レクサスGSが2020年8月をもって生産終了となった。
GSは日本でレクサスが範囲を開始した時のスタートラインナップを飾ったモデルであると同時に、その源流は日本で人気の高かったアリストにあるモデルということで寂寥感は大きい。
日本で販売されたのは先代と現行の2モデルだけで、どちらも販売面では苦戦を強いられたが、レクサスGSとはいったい何だったのか? レクサス、トヨタにもたらしたものは何なのかについて、御堀直嗣氏が考察する。
文:御堀直嗣/写真:LEXUS、TOYOTA、平野学
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レクサスは1990年に米国で誕生
レクサスGSは、1993年に、レクサス最上級4ドアセダンのLSに次ぐ車種として発売が開始された。そして2020年8月、わずか27年でその歴史を閉じたのである。
GSの意味は、グランドツーリング・セダンの頭文字である。ちなみにLSは、ラグジュアリー・セダンだ。そしてISは、インテリジェント・スポーツセダンである。
レクサスは、1989年に米国で生まれた。同様に、日産からはインフィニティ、ホンダからはアキュラが高級車ブランド専門販売店として展開をはじめている。
レクサス誕生の記念すべき1台目は、LS(国内ではトヨタセルシオとして登場)である。トヨタがいよいよ世界的に高級車の販売に乗り出すうえで、最大の特徴としたのは静かで快適な乗り心地であった。
例えばジャガーのような存在であろうか。そのために、静粛性には最大の開発が注がれ、室内に乗り込んだとたんにシンッとした静けさを覚えるほどだった。V型8気筒エンジンは徹底的な振動の抑制を行い、エンジンの上にワイングラスを載せても中身がこぼれない様子を見せる動画まで制作された。
徹底した快適性の追求は、米国市場でたちまち話題となり、レクサスの地位を瞬く間に確立したのであった。
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