オデッセイ消滅と復活の可能性に次期ステップワゴンの影響あり

オデッセイ消滅と復活の可能性に次期ステップワゴンの影響あり

 ホンダは今年(2021年)春、全国のホンダディーラーに同年内いっぱいでオデッセイの生産を終了することを通達した。

 売れないのだから市場から撤退するのは仕方ないのだが、しかしオデッセイが所属する「上級ミニバン」カテゴリーの需要は依然として高い。いい商品があれば売れるはずなのに…。そこらへんを、ホンダの現場の営業マンはどう考えているのか。

 流通ジャーナリストの遠藤徹氏によると、どうもオデッセイは次期型の登場が期待されており、そこには次期ステップワゴンがどうなるかが関係しているようだが…。

文/遠藤徹
写真/HONDA

【画像ギャラリー】オデッセイやエリシオンにみるホンダ大型ミニバンの栄枯盛衰


■エスティマに続きオデッセイも…上級ミニバンの廃止が相次ぐ

2020年11月にマイナーチェンジを実施して以来、順調に売れていたオデッセイだが、2021年12月をもって生産を終了すると明かされた
2020年11月にマイナーチェンジを実施して以来、順調に売れていたオデッセイだが、2021年12月をもって生産を終了すると明かされた

 オデッセイは昨年(2020年)11月5日にビッグマイナーチェンジし、以降最近までの売れ行きは比較的好調に推移していただけに、販売店では首をかしげる声が多い。実際どのような声があがっているかというと、首都圏を中心としたホンダカーズによれば、

 「改良型オデッセイは(生産終了の報道が出回ったあとも)順調に売れているが、売れ筋のハイブリッドは(在庫切れで)いつ販売終了となってもおかしくない。8月末契約分の納期は11月末頃であり、それ以降についてはガソリン車がまだ若干の余裕があるものの、いずれにしろ今年いっぱいの生産分で打ち切られる」とコメントしている。

1994年にデビューした初代オデッセイ。全高を1645㎜に抑えたことで人気を博した
1994年にデビューした初代オデッセイ。全高を1645㎜に抑えたことで人気を博した

 オデッセイは上級ミニバンのパイオニアである初代モデルがヒットし、一世を風靡した人気モデルだった。その後、トヨタがエスティマ、アルファード/ヴェルファイア、日産がエルグランドなど対抗モデルを相次いで投入し、上級ミニバン全盛時代を迎えた。

 その後、背の高い「ボックス型」が優位に販売情勢を進める中で、ホンダは同ジャンルのエリシオンを投入。

 いっぽうトヨタは乗用車タイプのエスティマのモデル廃止を打ち出したことで、同じようなコンセプトのオデッセイも苦戦を強いられるようになり、ホンダ社内では徐々に開発と販売の力点がステップワゴンへ移行。エリシオンの苦い記憶もあって、オデッセイの廃止を決断するに至ったものと思われる。

2012年5月に販売を終了したエリシオン。大きさは全長4845mm×全幅1830mm×全高1790mm。アルファードやエルグランドよりも小さく、エスティマ最終型に近いサイズ感
2012年5月に販売を終了したエリシオン。大きさは全長4845mm×全幅1830mm×全高1790mm。アルファードやエルグランドよりも小さく、エスティマ最終型に近いサイズ感

 ただオデッセイのモデル廃止を、恒久的措置として受け止めていないホンダカーズ店も目に付く。

 「オデッセイクラスの上級ミニバンのマーケットニーズはまだまだ十分に存在する。トヨタのアルファードがよく売れている。オデッセイを背の高いボックス型に仕立て直して、次期型を開発すれば、人気は回復するはずだ。現行モデルはたまたま、狭山工場が年内いっぱいで閉鎖となるので、それに伴う一時的な措置ではないか」

 と指摘するホンダカーズ営業担当者もかなり多く存在する。

次ページは : ■オデッセイのモデル廃止は正しい判断だったのか

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