■カワサキ包囲網狭まる!? BMWはついにMモデルを初めてバイクに投入
プロダクションモデルで争われるスーパーバイク世界選手権は、レギュレーションで改造範囲が制限されており、ベース車の性能が重要となる。メーカーは戦闘力をアップするためレース参戦モデルの性能を向上させ続けているのだ。
これが顕著に表れているのが、2021年モデルとして新発表されたBMWのM1000RRだ。同車はS1000RRのメーカーチューン仕様で、通常3本のリングを2リングとした鍛造ピストンやスチールより85g軽量のチタンコンロッドなどを装備。
ピストンやコンロッドが交換禁止というレギュレーション下でもアドバンテージが得られるように対応している。BMWのMモデルが二輪に投入されるのは初めての試みで、四輪のMシリーズと同様全面的にスポーティな装備となっているのが特徴だ。
エンジン以外でも、ダウンフォースを生み出すMウイングレットや専用フレーム、Mブレーキ、Mカーボンホイールを採用しており、価格は280万円前後のS1000RRより大幅に上昇し、価格は500万円と予想されている。
装備や性能が過激化すると同時に、価格が急激に高騰しているのも現在の1000ccスーパースポーツモデルの傾向なのだ。
■日本のメーカーもついにキレた! ホンダはRの数を増やす
BMWがMを投入する前年、2020年にホンダはスーパースポーツモデルのCBR1000RRをフルモデルチェンジしている。大幅な性能アップと同時に車名も変更し、CBR1000RR-Rとしたのも大きなトピックだ。
ホンダの「RR」は1987年のCBR400RRが元祖で、レーサーレプリカブームが過熱する最中に生まれたネーミング。
R=RACE(レース)の頭文字で、よりレーシーなモデルをイメージさせる狙いがあった。これはホンダの専売特許ではなく、1980年代前半にヤマハRZ250がRZ250RになりRZ250RRとRを増やした例がベテラン層にはなじみ深い。
とは言え、レーサーレプリカブームから30年以上が経った2020年代にRがさらに増えるというのは、誰も予想できなかっただろう。それだけ1000ccスーパースポーツモデルの競争が激化していることの証で、BMWがMを二輪に投入したことも背景は同じだ。
他にもネーミングの例では2017年にカワサキがZX-10RR、スズキがGSX-R1000RとそれぞれRを一文字増やしており、2015年にヤマハがYZF-R1MでMを追加したことも。ヤマハのMはモディファイを意味し、格上の差別化に有効な記号となっている。
いずれにしても、もはやレプリカというよりガチのレーサーそのもの。リッタークラスであることでパワーもハンパないことになっている。
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