抜群の人気を誇る「ヤリスクロス」が2022年8月にも一部改良し、追加モデルを設定することが明らかとなった。同改良モデルの生産開始は2022年8月だが、見積書の作成は2月19日から可能となっている。
さて、2年ぶりの改良となる新型ヤリスクロスはどんな変更を受けるのか? 流通ジャーナリストの遠藤徹氏が、販売の現場を回り、ヤリスクロスの一部改良について、今わかっている情報すべてをお伝えしていこう。
文/遠藤徹
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ
■最上級グレードのZをベースにGR SPORTとアドベンチャーを追加
改良の内容は装備の見直しとカラーリングの再編、追加モデルの設定は最上級グレードの「Z」をベースの「GR SPORT」や「アドベンチャー」を加えるなどして商品ラインナップを強化する。
具体的には装備の内容についてだが、まずアドベンチャーでは、メイングレード「Z」に内装色に合成皮革のブラック仕様を追加し、メーカーオプションだったステアリングヒーターを標準化。さらに専用ルーフレールとバンパー、アルミホイールを装着するとともにドライブレコーダー機能付きのデジタルインナーミラーをメーカーオプション設定。
ボディカラーはモノトーンのホワイトパールクリスタルシャインをプラチナホワイトパールに変更、2トーンはルーフのブラックマイカ&ボディのプラスゴールドメタリックとルーフブラックマイカ&ボディシルバーメタリックを廃止する。
GR SPORTはヤリスに設定している「GR RS」同様の足回りを強化したスポーツカスタマイズバージョン。ヤリスには4WD車に1.6リッターターボの「GR RC」、「GR RZ」などもラインナップしているが、今回は1.5リッターのGR SPORTのみの設定になる。エクステリアはヤリスやC-HRと同様、スリットの入ったフロントバンパーなど、GRらしいスポーティなデザインとなる。
アドベンチャーはRAV4に設定しているように、よりオフロード色の強い装備で、走破性を強化した装備内容となる。最低地上高などスペックの変更はない。
車両本体価格はステアリングヒーターを標準装備するZが従来モデルに比べて2万~3万円高の233万1000円(1.5ガソリン車)、ハイブリッドZが260万6000円。Zアドベンチャーは約20万円高の233万1000円(1.5ガソリン車)、ハイブリッドZアドベンチャーが270万5000円。
GR SPORTはベースグレードに対して、それぞれ50万円高の250万円(1.5ガソリン車)、ハイブリッドGR SPORTが290万円。
なお、エントリーグレードの179万8000円のX“Bパッケージ”を廃止したため、189万6000円のXが最安グレードとなる。※いずれの価格もFF。
ヤリスクロスの現行モデルは2020年8月31日に発売開始した。今夏で2年が経過するので一部改良し、商品ラインナップを強化するわけだが、この時期にオーダーストップするのは不自然な気もする。
これまでヤリスシリーズは月販1万5000台規模をコンスタントに販売し、登録車のトップセラーに君臨している。
このうちの半分以上がSUVのヤリスクロスが占めている。2022年1月のヤリスシリーズの登録台数は1万8169台でこのうちヤリスクロスは1万752台であり、シリーズ全体の59.2%を占めている。
首都圏にあるトヨタディーラーで現行モデルのヤリスクロスハイブリッドZ、FF(車両本体価格260万6000円)に有料色のプラチナホワイトパールマイカ、アクセサリーコンセント、ハンズフリーパワーバックドア、CPCプレミアムコーティング、前後ドライブレコーダー、T-コネクティッドナビキット、ETC2.0、フロアマット、サイドバイザー、ナンバーフレームなど約65万円のオプション&付属品をつけて見積書をいただいた。
法定、法定外費用を含めて総額344万円強と出た。これを約55万円の頭金で60回均等払いの残価設定クレジットで組むと毎月3万5000円の支払い額となる。5年後の残金は104万2400円で車両本体価格260万6000円に対して40%になるので、同クラスモデルとしてはトップレベルのリセールバリューの高さといえる。
割賦手数料は4%であるから他メーカー系列店に比べるとかなり高めの設定といえる。初回の値引き提示額は下取り車なしで20万円だったが、決算セールを活用すると5万円以上の上乗せが可能の状況にある。
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