マイナーチェンジ版の発売が当初の予定から昨年(2020年)10月へとずれ込み、またその上であっという間に完売してしまったことも記憶に新しい、ホンダのシビックタイプR。
かねてより2022年の発売が濃厚とされる次期型だが、その中身が錯綜している。
ベストカーでは、次期型は「2Lターボハイブリッド」が半ば既定路線のようになっていたし、そのようにお伝えもしてきたのだが、ここに来て、「1.5Lターボハイブリッド」説、さらには「現行型同様、直4、2LターボのFF」なんて話まで飛び出してきた。
いったいどういうことなのか? 総力を上げて追求です!
※本稿は2021年3月のものです
文/ベストカー編集部 写真/HONDA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年4月10日号
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■昨年11月のMCは“即完” コロナ禍などによるライフサイクルのねじれも背景に
現行型シビックタイプRは、マイナーチェンジを実施したと思ったら、その瞬間に予定数の受注に達し、即完売となってしまった。
これには、コロナ禍による生産現場の操業停止やその後の混乱などで、本来計画されていた昨年4月の販売開始が大幅に遅れ、11月にずれ込んでしまったという事情もある。
シビックタイプRの生産は英国工場だが、ホンダは英国工場の閉鎖を決定しており、これに伴って(タイプRのベース車でもある)シビック5ドアの生産が終了となる。
そうした状況のなか、英国工場の生産キャパシティの問題もあり、日本向けタイプRの生産台数にも制限があったのだ。
英国工場の閉鎖に加えて想定外のコロナ禍により、ホンダの商品戦略に大きな乱れが生じたことは想像に難くない。
だがそれにしてもシビックは2020年1月にシリーズのマイチェンを実施しながら、同8月に4ドアセダンの国内販売を終了。
その直後の11月18日には北米で11代目となる「新型シビックセダン」をワールドプレミアするという混乱ぶり。
もともと現行型シビックは日本未導入のまま2015年にデビューし、モデルライフ2年目となった2017年6月に日本導入されたことも、そのサイクルに対する印象をややこしくしている部分もある。
グローバルモデルとしてのシリーズ全体でのモデルライフサイクルと、国内でのモデルサイクルがずれているため、国内モデルを基準に見ると短期間でマイナーチェンジを繰り返したり、突如生産を終了したかのように見えるのだ。
とはいえ、現行型シビックはグローバルではすでに「モデル末期」と呼べる段階に入っており、来年にも新型にモデルチェンジをするということを忘れてはならない。
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