日産はここ数年、日本市場を軽視していると言われてきた。2018年は新車ゼロ、2019年も新型デイズのみ1車種に留まり、キューブやジュークも2019年内に生産が終了と、国内市場への新車投入が滞っていた日産だが2020年から国内に向けた新車が続々とデビューする。
ついに、ニッポンの日産が帰ってくるのだ。はたして、どんな日産車がデビューするのだろうか、今わかっていることすべてをお伝えしよう。
※これはあくまでも現時点での情報をまとめた予想であり、コロナ禍により生産計画が変わったりプロモーション戦略がとれないことなどの理由で、後ろ倒しされる可能性があります。
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部
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初出/ベストカー2020年5月10日号
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ジュークに変わりキックスが登場!
■キックス/2020年5月20日発表、6月10日発売予定
日産は日本市場を軽視している。ここ数年にわたり、再三そう言われてきた。星野朝子日産自動車副社長は、国内販売担当役員の時代からこれに対し「そのようなことはない。日産にとって日本はホームカントリー。日本に魅力的な商品をしっかりとご提供していく」と答えていた。
しかし現実的に、ここ数年を振り返っても、日産の新車投入の主戦場は中国や北米などで、国内での新型車投入はリーフやデイズシリーズのフルモデルチェンジ以外、スカイラインのビッグマイナーチェンジやセレナのマイナーチェンジなどに過ぎず、目玉となるような「ニッポンの日産ここにあり」といえるような、インパクトのある新開発モデルの投入はなかった。
しかし、だ。やっと国内に向けた魅力的な新規開発車が登場してくる。
今、日産が国内市場に向けて最も力を入れているのがSUVラインナップの充実。ジュークはすでに国内での販売を終了しており、エクストレイルもデビューから時間が経っており、ライバルに対するアドバンテージはない。
まずはジュークに代わるコンパクトSUVのキックスを2020年5月20日に発表、6月10日に発売を開始する。
■日産クロスモーション/2021年10月登場予定
そして注目なのが「クロスモーション」。2020年2月に開催された決算発表会見の場で、「投入予定の新商品」として提示された。
クロスモーションは、2018年のデトロイトショーに出展されたコンセプトモデルだが、エクストレイルよりひと回り大きいサイズで3列シートを備える。プロポーションからFFプラットフォームであると思われるが、ポジション的には「スカイラインクロスオーバー」で、レクサスRXやトヨタハリアー、マツダCX-8などの対抗になる。
2020年2月に開催された日産の決算発表会見の場で「新商品」として今後の投入が明示された。
デビュー時期は2021年10月というのが有力説。パワートレーンについては、BCスクープ班が掴んだ情報では2.5Lガソリンエンジン、さらに3.5Lハイブリッドというものだが、今後の展開としてe-POWER、あるいは三菱との共同プロジェクトによるPHEVの搭載も念頭に置かれたプラットフォーム開発となるはずだ。
「開発は進んでいます。パワーユニットは新開発2.5Lガソリンエンジンが中心」と日産関係者は証言するが「電動化」を中期計画の中核に据える日産だ。2021年10月に投入する新型車に「電動車」が用意されないとは思えない。
「新規開発の3.5Lハイブリッドも搭載される計画」と、先の関係者は補足するが、これはe-POWERではなく、1モーター2クラッチのパラレルハイブリッドだという。
■アリア/2020年9月登場予定
東京モーターショーでワールドプレミアされたピュアEV、「アリア」は2020年9月にデビュー予定。ボディサイズは全長4600×全幅1920×全高1630mmというクロスオーバーSUVだ。
EV専用に新開発されたプラットフォームを採用し、前後に搭載されたモーターで走るAWD。フラットなフロアで、前後タイヤはぎりぎりまで四隅に配置され、室内空間は広い。
■IMQ/2021年7月登場予定
2019年3月のジュネーブショーで初公開されたIMQはスポーティさを強調したSUV。欧州でのe-POWER投入をアピールするアイコン的モデルとしてジュネーブでのワールドプレミアとなった。
IMQのパワーユニットは、前後それぞれに搭載された2モーターを1.5Lターボエンジンで発電して駆動するというもの。
前後モーターは独立してトルク制御されるため、自由自在の前後トルク配分を与えることが可能。このAWD制御はアウトランダーPHEVなどで培った三菱の豊富な知見が大いに生かされる。
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