■オデッセイのモデル廃止は正しい判断だったのか
現行オデッセイの売れ方も気になるところである。
今年1~7月の登録実績はオデッセイが1万2655台、前年同期比118%増の倍増に対してミディアムクラスの主軸ミニバンであるステップワゴンは2万3125台、同12.3%増と1万台以上の開きがある。
ところが7月単月ではオデッセイ2131台に対してステップワゴンは2494台で、わずか363台の差である。このことはオデッセイも改良の仕方次第でまだまだ人気回復の余地があり、モデル廃止は早計だったという見方もできる。
ステップワゴンの販売がいまいち伸びていないのは、2022年春(3月ないしは4月)にフルモデルチェンジする予定のためとも考えられる。
現時点で次期型ステップワゴンがどのようなラインアップになるかもオデッセイの今後の行方にも関わってくるはずだ。
現行ステップワゴンは1.5リッターターボエンジン搭載の標準タイプと、2リッターハイブリッド中心の上級バージョン「スパーダ」、このの2シリーズ構成であり、販売構成比はスパーダのほうが70%程度と人気が高い。
次期型では両タイプのコンセプト分けをさらに明確にして、スパーダをよりハイクオリティ&走りのポテンシャルアップを図る可能性が強い。スパーダハイブリッドはオデッセイハイブリッドと同じ2リッター&2モーター方式のパワーユニットであるから、こちらをより上級シフトさせて充実装備で仕立てればオデッセイの代わりになる可能性もある。あるいはオデッセイと同様に2.4リッターガソリンNA車も設定し、別シリーズとして再編させる手法もありそうだ。
そしてそうなる(次期ステップワゴンが上級シフトする)と、次期型オデッセイ登場の芽は期待薄になるかも知れない。
■現行オデッセイの見積もりをとってみた
首都圏にあるホンダカーズ店で現行オデッセイの見積もりをとってみた。
最も売れている2リッターハイブリッドアブソルートEX(車両本体価格456万2000円)に有料色のプラチナホワイトパール、フロアマット、ライセンスセット、ナビ、ETC、ドライブレコーダー、ドアバイザー、ボディコーティングなど70万円弱のオプション&付属品をつけて弾くと法定、法定外費用を含めて、総額435万円弱となった。
値引きの初回回答は車両本体、オプション&付属品を含めて30万円が提示された。納期は3ヶ月待ちの11月下旬となっている。
■証言1「歴史を振り返ると」首都圏地場資本系ホンダカーズ店営業担当者
オデッセイの現行モデルについてはモデル自体が古くなっているので、売れ行きは良くなかった。とはいえフルモデルチェンジして最新のニーズを盛り込んで仕立てなおせば人気が回復すると思うので、モデル廃止はもったいないと思う。
エンジンは主力の、ハイブリッドだとステップワゴンと同じだから、こちらを選ぶユーザーはステップワゴンスパーダに流れる確率が高くなる。2.5ないしは3リッターあたりのハイブリッドで次世代モデルを開発すれば売れるようになるだろう。
ホンダは現行のオデッセイは廃止するが、「後継モデルの開発はしない」とは言っていないので、いずれは復活すると期待している向きが強い。
ホンダはこれまでの歴史で、ニーズの変化に合わせて著名モデルの生産を打ち切ったのを、再投入してきた例がいくつか存在する。今回のオデッセイについても同様な過程をたどるかも知れない。
コメント
コメントの使い方