”Evolution”。英語で「進化」を意味する言葉だ。クルマ好きの心をくすぐる、なんともエキサイティングな響きの言葉だろうか。
エボリューションと聞いて真っ先に思い起こされるのは三菱のランサーエボリューションだろう。
もともとコンパクトサイズのファミリーセダンだったランサーに、ギャランVR-4などに搭載されていた当時としては最強のスペックを誇った4G63型2L、直4ターボエンジンを搭載したスーパー4WDマシンだ。
車名に「エボリューション」を使い、毎年ラリーでの戦闘力を高めるために「エボリューションII」、「エボリューションIII」と文字どおり進化を繰り返し、好敵手インプレッサWRX STIとともにパフォーマンスを高めていき、クルマ好きにとって「エボ」は特別な存在となっていった。
この時代の”エボ”はまさにエンジンパフォーマンスを高め、シャシー性能を引き上げ、走りの性能を進化させればそれが正義だった。
しかし時代は変わり、今の時代、クルマには省燃費、クリーンな排ガス、そして高い安全性能が求められている。そんな時代の”エボ”とはどのようなモデルになっていくのか!?
そこで、各メーカーが開発している最新エボモデルの、今わかっているすべての情報をお届けしていこう。
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部 TOYOTA SUBARU
CGイラスト/ベストカー編集部
初出/ベストカー2020年3月26日号
【画像ギャラリー】色褪せない各メーカーのエボリューションモデルの雄姿
凌ぎを削った各メーカーのエボモデルたち
「エボモデル」といえば、ランサーエボに代表されるように、メーカー本体がパフォーマンスを追求した進化型モデルを開発、投入するというのが定石だった。
1980年代後半から1990年代にはブルーバードSSS-R、マーチスーパーR、パルサーGTI-Rなど、ファミリーカーなどのベースモデルにハイパワーエンジンを搭載したモータースポーツベースマシンが相次いで登場した。後のランエボやインプSTIにつながる、モータースポーツのためのエボリューションだ。
一方でホンダが取り組んだエボは「タイプR」だ。こちらはモータースポーツベースマシンとしての位置付けではなく、あくまでもストリートで圧倒的なパフォーマンスを発揮し、そのままサーキット走行にも対応する、というもの。
エンジンも強烈だったが、それ以上に徹底的に追求されたシャシーチューニングが「エボ」の意義だった。
このようにメーカー本体が1モデルとしてエボモデルを開発していたのだが、ここ最近は日産であればNISMO、スバルならばSTIなどの、いわゆるワークスブランドがエボモデルの象徴的存在となってきた。ベンツのAMG、BMWのM、ルノーのルノースポールのような存在だ。
特にこの動きに積極的なのがトヨタ。2018年に「GRカンパニー「」を設立し、同年9月にGRブランドを正式発表して以降、スポーツモデル開発はGRカンパニーが一手に引き受けて、まさにエボモデルを次々に開発している。
その最新モデルで、象徴的なのがGRヤリスだ。トヨタ=GRはスポーツモデル開発の手を緩めることなく、次々に魅力的なエボモデルの開発、投入を計画している。
さっそく、今開発中の各メーカーのエボモデルたちを紹介していこう。
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