リッターSSが尖りすぎて日本勢もキレた!!! 「キレッキレッ」のカワサキ新型ZX-10R/RRスクープをキャッチ

 チャンピオンメーカー、カワサキが動く。2021年に向けて新型ZX-10R/RRをリリースするという噂はあったが、ここにきてそれらしき車両写真が出回り話題となっている。

 その写真を元に、2021年型ZX-10RRのイメージCGを作成。見えてきた具体像をお伝えするとともに、競争が加熱する1000ccスーパースポーツの行方も占う。

文/市本行平、CG/SHIN GRAPHIC、写真/KAWASAKI、BMW、DUCATI、HONDA

【画像ギャラリー】ニッポンの誇りを胸に!! 新型ZX-10R/RRスクープ独占画像に大注目


■新型ZX-10R/RRはH2を踏襲したスタイルにイメージチェンジか

新型ZX-10RRを写真を元にCGで再現。ヘッドライトとシートカウル両側にダクト状のウイングを配置しダウンフォースを稼ぐ。メーターは画面の大きな液晶タイプを装備するが、燃料タンクは従来型を引き継ぐようだ。(CGイラストは編集部が制作したもの)

 新型ZX-10R/RRのCGでまず目を引くのはスタイリング。これまで通り顔の中央に吸気ダクトを置きつつ、アゴが突き出たH2のイメージを受け継いでいる。一方、シャーシやエンジンは現行型を踏襲しているようで、新型は改良型ということが分かる。

 現行ZX-10R/RRは2011年型がベースとなっており、登場から10年の節目でフルモデルチェンジするという予想もあった。

 しかし、2020年も世界最高峰のプロダクションレース、スーパーバイク世界選手権(SBK)で6連覇する強さを見せているだけに、大きな変更は必要ないという判断のようだ。

こちらは現行ZX-10RRで、2019年に500台限定で発売。この年式でエンジンが大幅に改良され、さらにRR専用のチタン製コンロッドなどで204psを発揮している。価格は298万1000円だ。

 2011年からの10年間でカワサキは、スーパーバイク世界選手権のライダータイトルを計7回獲得。この圧倒的な強さに対抗するためライバルメーカーはマシンを強化し、参戦車両となる1000ccスーパースポーツモデルは各段にレベルアップを果たしている。

 中には保安部品付きの状態で車重が200kgを切り出力は220ps以上というモデルもあり、ひと昔前のモトGPレーサーと変わらない性能と言っても過言ではない過熱ぶりなのだ。

 これを迎え撃つカワサキが王座を守り抜けるかどうかは、新型ZX-10RRの進化にかかっている。

■カワサキ包囲網狭まる!?  BMWはついにMモデルを初めてバイクに投入

この10月にBMWが発表したM1000RR。レギュレーションによるエンジン回転制限で有利になるようにレブリミットが14600→15100rpmに上昇、最高出力は5psアップの212psに向上している

 プロダクションモデルで争われるスーパーバイク世界選手権は、レギュレーションで改造範囲が制限されており、ベース車の性能が重要となる。メーカーは戦闘力をアップするためレース参戦モデルの性能を向上させ続けているのだ。

 これが顕著に表れているのが、2021年モデルとして新発表されたBMWのM1000RRだ。同車はS1000RRのメーカーチューン仕様で、通常3本のリングを2リングとした鍛造ピストンやスチールより85g軽量のチタンコンロッドなどを装備。

 ピストンやコンロッドが交換禁止というレギュレーション下でもアドバンテージが得られるように対応している。BMWのMモデルが二輪に投入されるのは初めての試みで、四輪のMシリーズと同様全面的にスポーティな装備となっているのが特徴だ。

 エンジン以外でも、ダウンフォースを生み出すMウイングレットや専用フレーム、Mブレーキ、Mカーボンホイールを採用しており、価格は280万円前後のS1000RRより大幅に上昇し、価格は500万円と予想されている。

 装備や性能が過激化すると同時に、価格が急激に高騰しているのも現在の1000ccスーパースポーツモデルの傾向なのだ。

ドゥカティのパニガーレV4Rは、モトGPレーサーと同じボア×ストローク比やデスモドロミックのバルブ機構でクラストップの221psを発揮するだけでなく、193kgと軽量。価格は463万円で、レース規則の上限いっぱいだ

■日本のメーカーもついにキレた!  ホンダはRの数を増やす

2020年にデビューしたホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP。RR-Rはアールアールアールが正しい発音となる。218psで201kgというドゥカティに次ぐ過激なスペックを実現、価格は278万3000円だ

 BMWがMを投入する前年、2020年にホンダはスーパースポーツモデルのCBR1000RRをフルモデルチェンジしている。大幅な性能アップと同時に車名も変更し、CBR1000RR-Rとしたのも大きなトピックだ。

 ホンダの「RR」は1987年のCBR400RRが元祖で、レーサーレプリカブームが過熱する最中に生まれたネーミング。

 R=RACE(レース)の頭文字で、よりレーシーなモデルをイメージさせる狙いがあった。これはホンダの専売特許ではなく、1980年代前半にヤマハRZ250がRZ250RになりRZ250RRとRを増やした例がベテラン層にはなじみ深い。

 とは言え、レーサーレプリカブームから30年以上が経った2020年代にRがさらに増えるというのは、誰も予想できなかっただろう。それだけ1000ccスーパースポーツモデルの競争が激化していることの証で、BMWがMを二輪に投入したことも背景は同じだ。

 他にもネーミングの例では2017年にカワサキがZX-10RR、スズキがGSX-R1000RとそれぞれRを一文字増やしており、2015年にヤマハがYZF-R1MでMを追加したことも。ヤマハのMはモディファイを意味し、格上の差別化に有効な記号となっている。

 いずれにしても、もはやレプリカというよりガチのレーサーそのもの。リッタークラスであることでパワーもハンパないことになっている。

■先鋭化する性能、ネーミング……このブームにカワサキも追随?

カワサキは欧州や北米で11月23日にニューモデルを発表することを予告しており、その中に新型ZX-10R/RRが含まれていると予想される

 2020年代のリッタースーパースポーツは、レプリカというよりレースでの覇権を懸けたメーカーのガチ勝負。この状況でチャンピオンメーカーであるカワサキがどう動くのかに注目が集まっている。

 冒頭の再現CGで現行型の改良版として新型ZX-10R/RRが登場するのは見えてきたが、2019年のモデルチェンジでエンジンに手を加えたばかりで、そこからの大幅なパワーアップは難しいとの見方も強い。

 一方で、2020年はスーパーバイク世界選手権でドゥカティにメーカータイトルで1ポイント差まで迫られており、戦闘力アップは必須だ。

 ここに来て「BMWのMのような展開がカワサキでもあり得る」という情報もあり、表に流れた写真だけでは読み解けないカワサキの秘策も期待できそう。

 その場合はどの程度のスペックで、どれだけ“キレた“ネーミングになるのかは不明だが、さらに競争が激化することは間違いないだろう。答えは間もなく明らかになる。

【画像ギャラリー】ニッポンの誇りを胸に!! 新型ZX-10R/RR独占スクープ画像に大注目