リッターSSが尖りすぎて日本勢もキレた!!! 「キレッキレッ」のカワサキ新型ZX-10R/RRスクープをキャッチ

■カワサキ包囲網狭まる!?  BMWはついにMモデルを初めてバイクに投入

この10月にBMWが発表したM1000RR。レギュレーションによるエンジン回転制限で有利になるようにレブリミットが14600→15100rpmに上昇、最高出力は5psアップの212psに向上している
この10月にBMWが発表したM1000RR。レギュレーションによるエンジン回転制限で有利になるようにレブリミットが14600→15100rpmに上昇、最高出力は5psアップの212psに向上している

 プロダクションモデルで争われるスーパーバイク世界選手権は、レギュレーションで改造範囲が制限されており、ベース車の性能が重要となる。メーカーは戦闘力をアップするためレース参戦モデルの性能を向上させ続けているのだ。

 これが顕著に表れているのが、2021年モデルとして新発表されたBMWのM1000RRだ。同車はS1000RRのメーカーチューン仕様で、通常3本のリングを2リングとした鍛造ピストンやスチールより85g軽量のチタンコンロッドなどを装備。

 ピストンやコンロッドが交換禁止というレギュレーション下でもアドバンテージが得られるように対応している。BMWのMモデルが二輪に投入されるのは初めての試みで、四輪のMシリーズと同様全面的にスポーティな装備となっているのが特徴だ。

 エンジン以外でも、ダウンフォースを生み出すMウイングレットや専用フレーム、Mブレーキ、Mカーボンホイールを採用しており、価格は280万円前後のS1000RRより大幅に上昇し、価格は500万円と予想されている。

 装備や性能が過激化すると同時に、価格が急激に高騰しているのも現在の1000ccスーパースポーツモデルの傾向なのだ。

ドゥカティのパニガーレV4Rは、モトGPレーサーと同じボア×ストローク比やデスモドロミックのバルブ機構でクラストップの221psを発揮するだけでなく、193kgと軽量。価格は463万円で、レース規則の上限いっぱいだ
ドゥカティのパニガーレV4Rは、モトGPレーサーと同じボア×ストローク比やデスモドロミックのバルブ機構でクラストップの221psを発揮するだけでなく、193kgと軽量。価格は463万円で、レース規則の上限いっぱいだ

■日本のメーカーもついにキレた!  ホンダはRの数を増やす

2020年にデビューしたホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP。RR-Rはアールアールアールが正しい発音となる。218psで201kgというドゥカティに次ぐ過激なスペックを実現、価格は278万3000円だ
2020年にデビューしたホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP。RR-Rはアールアールアールが正しい発音となる。218psで201kgというドゥカティに次ぐ過激なスペックを実現、価格は278万3000円だ

 BMWがMを投入する前年、2020年にホンダはスーパースポーツモデルのCBR1000RRをフルモデルチェンジしている。大幅な性能アップと同時に車名も変更し、CBR1000RR-Rとしたのも大きなトピックだ。

 ホンダの「RR」は1987年のCBR400RRが元祖で、レーサーレプリカブームが過熱する最中に生まれたネーミング。

 R=RACE(レース)の頭文字で、よりレーシーなモデルをイメージさせる狙いがあった。これはホンダの専売特許ではなく、1980年代前半にヤマハRZ250がRZ250RになりRZ250RRとRを増やした例がベテラン層にはなじみ深い。

 とは言え、レーサーレプリカブームから30年以上が経った2020年代にRがさらに増えるというのは、誰も予想できなかっただろう。それだけ1000ccスーパースポーツモデルの競争が激化していることの証で、BMWがMを二輪に投入したことも背景は同じだ。

 他にもネーミングの例では2017年にカワサキがZX-10RR、スズキがGSX-R1000RとそれぞれRを一文字増やしており、2015年にヤマハがYZF-R1MでMを追加したことも。ヤマハのMはモディファイを意味し、格上の差別化に有効な記号となっている。

 いずれにしても、もはやレプリカというよりガチのレーサーそのもの。リッタークラスであることでパワーもハンパないことになっている。

次ページは : ■先鋭化する性能、ネーミング……このブームにカワサキも追随?

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