2020年の第一報以来、少ない情報がたまに漏れ聞こえるスープラGRMN。某艦長なら「スープラGRMN、開発どうなってんの!」と叫んでしまいそうだが、いよいよ最終局面に入っているという。一体どんなクルマに仕上がっているのか!? 詳細を見よ!
※本稿は2024年3月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、TOYOTA
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
■その詳細に迫っていこう
バックナンバーを探してみると、初めてこの情報を載せたのは2020年7月26日号だった。なんと3年9カ月前。遠い目になってしまいそうな昔の話だ。
スープラGRMNのスクープ情報である。当時の記事を読み返してみると「2023年登場」となっている。申し訳ない。まだ出てきていませんね。
なぜこんなに時間がかかっているのだろうか。もしかしたら開発自体をやめたのではないかという疑念が生じたりもしたが、そんな話も聞こえてこない。外部では知りえない事情で、開発に手間がかかっているのだろう……。
と思っていたら、久しぶりに情報が飛び込んできた。スープラGRMNの開発はやはり進んでいて、そろそろ最終局面に入っているのだという。遅いよ! でも、嬉しい……。
その情報によると、とことん走りにこだわるGRMN仕様らしく、細かな空力パーツが特徴になるのだという。フロント左右端に小さなカナードが付き、その下にリップスポイラーを装着。そして、リアには大型GTウイングが鎮座する。
どこかで見た覚えが……。そう、レース専用車のスープラGT4である。
スープラGT4は「市販されているレース車」で、2020年3月に欧州で発売を開始して以来、2023年4月には生産台数累計100台に到達。最新のGT4EVOは、ベース車で18万6000ユーロ(約3021万円)の価格となっている。
つまり、レース専用車GT4の技術ノウハウを詰め込んだ市販車がスープラGRMNということ。その詳細に迫っていこう。
■200台レベルの限定モデルで登場
エンジンはもちろん直6、3Lターボを搭載する。当初BMW M3のS58B型510psエンジンを載せるという噂だったが、それはないというのが最新情報。現行GRスープラのB58B型387psをパワーアップして搭載することになる。
パワースペックは不明だが、GT4マシンでは430psを表示しており(実際はレースカテゴリーの性能調整による)、GRMN仕様も400psオーバーは確実と思われる。
トランスミッションは7速DCT(デュアルクラッチ2ペダルMT)という情報。トヨタ初のDCTということになるが、未確認ながら3ペダルの6速MTも設定される可能性がある。
さらに力を入れられるのがボディと足回りの強化だ。スポット溶接の打ち増し、構造用接着剤の使用エリア延長などのGRMN定番メニューでボディを強化し、専用サスペンションと専用ブレーキを採用。ブレーキは熱に強いドリルドディスクとして、フロント6ポッド、リア4ポッドのレッド塗装キャリパーを装着する。
GRスープラは2022年4月の改良時にダンパー、アクティブLSD、電動パワーステアリングのセッティングを変更し(同時に6速MTも追加)、走りのクォリティが大幅に向上している。ベースのレベルが高いだけに、GRMN仕様への期待は高まるばかりだ。
軽量化も抜かりない。エンジンフード、ルーフ、フロントリップスポイラー、リアウイングなどをカーボン素材とするほか、インテリアも専用の軽量アイテムを採用。具体的な数値は不明だが、20〜30kgの軽量化を果たすことになるだろう。
このGRMN仕様がGRスープラの最後を飾るスペシャルモデルとなる。登場は来年早々が予想されるが、早ければ年内に発表される可能性もある。
純エンジン最後にして最強のGRスープラは言うまでもなく貴重な存在。価格は1200万〜1300万円クラスで、国内200台レベルの限定モデルになるという情報だ。
コレクターズアイテムとしての価値も高く、世界中で争奪戦になりそうな気配濃厚。購入を検討できる幸運な人は、今から販売店に探りを入れておいたほうがいいだろう。
やっと出てくるスープラGRMN。待った甲斐があった! と実感できるクルマになって登場する。
●トヨタ スープラGRMN予想スペック
・全長×全幅×全高:4410×1870×1295mm
・ホイールベース:2470mm
・車両重量:1500kg
・エンジン:直6、3Lツインスクロールターボ
・最高出力/最大トルク:420ps/52.0kgm
・トランスミッション:7速DCT
・駆動方式:FR
・登場時期:2025年春
・予想価格:1200万〜1300万円
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