■1カ月に55000台以上売ったモンスター兄弟
2019年4月24日、トヨタより「マークXに特別仕様車 250S“Final Edition”ならびに250S Four“Final Edition”を設定し、発売する」という正式発表があった。
そのリリースには「マークXは、1968年に前身モデルであるマークIIとして登場以来、50年以上にわたりご愛顧いただいておりますが、2019年12月をもって生産終了となります」と明記されており、かつて一時代を築いた伝統的なFRセダンがその長い歴史に幕を下ろすことが確定となった。
マークIIは(一時期中国でも販売されていたが現在は販売終了しており)日本専売車のため、今回の日本仕様生産終了で文字通りモデル終了となる。
マークXの前身であるマークIIの初代が登場したのは、上述のとおり1968年。クラウンとコロナの中間に位置するモデルとして登場、当初は「コロナマークII」と名乗っていた。5代目にあたるX70型(1984~1987年)と6代目にあたるX80型(1988~1995年)は、兄弟車にあたるチェイサー/クレスタとともに大ヒット。
全盛期といえる1990年3月には、単月でマークIIが30959台を販売。チェイサーは11082台、クレスタは15488台売ってており、3兄弟合計で55000台/月を超えるというはちゃめちゃな売れっぷりを見せていた。
そんなドル箱ヒットモデルだったマークIIも1990年代後半に入ると徐々に販売台数を落としていき、9代目にあたるX110型を最後に2004年11月で「マークX」へと車名変更。
マークXは初代(2004~2009)、2代目ともに話題性は高く、性能の評判もよかったものの、折からのミニバンやSUV、同クラス輸入車への顧客流出は止まらず、セダン不況の波を受けて、このたび生産終了となった。
実質的には2017年7月にデビューした10代目カムリおよび2018年10月に発売されたレクサスESに顧客は引き継がれていくことになる。どちらもFFセダンだが、いまやFFかFRかといった駆動方式にこだわるユーザーは減少した、ということだろう。
モデル廃止の一報はいつも切なく悲しいが、新しく生まれるクルマがあれば市場から去っていくクルマもあるわけで、これからはこのマークXに注がれていた開発人材を別の新しいモデルに注ぐことになるんだと考えて、ユーザーの心がときめくようなニューモデルの登場を待ちたい。
■人気の高い装備を設定しお手頃価格で用意
今回設定されたマークX 特別仕様車250S“Final Edition”の概要は以下のとおり。
外装はスパッタリング塗装の18インチアルミホイールを特別装備(2WD)するとともに、ダークメッキのフロントバンパーモールを採用。外板色にはホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、プレシャスブラックパールの全3色を用意。
内装には、ブラックとレッドを配色したアルカンターラ+合成皮革シート表皮と、レッドを配色したソフトレザードアトリム表皮を採用。本革巻き4本スポークステアリングホイール、シフトブーツ、インサイドドアグリップ、フロントコンソールボックスなどの随所にレッドステッチを施している。
また、駐車時の接触や衝突の回避に貢献する「クリアランスソナー&バックソナー」を標準装備し、デザインだけでなく安全性能の充実を図った仕様となっている。
【車両本体価格(税込)】
マークX 特別仕様車250S“Final Edition”(2WD)3,331,800円/(4WD)3,489,480円
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