エスティマ、オデッセイ…平成の大ヒットミニバンの中古車は今いくら?

初代ホンダステップワゴン:1996年5月~2001年4月

初代ステップワゴン。当時は珍しかったFFミニバンとしてデビュー
初代ステップワゴン。当時は珍しかったFFミニバンとしてデビュー

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 1996年5月にクリエイティブムーバー第3弾として登場したのがホンダステップワゴンだ。ミニバンのなかでも激戦区となっている2Lクラスだが、当時ライバル車のセレナやライトエースノアなどは運転席下にエンジンを搭載するキャブオーバータイプのFR車だった。

 しかし、初代ステップワゴンは現在では当たり前となっているFF駆動のミニバンとして登場した。四角いボディには広い室内空間を確保し、ファミリーカーとしてだけではなく、大きな荷物を積む趣味車として大人気となった。

 また、新車時価格154.8万円からという低価格も大ヒットの要因の一つである。5ナンバーサイズのボディにサスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーンという乗用車譲りの方式を採用。

 搭載されるエンジンは2L、直4でトランスミッションはコラム式の4速ATが組み合わされた。また8人乗りの3列シートに加えて、5人乗り2列シート仕様も用意していたのが特徴だ。

 現在、初代ステップワゴンの中古車の流通台数は約11台で、中古車の価格帯は約9.9万~約88万円と幅広くなっているが、平均価格は約31.6万円となっている。グレードでは1998年に特別仕様車で登場し、後にカタログモデルへと昇格したデラクシーが中心。

初代ホンダストリーム:2000年10月~2006年7月

初代ストリーム。全長4550×全幅1695×全高1590mm。ミニバンとは思えぬスタイリッシュな外観が注目を集めた
初代ストリーム。全長4550×全幅1695×全高1590mm。ミニバンとは思えぬスタイリッシュな外観が注目を集めた

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 ミニバンというと大きく四角いボディが特徴だが、どうしてもファミリー色が強くなってしまう。

 そこでミニバンの特徴である多人数乗車とスタイリッシュなステーションワゴンライクなスタイリングを両立させたモデルが2000年に登場したホンダストリームだ。

 全長4550×全幅1695×全高1590mmという5ナンバーサイズのボディに3列シートをレイアウトした優れたパッケージが特徴で、2020年に絶版となったジェイドのルーツといえるモデルである。

 3列シートは大人が乗るには難があるが、取り回しのしやすい5ナンバーサイズのミニバンということで大ヒット。その後トヨタイプサムが登場することでさらにこのカテゴリーは激戦区となった。

 シビックやシビックフェリオと同じプラットフォームを採用し、搭載されるパワートレインは2L、直4+5速AT、1.7L、直4+4速ATだった。

 2003年にマイナーチェンジが行われ、シャープな外観に変更され、さらにスポーツモデルのアブソルートを設定した。このアブソルートには2L、直4直噴エンジン+CVTが搭載された。

 現在、初代ストリームの中古車は約20台流通していて、価格帯は約9.8万~約49.5万円。平均価格は約22.4万円と底値となっている。前後期通じてほぼ同じくらい流通していて、グレードによる価格差はほとんど見られない。なかには走行距離8900kmという驚きの中古車も存在している。

三菱シャリオグランディス:1997年10月~2003年5月

シャリオグランディス。全長4650×全幅1775×全高1650mmの3ナンバーサイズ
シャリオグランディス。全長4650×全幅1775×全高1650mmの3ナンバーサイズ

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 現在三菱のミニバンというと、デリカD:5が孤軍奮闘しているが、かつてはスマッシュヒットを飛ばしたモデルがあった。それが1997年に登場したシャリオグランディスだ。

 シャリオグランディスのボディサイズは全長4650×全幅1775×全高1650mmで大ヒットしたホンダオデッセイの対抗車として開発されたモデルだ。

 後発車だったのでボディは3ナンバーサイズとなり、本革シート標準装備したグレードを設定するなど上質さを訴求していた。

 主力エンジンは2.4L、直4のGDIエンジンで、3L、V6エンジンも追加された。販売開始から半年も経たずして新車販売台数が1万台を突破するなどスマッシュヒットとなった。

 現在シャリオグランティスの中古車の流通台数はわずか5台で、価格帯は約35.8万~約52.5万円。平均価格は約40.6万円で底値となっている。流通している中古車のグレードは2.4Lエンジンを搭載したスーパーエクシードが多く、3Lモデルは流通していない。

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 こうして、平成に登場したエポックメイキングなミニバンを見てみると、初代オデッセイ、初代ステップワゴン、初代ストリームと、ホンダの商品力の素晴らしさが目立っていることがわかる。

 現在のミニバン市場は、群雄割拠状態だった20年前と比べると寂しいかぎり。消滅した車種と見ると、トヨタではエスティマ、ウイッシュ、イプサム。日産ではプレサージュ、ラフェスタ、キューブキュービック。ホンダではエリシオン、ストリーム。そのほか、三菱グランディス、マツダMPV、マツダプレマシー、スバルエクシーガが消滅した。

 なぜ、ミニバンブームは衰退したのか? それは、SUVブームをはじめ、燃費や居住空間が大幅に向上したコンパクトカーの登場に加え、一段と進んだ少子化と核家族化により、ミニバンブームは衰退していったのではないだろうか。

 ミニバンの需要は大きく減ったものの、2020年1~12月の新車販売台数ランキングを見ると、以下表の通り、アルファードやフリード、シエンタ、ヴォクシーがトップ10に入っている。ちなみに1位はヤリス(15万1766台)、2位ライズ(12万6038台)、3位カローラ(11万8276台)、4位フィット(9万8210台)。


■2020年1~12月ミニバンの新車販売ランキング
5位:アルファード 9万748台(132.1%)
7位:フリード 7万6283台(89.1%)
8位:シエンタ 7万2689台(65.6%)
10位:ヴォクシー 6万9517台(79.0%)
11位:セレナ 6万8648台(73.8%)
16位:ノア 4万5434台(86.2%)
20位:ステップワゴン 3万4441台(65.4%)
※自販連データ。カッコ内は対前年同月比

 今回、調査してわかったのは中古のミニバン市場では、ブランド力を発揮した初代エスティマはいまだに高値をキープしていたこと。

 しかしこうしたミニバンもすでにひと桁の流通台数となっている車種が多く、もう一度味わいたいなら、もう時間の猶予はない。

【画像ギャラリー】ミニバンブームを巻き起こした懐かしの中古ミニバンはこれだ!

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