今でこそ、アルファードの一強という傾向が強い日本のミニバン。過去を辿ると、ミニバンブームの火付け役となったのは1990年に登場した初代エスティマや1994年に登場した初代ホンダオデッセイといわれている。
そのほか、ステップワゴンやノア&ヴォクシー、シャリオグランディスなど、1990年代はまさにミニバンの群雄割拠状態だった。しかし、現在では当時ほどの人気はなくなっている。
そこで、当時なぜミニバンはあれほど大ヒットしたのか? そして、もし当時を懐かしんで、もう一度乗りたいと思ったら、今いくらで買えるのか、中古車事情に詳しい萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 トヨタ ホンダ マツダ 三菱
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初代トヨタエスティマ:1990年5月~2000年1月
1990年、キャブオーバータイプの1BOX車が主流だった時代に平成のミニバンブームの礎を築いた2台のミニバンが登場する。1台はトヨタエスティマ、そしてもう1台はマツダMPVだ。
2代目以降はFF車となったエスティマだが、初代モデルは「天才タマゴ」と呼ばれた卵形のワンモーションフォルムの外観デザインを採用。床下のエンジンを横75度寝かせたミドシップレイアウトという個性的なレイアウトを採用した。
このレイアウトとフロントがマクファーソンストラット、リアがダブルウィッシュボーン(一部グレードは4リンク)という四輪独立懸架のサスペンションにより、乗用車のような乗り味と広い室内空間を実現したのである。
搭載するエンジンは2.4L、直4のみだったが、パワー不足という声に応えて、1994年8月に最高出力160psを発生するスーパーチャージャー付きエンジンへと変更された。
また、初代エスティマで忘れてはならないのが、1992年に登場した全長と全幅を縮小し、5ナンバーサイズとしたエスティマエミーナ/ルシーダだ。
初代エスティマの新車時価格は300万円以上が中心だったが、エスティマエミーナ/ルシーダは200万円台が中心で、180万円から購入できたので、大ヒットモデルとなった。
現在、初代エスティマの中古車は大ヒットモデルらしく生産終了から約20年が経過しても約20台の中古車が流通している。
価格帯は約20万~約159.8万円でミニバンのドレスアップブームの火付け役ということもあり、高額車はドレスアップ車となっている。平均価格は63.8万円といまだにエスティマ人気は健在だ。
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