークス勢に先ずは1勝1敗の振り出しに戻せたのは一番の収穫でした。2日目もフルでデイポイントを獲得する事ができたので最高のリザルトで締めくくる事ができたと思います。
一見問題なく勝ったように見えますが、今回もギリギリのドラマが待ち構えていました……。
■気づかなかったらマシン丸焦げだった!?!? そもそも何があったんだ、、、
土曜日の午前は順調に2位以下に25秒差を付け、しかし午後のS S4が終わってから何やらゴリゴリと異音が大きくなっていき、駆動系が何かに干渉している嫌な音が聞こえました。
その後ブーストを下げたり色々と試したのですが変わらず、いっそのこと完全に壊れる前にリタイヤしようかと思ったほど酷い音に変わっていきました。
その日、唐津市の温度は28℃近く、初夏の陽気がラリー車の中では60℃近くまで上昇します。それに加えてむさ苦しい男2人がペアで「ハァハァ」しながら車内で過ごすわけですから、さながらスチームサウナといっても過言ではないでしょう。
さて話を戻しますが、色々とリエゾン中に気になり、ふと頭をよぎったのは、“そういえばシュコダはプロペラシャフトと燃料タンクの隙間は全然無いから、もしかしたら暑さで燃料タンクが膨張してプロペラシャフトに当たっていないか??!!”と思い急いで燃料タンクのガス抜きを手動で行いました。
たまたま自分でメンテナンスをしていたから気づけたものの、もし気づかなかったらオンラインとオフラインで大炎上していました。
もうシュコダ丸も9年目のご老体なので、突然安全タンクの燃料のベント機能が壊れてガス抜きが出来なくなっていたようです。危うくマイホームが購入3ヶ月で全焼するところでした。本当に危なかった。運良く気づけたけど、あと一歩で終わっていました。
■全日本ラリー4年ぶりの総合優勝イケるぞ!!!!!!
2日目の日曜は初日に築いた40秒のマージンを上手く調整しながら久万高原へ向けてのセットアップも兼ねて走り、そのままのタイム差でフィニッシュして優勝を決める事ができました。
正直まだセットアップ側で細かく合わせていきたいところもありますが、先ずはこの優勝をチームで噛み締めたいと思います。応援ありがとうございました!!しかし、来週が久万高原だから気を引き締めていきます。
今月は会社を休みすぎて(サ)ラリーマンにこの日程はキツイです。第4戦まで隔週で全日本ラリーはマジで勘弁してください!!笑
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