トラックを運転していてコワい目に遭ったことありませんか?
そんな質問をしたら、大型トラックに乗っている「いろは」さんから煽り運転にまつわるコワい体験が寄せられました。
スピードリミッターが付き、会社で決められている速度=社速で走らなければならない大型トラックは、事情を知らない一般車から煽られることもしばしば。そんな体験に耳を傾けてみましょう。
文/大型ドライバー「いろは」さん 写真/フルロード編集部
*2019年6月発行トラックマガジン「フルロード」第33号より
リミッター無しの「煽り煽られ」の時代
トラックドライバーならではの「コワい目」ですが、思い出してみたら最近の話から過去の話までいろいろありました。でも、近頃騒がれている「煽り運転」がらみが多いですね。
私がドライバーになって1年が経った頃だと思います。大型車にリミッターが付きました。私の担当車も車検を機にリミッターが付き、確か時速95kmまでしかスピードが出せなくなったんです。
でも、不便を感じることはなかったです。それもそのはず、ドライバーになってリミッターが付くまでのわずか1年間で、私は数々の危機に遭遇し、奇跡的に回避し、相当ビビっていたからです(笑)。
その理由は煽られ事故を起こしそうになったこと。リミッターがないぶん、特に高速道路では煽り煽られが多かった気がします。
定速走行では毎日煽られています
月日が経ち、今の大型車は時速90kmも出なようになり、社速を決めている会社も多いと思います。私も今の仕事(重量物トレーラ)では高速道路で時速80km、一般道は時速60kmという規則の中で走行しています。
実際には、ピッタリ定速で走るのはむずかしく、余裕を持って社速マイナス5kmくらいで走ることが多いのですが、乗用車にもトラックにも毎日煽られます(笑)。
一般道の流れが良いところなどは、法定速度や社速では流れに乗れないことも多いです。「流れに乗れてないな~」と感じながら走ることは、地味にコワいです。
あとコワいのがお尻にピッタリ着かれること。大型車は乗用車のように加速できませんし、荷物を積んでいれば加速も減速も遅いです。止まれると思っているのでしょうけど、車道を走る自転車が増えたこの頃、路地から一時停止無しで車道に出てくる自転車も珍しくありません。
そんな状況で相手がスマホをいじっていたりすることも……。こちらを見ていれば回避できることも、相手が見ていなければどうすることもできません。そんな状況では後ろを気にしている場合じゃなくなります。