新型ヴェゼルが2021年春登場! コンパクトSUVの勢力図はどう変わるのか?

新型ヴェゼルが2021年春登場! コンパクトSUVの勢力図はどう変わるのか?

 コンパクトSUV市場は、2019年11月に登場したトヨタライズ、2020年6月30日に日産キックス、2020年8月31日に発売したヤリスクロスと、新型車が続々登場し、最激戦区となっている。

 そのなかにあって、登場から7年が経つホンダヴェゼルの動向が注目される。

 ヴェゼルは、2013年12月に登場し、デビュー直後から爆発的な人気を得ており、2014~2016年と2019年にSUV販売台数NO.1を達成。すでに登場から7年が経っているのにもかかわらず、いまだにその勢いは衰えていない。

 その最激戦区に、2021年春に投入されるのが、新型ヴェゼルだ。はたして、コンパクトSUV市場はどう変わるのか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。

文/渡辺陽一郎
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 ホンダ

【画像ギャラリー】新型ヴェゼルはこうなる! ライズ、ヤリスクロス、キックスに勝てるか?


2021年春に登場予定の新型ヴェゼル

発売から7年が経過したヴェゼルだがいまだに人気は高い
発売から7年が経過したヴェゼルだがいまだに人気は高い
2021年春の登場が予定されている新型ヴェゼル(予想CGイラストはベストカーが製作したもの)
2021年春の登場が予定されている新型ヴェゼル(予想CGイラストはベストカーが製作したもの)

 小型/普通車で人気の高いカテゴリーとして、コンパクトカーとSUVが挙げられる。

 この2つの要素を併せ持つコンパクトSUVの売れゆきも好調だ。ヤリスクロスとライズは登録台数を大きく伸ばし、キックスもハイブリッドのe-POWERのみを搭載しながら中堅水準に位置する。

 そして2021年春に、ヴェゼルがフルモデルチェンジを行って次期型に刷新される。

 販売店では「メーカーから次期型の情報をまだ聞いていないが、現行型の発売から7年を経過したので、2021年春頃に登場することは間違いないでしょう」という。

 ちなみに現行ヴェゼルは2013年12月に発売され、2014年には1ヵ月平均で約8000台を登録した。2015年も約6000台で、今日のシエンタやフリードと同等の売れゆきだった。2020年は下がったが、それでも1ヵ月平均で2700台を維持している。

 ヴェゼルは人気カテゴリーのコンパクトSUVで、現行型も好調に売れたから、次期型に乗り替えるユーザーも多い。次期型も好調に売れる可能性が高い。

フィットと同様、センタータンクを採用して室内空間が広い現行ヴェゼルのコクピット。新型となってもこの特徴は継承されるだろう
フィットと同様、センタータンクを採用して室内空間が広い現行ヴェゼルのコクピット。新型となってもこの特徴は継承されるだろう

 現行ヴェゼルの一番の特徴は、運転しやすく価格も割安なコンパクトSUVでありながら、実用性も高いことだ。フィットと同様、燃料タンクを前席の下に搭載して空間効率を向上させた。ボディサイズの割に車内が広い。

 例えば身長170cmの大人4名が乗車した時、ヴェゼルの後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕がある。

 この広さは、ボディがひとまわり大きなCR-Vと同等だ。燃料タンクが前席の下にあるから、SUVでは荷室の床が低く、リアゲートを開いた時の床面地上高は650mm。重い荷物を積む時も、高い位置まで持ち上げる必要はない。

 後席を床面へ落とし込むように畳むと、ボックス状の広い空間になる。荷室高も約830mmあるから、大きな荷物を積みやすい。

 このほか燃料タンクが前席の下にあることで、後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。居住性はミドルサイズSUV並みに優れ、荷物の積みやすさとシートアレンジはミニバンに準じる。

 これらの特徴はヴェゼルの大切なセールスポイントだから、次期型にも継承される。現行型から次期型に乗り替えるユーザーも、そこに期待している。

 新型になって後席が狭くなったり、シートアレンジが大幅に単純化されることは考えにくい。

 そのうえでデザインや各種の技術は、昨今のホンダのトレンドに沿って仕上げる。まず外観は、大幅なマイナーチェンジを受けたオデッセイを参照するとわかりやすい。

 フロントグリルが強調され、水平基調のスリットが入る。現行型のグリルは鋭角的でスポーティだが、次期型は切り立った垂直に近い形状になり、存在感を強める。スポーティというよりプレミアム感覚だ。

 居住空間は前述の通り広い。ただしさらに広げると、CR-Vを超えるから、現行型とさほど変わらない。

 それでも走行安定性を確保するため、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を拡大する可能性はある。現行型は2610mmだが、次期型はC-HR(2640mm)よりも少し長い2650mm程度になるだろう。

 内装の質感は、競争の激しいカテゴリーでもあるから現行型以上に熟成させる。

新型フィットと同じe:HEV(ハイブリッド)が搭載される。1.5Lのe:HEVは1.5L、直4 (98ps/13.0kgm)と2モーター(109ps/25.8kgm)のため、かなりパワフル
新型フィットと同じe:HEV(ハイブリッド)が搭載される。1.5Lのe:HEVは1.5L、直4 (98ps/13.0kgm)と2モーター(109ps/25.8kgm)のため、かなりパワフル

 メカニズムで大きく変わるのがハイブリッドシステムだ。現行型は1.5L、直4エンジンをベースに、7速DCT(2組のクラッチを使う有段AT)を組み合わせた。

 それが次期型では、フィットやインサイトと同様のe:HEVに進化する。1.5Lエンジンは主に発電機の作動に使われ、モーターがホイールを駆動する。

 高速巡航時には、エンジンがホイールを直接駆動する場合もある。そのほうが効率が高まるからだ。e:HEVはモーター駆動が基本だから、加減速の仕方は電気自動車と基本的に同じ。

 モーターはアクセル操作に対する反応が機敏で、加速感は滑らかだ。ノイズも小さく、運転感覚が上質になる。

 このほか現行型と同様の1.5L、NAエンジン、1.5Lターボも用意される。エンジンはe:HEVを含めて3種類から選ぶことが可能だ。衝突被害軽減ブレーキも基本的にフィットと同じタイプに進化する。

 現在のホンダセンシングでは、自車が右左折する時に、直進車両や歩行者に対して衝突被害軽減ブレーキが作動することを明言していない(開発者によると対応は行っている)。ヴェゼルではそこを明らかにする可能性が高い。

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