2017年7月27日、イギリス本国にてロールスロイスの新型(BMW傘下となって2代目、それ以前のオリジナル(1929年登場!)から数えて8代目)ファントムが発表されました。
日本市場には2017年の年末に導入予定の新型ファントムですが、この内見会に招待された(本誌でお馴染み)自動車ジャーナリスト、石川真禧照氏がレポートします。
文:石川真禧照 写真:ロールスロイス
■まるで夢を見たような新型ファントムお披露目会
ロールスロイス・ファントムといえば、世界の乗用車の中でも最高級セダン。標準仕様でも約5200万円(消費税込み)。自動車取得税だって約130万円もするのだ。
そのファントムが13年ぶりにフルチェンジした。が、正式な発表の前に、限られた顧客向けに、日本でお披露目の会を催した。
東南アジアなどの超富裕層を東京に招き、実車を見せるというのだ。東京で催すということは、わがジャパンにそれだけ顧客が多いことを意味する。
指定された都心の高層ビルの1Fに行くが、それらしき入口も案内がない。通路に男性が1人立っているだけ。そこで、その人に聞いてみると、うしろの壁がスッと開いた。ここがお披露目の会場だった。
ファントムの歴史の簡単なレクチャーのあと、いよいよ別室で実車とご対面。
そこで見た8代目ファントムは、スタイリングは、7代目に似ているが、本国から来たデザイナーや開発者の話を聞き、実車に触れると、まったく異なるクルマであることに驚かされた。
ボディサイズは7代目とほとんど同じだが(わずかに全長が短くなっているが)、シャーシは新設計。
しかもいま流行のモノコック構造のアーキテクチャーではなく、スペースフレームのアーキテクチャーを採用している。大量生産の自動車メーカーの高級車には出来ないクルマ造りだ。
観音開きの4枚ドアは、7代目は内側から自動で開閉できたが、新型は外にいる人がドアハンドルに触れるだけで自動で閉まる。
新型でこれは超高級!と思ったのはインパネ。端から端まで1枚のガラスでおおわれている。その内側はメーターを除き、オーナーの好きなデザインや模様でつくることができる。
世界的に有名なデザイナーが標準仕様を用意しているが、インパネ全体を家族の写真にもできるし、金箔を貼ることもできる。これは世界初の試みだ。
お披露目会にはいかにも、という外国からの招待客も何組かいた。この人たちは自分好みの仕様を注文して、(価格はまだ発表されていない!)今秋の発表直後に、ガレージに納車されるに違いない。
会場から外へ出るとムッとする暑さだったが、“真夏の夢”を見せてもらったひと時だった。
(※編集部註/冒頭に紹介したとおり、日本仕様発売は2017年末予定。細かいスペックもその時点で発表されるが、6.75L、V12ツインターボエンジンが搭載され、571hp/98.1kgmを発揮する……ということまでは発表されている。予想価格は1台約5500万円)
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