ルノーのコンパクトSUV、キャプチャーが日本上陸を果たした。欧州でバカ売れのオシャレな都会派SUVはヴェゼル・ジュークら国産SUVキラーとなれるのか? 初試乗の様子をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年3月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部
■「インテンス」259万8000円、「ゼン」249万8000円
「いまやコンパクトクロスオーバーは欧州で大きなマーケットになっています」
こう語るのはルノーのマーケティング担当のブレン氏。欧州ではコンパクトクロスオーバーが全体の17%のシェアを占め、同8%のミニバンを上回るカテゴリーに急成長。そのトップブランドは昨年(2013年)10万6000台を売り上げた日産ジュークだ。
いっぽう国内でも先のジュークに加え、発売後24日時点の初期受注2万4900台と絶好調のヴェゼルも登場し、コンパクトSUV市場は活況だ。
そんなコンパクトSUVカテゴリーにルノーが送り込むのは、2月27日発売のキャプチャーだ。欧州では昨年(2013年)12月に販売開始し、当月はジュークに次ぐ第2位の販売台数で人気モデルとなっているが、その実力はいかに!?
日本上陸初試乗レポートをさっそくお届けする!

■どんなクルマ?
まず、キャプチャーはどんなクルマなのか?
デザインは2009年にルノーの常務デザイン担当に就任したローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏が中心となり「EXPLORE」(冒険の旅に出る)をテーマにデザイン。ルーテシア譲りの曲線を基調としたグラマラスなデザインだが、大径ホイールがSUVとしての迫力も演出。
プラットフォームは、車体前半部のエンジンマウントなどは日本未発売のクリオエステート(ルーテシアのワゴン版)がベースとなり、前後サスペンションシステムも同車のものを使うが、ダンパーは専用チューニング。
また、フロア後方部のラゲッジ周りなどはオリジナル設計となる。駆動方式に4WDはなくFFのみ。
■乗ってみてどう?
まずシートに乗り込むと硬すぎず適度なホールド感が好印象で、約2時間の試乗中も疲れを感じさせなかった。
エンジンはルーテシアと共通の可変バルブタイミング機構を持つ1.2L、直4直噴ターボエンジンで組み合わされるトランスミッションもデュアルクラッチの6速EDC。ギア比もルーテシアと同じセッティングとなる。
が、車重はルーテシアより60kg重い1270kgとなるので「ちょっとパワー不足か!?」と予想したが、アクセルを踏めば2000回転で19.4kgmを発生させるトルクが瞬時に立ち上がり、発進加速、また常用域の40~60km/h付近の加速もスムースで日常使いには充分のパワー感。
さらに試乗中の混雑した一般道ではクリープを備えることも手伝い、微速領域での挙動もギクシャク感が少なく、国産CVt車と比べても違和感はほとんどなし。DCTの弱点をうまく克服している印象だ。
また、最低地上高はルーテシア比で80mm上げた200mmと高く、その恩恵で運転席からの前方視界は良好。
この数値はライバルとなるジュークより30mm、ヴェゼルよりも15mm高い。今回は悪路を走行する機会はなかったが、SUVとしての走破性にも充分期待できる。
乗り心地は適度に硬いが、不快感のある硬さではなく、快適さとコーナリング性能をうまくバランスさせている印象だ。
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