新型の投入はなし! 日産 ジュークが年内で生産中止決定。
日産のSUV「ジューク」の国内向けモデルが、2019年内に生産中止となる。販売店・日産関係者への取材により、11月15日までに判明した。また、大型セダンの「ティアナ」も同様に年内で生産終了する。
ジュークは2010年に国内で発売された小型SUV。発売から9年以上が経過し、欧州では9月に新型が発表。新型の国内導入は不透明だったが、モデルチェンジを迎えることなく、日本での歴史に幕を閉じることとなった。
ただ、日産関係者によると「(国内のラインナップから)ジュークと同クラスのSUVがなくなることはない」とのことで、別の小型SUVが導入される見込み。
ジュークの生産中止と合わせて、新たに導入予定の小型SUVに関する現場の最新情報をお届けしたい。
文:遠藤徹
写真:NISSAN、編集部
【画像ギャラリー】ジュークに替わり日本導入!! 新型キックスとは??
現行ジュークはすでに在庫僅か! 後継にキックスを日本導入へ

首都圏の販売店筋によると、日産はこのほどコンパクトクロスオーバーSUVの「ジューク」を今年いっぱいで生産中止すると傘下販売店に伝えた模様である。
日産の公式サイトにはまだ何の告知もされていないが、多くの販売店には年内生産終了の通達が入っており、顧客へ順次セールスされている。
11月中旬現在ではカスタマーズバージョンの「NISMO」以外は、グレード、ボディカラー、オプションパーツの在庫が次第に絞られる状況にある。
(販売終了ではなく)年内生産終了というのは、在庫があれば年明けも販売するという意味ではあるが、見込み販売数を生産するだけなので、すでに在庫切れとなっている販売会社もあり、欲しい人はすぐにディーラーへ連絡したほうがよい状況だ。
後継モデルにあたる「新型キックス」(編注:現在は海外専売車)は、2020年6月頃にもデビューする見込みである。新しいネーミングを与えるのは大幅なコンセプト変更を意味する。

現行ジュークは、個性的で尖ったデザインを採用したことで、発売した当初はひときわ目立つボディシェルが話題になり、好調な売れ行きだった。
ところが短期間で飽きられ、後発のホンダ ヴェゼルやトヨタ C-HRに大きく水をあけられ、最近は月販500台以下に低迷している。
新型キックスはその反省のもとに、シンプル&オーソドックスで飽きの来ないクロスオーバーボディシェルを採用する。
正式な日本バージョンのスペックはまだ明らかになっていないが、ボディサイズは全長4350mm、全幅1790mm、全高1610mm程度が予想される。
現行ジュークよりも若干サイズアップし、同クラスの人気モデルであるトヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルに近いサイズを採用する見込み。
ちなみに現行ジュークは全長4135x全幅1765x全高1565mmと小ぶりだが、C-HRは同4385x1795x1550mm、ヴェゼルは同4340x1790x1605mmだから、どちらかというとヴェゼルに近い寸法になる可能性がある。
キックスはe-POWER搭載! 小型SUVとして販売側も期待

パワーユニットは、1.5Lガソリンエンジン、1.6Lガソリンターボエンジン、そして目玉となる1.2Lのe-POWERを搭載する。
このe-POWERは、ノート、セレナに積んでいるユニットを大幅に改良、発電用の1.2Lエンジンは専用に開発、静粛性を向上、EVユニットも性能アップさせ、現行の極端に効くエンジンブレーキもリーズナブルな制御を行うべく改良している。
1.5LはFFのみで他のパワーユニットはいずれも4WDとの組み合わせで設定。駆動方式は改良型CVTを採用する。これによって月販5000台以上を売り、同分野ではトップシェア確保を目指し、増販攻勢をかける構えである。
【証言:首都圏日産店営業担当者】
現行ジュークは、すでにオーダーストップとなり、11月中旬現在では在庫一掃セール状態にある。
「NISMO」バージョンはまだ若干在庫があるが、他の標準グレードはボディカラーによって限りが生じている。オプションパーツもメーカーの工場での取り付け、ディーラー部品ともすべてが揃っているわけではない。
後継モデルについてのアナウンスはメーカーからまだ届いていないが、海外では新型ジュークや「キックス」というコンパクトカーは公表されている。
新型ジュークは、現行ジュークよりもひと回り大きく、キックスは小さいコンパクトサイズだから、日本で売られるとしたら、こちらの方と予想している。
e-POWERを搭載して発売すれば、必ず売れると期待している。