今年前半より登場が噂されていた、トヨタ・マークX GR-S(GAZOO Racingによりライトチューンされた特別限定グレード)。
その詳細情報を、毎月200店舗のディーラーを回り、足で掴んだ新車情報をお届けする「販売の鬼」こと遠藤徹氏が掴んできた。以下、そのレポートをお届けします。
文:遠藤徹
■発表発売は9/19(火)!!
2017年9月19日にマークXのGR-Sが発表、発売となる。
これは「G`s」(2012年10月より販売開始、2016年11月に販売終了)の後継モデルにあたり、標準グレードの250&350RDSをベースに内外装のデザインを変更、ローダウン、アルミホイールの新デザイン、インチアップなどで走りのポテンシャルアップを図る、スポーティに仕立てたカスタムモデル。
G`sがブラック基調にレッドのアクセントを組み合わせていたのに対して、今回のGR-Sはこれにホワイトやシルバーのアクセントを加えている。
フロントバンパー&グリルはG`sとよく似たデザインを採用。フロントバンパー左右にLEDデイライトを埋め込む。ローダウンはフロントが20mm、リヤ15mm、アルミホイールは新デザインでベースモデルの18インチから19インチにアップ。
内装は内張りがブラック基調で全体的にブラック&ホワイトの組み合わせ。ダッシュボードはホワイトパネル、ドアトリムはシルバーストレッチを採用。
エンジンは2.5&3.5Lで2WD車(FR)のみ。
ボディカラーはホワイトパールはじめシルバーメタリック、ブラックメタリック、プレシャスブラックパール、ダークレッドメタリック、ブルーマイカメタリックの6色。
ホワイトパールとプレシャスブラックパールが3万円プラス消費税で有料となる。
完全受注生産で、現時点でのアナウンスでは「注文のあるかぎり生産する」とのこと。すでに各ディーラーでは見積書の作成が可能で、申し込みもできる。
■どうなるマークX! カムリに統合されてしまうのか!?
カムリは2017年7月にフルモデルチェンジし、従来のカローラ店専売からマークXを扱うトヨペット店でも販売するようになった。
さらにネッツ店も加えて3系列店の併売となっている。市場では「これによってマークXはモデル廃止になるのではないか」と噂されているが、実際にはまだ継続販売しており、メーカーから販売店にはまだ何の連絡もない。
ただ新型カムリが月販計画を大幅に上回る好調な販売のスタートを切っているのに対して、マークXは月販500台を下回る大幅減の低迷ぶりとなっている。
上記のとおり、9月19日にはカスタムバージョンの「GR-S」が発売になることで、10月以降の販売は多少挽回する見込みだが、その後はまた徐々に頭打ちになると思われる。
トヨタに取材したかぎりでは、マークXの次期型開発プロジェクトは動いておらず、このままいけば今後1~2年以内にSAIとともにモデル廃止となる可能性が強い。
ただし、前述のGR-Sが好評であれば、生産中止の時期が多少先送りになるかも知れないし、次期型開発のプロジェクトが復活する可能性も出てくる。
各販売店は、マークX、というよりあのサイズのFRセダンのモデル継続要望が強い。
「カムリはあくまでFFであり、室内の広さが最大のウリとなっている。いっぽうマークXはFRであるから、スポーティな走りに定評がある。加えて4WD車の設定もある。
カムリはハイブリッド専用モデルだから、燃費はいいが価格が(マークXと比べて)60万円以上も高く、これをガソリン代を回収するのに時間がかかる。4WD車も設定してない。
したがっていまもマークXの存在価値は高く、本音を言えばぜひフルモデルチェンジして継続してもらいたいと思っている」(首都圏トヨペット店)とコメントしている。
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