2021年6月12日、日本経済新聞が、日産が「スカイライン」など国内全4車種の新型車の開発を中止すると報じた。
スカイラインはブランド価値が高いため、SUVやEVなどの車種名として活用することも視野に入れている、という。
クラウンSUV報道の衝撃も冷めやらぬなかでのこの報道はインパクト十分。だが一方で当の日産は「スカイラインを諦めない」と発言するなど、火消しに躍起だ。
ただ裏を返せばこの発言、「今はまだ」諦めていない、という見方も当然できてしまう。実際のところはどうなのか。ベストカースクープ班が取材を進めた。
※本稿は2021年6月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部 写真/NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2021年8月10日号
【画像ギャラリー】相次ぐ開発中止情報… その中身をギャラリーでチェック!
■伝統のセダンを守るかSUVで革新か、日産の決断はいかに!?
報道によると、日産は販売不振のセダンを廃止する方針を固め、スカイラインもその対象となっており、販売店にその旨を伝えたとある。
日産にかぎらず国産セダンの販売低迷は深刻で、クラウンも次期モデルでのFF&SUV化が有力視される事態となっている。
そんななか、日産では星野朝子執行役副社長が「スカイラインを諦めない」と宣言するなど、(この表現もまた受け取り方次第ではあるが)“火消し”に躍起。
逆にそれがスカイラインの置かれた苦しい状況を示すように受け取られたりもしている。
この件に関し、ベストカーが各方面に取材した結果は以下のとおりだ。
【日産関係者】
「スカイラインの今後に関しては、セダンのままでいいのかも含めて検討中。仕向地によっても変わってくるし、議論が必要だ」
【インフィニティ外国人開発関係者】
「それについては星野朝子さんがコメントしている。まだ最終決定ではない。私からはこれ以上コメントできない」
【日産販売店幹部】
「スカイラインがなくなるという話は聞いてない。ただ、曲がり角に来ていることは確かで、SUVにするのも悪くないとは思う」
最終決定ではないが、議論が進んでいるのは確かなようだ。しかし、現行V37型が登場してもう8年目。
今議論していたら次期モデルの登場はいつになるのか? という疑問は残る。
一方、北米ではインフィニティQX55が昨年11月に登場しており、スカイラインのSUVはすでに存在していると言ってもいい状況。
あとは経営陣の決断ひとつだとも言える。
セダンはプレミアムブランドしか売れない今、スカイラインは中途半端な立ち位置にあるとの指摘もある。
しかし、SUVしかないスカイラインを日本のファンが受け入れられるのかという問題もあり、その判断は確かに難しい。
おそらく今も議論は続いている。スカイラインが重大な岐路に立たされているのは間違いない。
コメント
コメントの使い方