2007年12月にGT-Rが独立したモデルとなり、現在スカイラインは4ドアセダンのみとなっている。
スカイラインのなかでも特に16年ぶりにGT-Rが復活した1989年のR32型から2002年まで販売されたR34型スカイラインいわゆる第2世代GT-Rを擁していたスカイラインはクーペのイメージが強く、GT-Rではない標準モデルの2ドアモデルも用意されていた。
しかし、遡れば1957年に登場した初代スカイラインは4ドアセダンだったし、GT-Rが最初に設定された3代目スカイライン、通称ハコスカも最初は4ドアセダンだった。
すなわちスカイラインの原点は“高性能セダン”であると考えられる。
現在、第一世代はもちろん、第二世代のGT-Rの中古車相場は暴騰しすぎて手が付けられない状態で、GT-RじゃないR32型、R33型、R34型の標準モデルの2ドアも高騰を続けている。
この状況のなかで、さすがにそこまで高騰はしていない、最後の砦ともいえるのがスカイライン4ドアセダンなのだ。
そこで、今回はR32型、R33型、R34型のスカイライン4ドアセダンの中古車事情に迫ってみたいと思う。
文/萩原文博
写真/日産自動車
【画像ギャラリー】4ドアセダンこそがスカイラインの王道! R32~R34型の4ドアセダンを写真でチェック!
中古車平均価格はV37型に次いでR32型が高い
各モデルの紹介の前に興味深いデータを紹介しよう。それはR32型から現行V37型までの中古車の平均価格だ。
一般的には年式が新しいほど中古車の平均価格は高くなるもの。スカイラインも当然のことながら現行型のV37型が約273万円と最も高い。
しかし中古車は人気という要素がダイレクトに価格に反映されるので、現行型に次いで平均価格が高いのがR32型の約156万円。
そして安定した人気を誇るR34型が約144万円で続き、現在急上昇中のR33型が約130万円となっているのだ。
年式は新しいものの、V36型の平均価格は約58万円、V型エンジンを初搭載し、物議を醸したV35型の平均価格は約34万円とこの約30年間で販売されたスカイラインのなかでV35型が最も低価格となっているのである。
それだけ、直列エンジンを搭載したスカイラインに対して、思い入れが深い人が多いことを表わしている。
それでは、R32型、R33型、R34型スカイラインセダンの歴史を振り返りながら、現在の中古車相場を分析していこう。
R32型スカイラインセダン:1989年5月~1993年7月
1989年5月に登場したR32型スカイラインは、これが最終モデルとなるピラードハードトップの4ドアセダンだった。
セダンのみに設定された最高出力91psを発生する1.8L、直4エンジンを搭載したエントリーグレードのGXiをはじめ、最高出力125psを発生する2L、直6SOHCエンジンを搭載するGTE、最高出力155psを発生する2L、直6DOHCエンジンを搭載するGTS、GTSにスポーティな装備を装着したGTSタイプS。
そして最高出力215psを発生する2L、直6DOHCターボエンジンを搭載したGTS- t/GTS-tタイプMが用意されていた。
さらに同年8月にはアテーサE-TSと呼ばれる電子制御4WDを採用したGTS-4が加わり、クーペの5グレードを上回る7グレードが用意されていた。
その後、1991年8月の一部改良時に最高出力180psを発生する2.5L、直6DOHCエンジン+5速ATを搭載したGTS25タイプX・Gを追加したのをはじめ、GXiやGTEなどにはタイプXという名称が追加されている。
■R32型スカイラインセダンの中古車相場
■中古車流通台数:9台
■中古車価格帯:約60万〜約280万円
■中古車平均価格:約156万円
1989年〜1993年まで販売されたR32型スカイラインセダンの中古車の流通台数は現在9台といよいよ絶滅危機に瀕している。3ヵ月前の時点では約12台だったので、かなり厳しい状況だ。
中古車の平均走行距離は3ヵ月前の約16万kmから現在は約12.2万kmまで減少しており、この動きに連動して、中古車の平均価格は3カ月前の約130万円から約156万円へと値上がり傾向となっている。
1年という長いスパンで見ても、2019年11月の時点では約120万円だったが、その後順調な値落ちを進めていたが、2020年6月から一転して値上がり傾向へと転じている。
現在の中古車の価格帯は約60万〜約280万円で価格応談は3台となっている。100万円以下のクルマもあるが、100万円台の中古車が中心で、クーペに比べるとまだ割安感はある。
グレードではGTS-tタイプMとGTS-4がメインで、GXiなどは流通していない。トランスミッションはほとんどがMT車となっており、ターボ+MTという仕様が中心となっている。
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