■熟成し続ける姿勢は見習いたいのだが……
2019年4月17日、日産はGT-Rの「2020年モデル」を発表(いわゆる年次改良仕様)。合わせてGT-RおよびフェアレディZの生誕50周年を記念した限定モデル「NISSAN GT-R 50th Anniversary」、「フェアレディZ 50th Anniversary」を公開した。
現行型のGT-Rは2007年12月に発表されており、現在12年目に入っている。世界のスーパーカーのなかでも異例の長寿モデルといえる。
毎年進化を重ねており、性能は大きく向上し、価格も当初777万円から用意されていたものの現行モデルで1063万1520円~となった。
いまだ熟成を重ね、進化し続ける姿勢は立派だし、なにより日本を代表するスポーツカーとしてファンを大事にする思想も感じられる。とはいえそろそろフルモデルチェンジ、次期型開発の話も聞いてみたいが、残念なことにそうしたニュースはいっさい入ってこない。
ブランド誕生50周年となる今年はくしくも東京モーターショーの開催年となる。
特別仕様車を用意するのもよいが、目の覚めるような驚きのショーモデル出品にも期待したい。
■【GT-R標準仕様の変更点】
2020年モデルでは、これまでGT-R NISMOに採用してきたレスポンス向上に貢献するターボ高効率化技術「アブレダブルシール」を標準仕様にも採用。レース用ターボチャージャーに多く使用されているこの技術は、吸入した空気の漏れを最小限にすることで、ドライバーの加速意図に即座に応えるレスポンスを実現しているという。
また、街乗りからサーキットまであらゆるシーンにおいて、より最適なギア段を選択し、コーナリング時にエンジンパフォーマンスをより堪能できる変速を実現するため、「Rモード」専用のアダプティブシフトコントロール(ASC)のシフトスケジュールをよりアグレッシブに設定。
コーナー進入時のブレーキングでは、積極的に低いギア段を選択し、より鋭いコーナー進入と同時に、再加速時の駆動レスポンスを向上。新たなサスペンションセッティングを行い、速さはもちろん鋭い応答性と乗り心地の質の高さを実現した。
さらに、ブレーキは従来よりも軽い踏力で制動力が立ち上がるようブースター特性のチューニングにより初期の効き感を向上させ、短いストロークで効きが立ち上がるコントロール性の良いブレーキを実現。
ボディカラーには、見る角度により表情を変える新色のワンガンブルー(4RPM)を設定している。
●GT-R標準仕様新価格
GT-R Pure edition 1063万1520円
GT-R Black edition 1253万9880円
GT-R Premium edituion 1210万5720円
■【GT-R NISMO仕様の変更点】
NISMO仕様の2020年モデルには、2018年のGT3レーシングカーから使用されている新型のターボチャージャーを採用。新たなタービンブレードは最新の流体・応力解析を用い、形状を徹底的に見直すことで出力を落とすことなく、レスポンスを約20%向上。これにより、コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を高めている。
車両重心点から遠いルーフ、エンジンフード、フロントフェンダーにカーボン素材を使用し、車両を軽量化することにより、コーナリングの性能が向上。特に、ルーフにはカーボン素材の間により低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造を採用。
これらの外装部品によって約10.5kgの軽量化を達成している。
内装には新開発のRECAROシートを採用。カーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながら剛性を高めている。
GT3レーシングカーを彷彿とさせるフロントフェンダーのエアダクトは、エンジンルームからの熱を逃がすだけでなく、エンジンルーム内の内圧を下げ、エアダクトの排出風によってフェンダー外表面の流速を下げることにより、表面リフトを減少させることによってフロントタイヤのダウンフォースを増やす効果ももたらしている。
新開発の世界最大級サイズとなる超高性能カーボンセラミックブレーキは、世界トップクラスの制動性能はもちろん、サーキットにおける高Gでの効きのよさと、一般道などでの低Gでのコントロール性の両立を実現。ブレーキローターの大径化に合わせて、ピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーと、新しい摩擦材のブレーキパッドを開発し、高負荷状況だけでなく、日常的な使用においても圧倒的な制動力と優れたコントロール性を実現。
本モデルは、この新開発カーボンセラミックブレーキとカーボン製の外装部品やRECAROシートなどを合わせて、合計約30kgの軽量化を果たした。
「GT-R NISMO仕様」2020年モデルは、2019年5月中旬より先行予約受付を開始する(価格は未発表)。
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