プレミアムの対価 レクサスのブランド料はいくらなのか?

プレミアムの対価 レクサスのブランド料はいくらなのか?

 トヨタの上級ブランド、レクサスは1989年に北米で開業した。日本の営業開始は2005年8月だから、今年で15年を経過する。

 国内開業当初は、開発者から「日本のレクサスは後輪駆動のセダンを中心に扱う」という方針が聞かれたが、今のセダンは後輪駆動のISとLS、前輪駆動のESに限られる(GSは終了した)。

逆にSUVが4車種に増えて、国内におけるレクサスの最多販売車種もSUVのUXだ。

 レクサスは2020年1~8月に3万598台を登録したが、メルセデスベンツの3万3574台(バスや商用車を除く)を下回る。

 これに関して、「レクサス車は、トヨタ車に比べて割高だから売れない」という批判も多い。そこで本当にレクサス車は割高なのか、プラットフォームを共通化した車種同士で比べたい。

文:渡辺陽一郎/写真:LEXUS、TOYOTA

【画像ギャラリー】日本の誇るプレミアムブランドのレクサスの最新ラインナップ&価格をチェック!!


レクサスのブランド料は約53万円!?

 まずレクサスで最も登録台数の多いUXと、同じプラットフォームを使うC-HRを比べる。エンジンはUXが新しいタイプの2Lノーマルエンジンと2Lハイブリッドを搭載する。C-HRは1.2Lターボと1.8Lハイブリッドだ。

 排気量は異なるが、ハイブリッド同士で比べたい。排気量の補正も後で行う。

C-HRとプラットフォームをはじめコンポーネントを共用するUXはレクサスの最も小さなSUVながら質感の高さは折り紙付き
C-HRとプラットフォームをはじめコンポーネントを共用するUXはレクサスの最も小さなSUVながら質感の高さは折り紙付き
レクサスUXがクォリティを重視したプレミアムコンパクトSUVに対し、C-HRはスポーティなSUVということでキャラクターがまったく違う
レクサスUXがクォリティを重視したプレミアムコンパクトSUVに対し、C-HRはスポーティなSUVということでキャラクターがまったく違う

 比較するグレードは、UXが標準仕様の2WD・250h(432万8704円)、C-HRは最上級のハイブリッド2WD・G(304万5000円)だ。価格はUXが128万3704円高い。

 UXには、膝を保護するニーエアバッグ、カーナビ(C-HRはディスプレイオーディオ)、電動格納式ドアミラーの鏡面リバース連動機能、エンジン出力の特性などを変化させるドライブモードスイッチ、7インチサイズのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイなどが装着される。

 C-HRに備わらず、UXに採用されるこれらの装備は、合計35万円に価格換算される。

 先に述べた2Lハイブリッドシステムの刷新を15万円とすれば、UXの機能は、C-HRに比べて約50万円上回る。

 このほかサービスの違いもある。

 レクサスでは、点検やオイル交換、エアコンフィルター交換などをセットにした3年間のレクサスメンテナンスプログラムを標準付帯させている。

レクサスのSUVで最も小さいが、他のレクサス車に負けず劣らず内装の質感が高い。同じ本革シートでもトヨタ車で使っている革とは別物
レクサスのSUVで最も小さいが、他のレクサス車に負けず劣らず内装の質感が高い。同じ本革シートでもトヨタ車で使っている革とは別物

 またトヨタのTコネクトは、通信機能を5年間無料サービスするが、レクサスの場合、有償になるオペレーターサービスプラスの内容も3年間標準付帯される。

 これらのサービスに関する価格換算額は25万円前後だから、UXには、総額で75万円相当の実用的な価値が加わるわけだ。

 この金額を車両価格差の128万3704円から差し引いた約53万円が、UXとC-HRのデザイン、質感、乗り心地の違いといったレクサスのブランド価値に支払われる対価になる。言い換えればレクサス車とトヨタ車の実質差額だ。

次ページは : トヨタ車に比べて以前より割高になってきている

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!