ダイハツの新型車「ミラ トコット」。曲線と直線とでバランス良く構成された外観は、意外なほどシンプル。素朴と表現してもいいかもしれない。しかしそれがかえって、乗れば乗るほど愛着が湧いて長く付き合えそうだな、という印象を抱かせる。
今回このクルマを開発するにあたり中心となった、ダイハツの若年女性社員で構成されたプロジェクトチームがこだわったのは、「可愛さ」を「盛る」ではなく、「素」の美しさだという。このクルマのキーフレーズとなっている「エフォートレス」とは「肩ひじを張らず自然体でいられる」という意味の造語なのだそうだが、「可愛くいる」というのは、けっこうしんどいことなのかもしれない。
価格は107万4600円(L・2WD)から。エコカー減税適用なら2WDで自動車取得税が60%、自動車重量税が75%減税となる。
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年7月26日号
■女性も初心者も安心して乗りやすい軽
「ミラ イース」をベースとして、若年女性エントリーユーザーをはじめ幅広い層にアプローチしようと開発された新型軽自動車「ミラ トコット」が2018年6月25日に発売された。
当初は「ミラ ココア」の後継と予想されていたが、その開発コンセプトは「わかりやすい可愛らしさ」を控え、「愛着のわくシンプルさ」を追求したモデルだった。「エフォートレス」をキーワードにしたこの新型車には、ドライバーのパートナーとして安心感、快適さを与えられるように、随所に工夫が盛り込まれている。
ひとつ目はそのデザイン。運転のしやすさと意匠を両立するために、水平基調のシンプルなスクエアデザインとしたことで、死角がなくなり周囲が見やすく、車両感覚を掴みやすくなっている。
ふたつ目は、衝突回避支援システム「スマートアシスト3」の採用。ミラ トコットでは、軽自動車として初めてSRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグを全車に標準装備とし、パノラマモニター&コーナーセンサー(一部車種オプション)も採用。安全を全力でサポートしてくれる、スタイルだけではない魅力もあるのだ。
ライバルはズバリ、スズキのアルトラパン。一定の需要がある「カワイイ軽」市場でラパンを追撃できるのか。個人的にはこういう、「肩の力を抜いて楽に行こうよ」路線は好みです。
また、このモデルが登場した際にツイッター界隈で話題になった「無印良品っぽさ」も言い得て妙。オシャレさを一周ぐるりと回して素材感を打ち出す感じや、CMに起用された吉岡里帆さんのぴったり具合なども合わせて、応援したくなるクルマです。
◎ミラ トコット G “SA3” 2WD 主要諸元
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1530mm
ホイールベース:2455mm
車重:720kg
エンジン:直3DOHC
総排気量:658cc
最高出力:52ps/6800rpm
最大トルク:6.1kgm/5200rpm
JC08モード燃費:29.8km/L
価格:129万6000円
◎ミラ トコット 価格帯
L(2WD):107万4600円
L “SAⅢ”(2WD):113万9400円
X “SAⅢ”(2WD):122万400円
G “SAⅢ”(2WD):129万6000円
など
※エコカー減税は2WDで自動車取得税60%減税、自動車重量税75%減税。
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