M2 M3 M4…エンジンメーカーBMWの誉れ高い直6エンジン搭載車の現在地


F80型M3セダン/怒涛の431psの3L、直6ツインターボ!


■おススメは600万円前後、走行3万km台~4万km台

先代のF80型M3セダン(2014~2020年)。2017年5月に上級モデルのM3コンペティションがラインナップに加わり、2018年2月にはサーキット仕様のM3 CSが30台限定で販売された
可変バルブタイミング&リフト機構を搭載した3L、直6直噴ツインターボエンジンが最高出力431ps/56.1kgmを発揮する

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 お次は「M3セダン」である。2021年1月に大きなキドニーグリルをフロントに設けた新型M3セダンが発売されたわけだが、その中古車はさすがにまだ皆無であり、あったとしても高くて(筆者には)買えるはずもないため、さくっと省略して「先代M3セダン」について考えてみよう。

 F30型BMW3シリーズセダンをベースとする先代M3セダンが日本に上陸したのは2014年2月。搭載エンジンは可変バルブタイミング&リフト機構を搭載した最高出力431psの3L、直6直噴ツインターボで、シリンダーブロックには高剛性のクローズドデッキ構造を採用。高いねじり剛性と軽さを併せ持つ鍛造のクランクシャフトも採用されている。

 トランスミッションは、7速DCTである「M DCTドライブロジック」と6MTの2種類を用意。走りに関しては、左右後輪のロッキングファクターを0%から100%まで調整できる「アクティブMディファレンシャル」や、パワーステアリングのアシスト量を3段階に調整可能な「Mサーボトロニック」などを採用。さらにオプションとしてカーボンセラミックブレーキも用意された。

 またこのほか、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使った徹底的な軽量化などについても書いていけばきりがないのだが、2017年5月にはマイナーチェンジを行い、ハーマンカードンのサラウンド・サウンド・システムとカーボンファイバー・トリムが標準装備となった。

 このタイミングで、よりスポーティに仕立てられた「M3コンペティション」を追加設定。M3コンペティションは、3L、直6ターボの最高出力が450psとなり、足回りにはダンパーとスタビライザーに専用チューンを施された「アダプティブMサスペンション」を採用。

 さらに専用の「Mスポーツ・エキゾースト・システム」が採用されたことで、より官能的なエンジンサウンドを奏でられる一台にもなっている。

 そして2018年2月には、コンペティションより10ps増しとなる460psの直6ターボを搭載したうえで軽量化した「M3 CS」を30台限定で発売……というのが、現役時代のM3セダンの大まかな流れだ。

 先代M3の中古車は今どうなっているかというと、流通量は全国で約60台をやや少なめ。後述する同時期の「M4クーペ」半数以下だ。

 そしてモデル全体の相場は490万~1200万円。ただしこれは希少なCSや後期コンペティションも含んだ形の相場。ベーシックなM3セダンだけで見た場合の中古車相場は490万~800万円といったところだ。

 そのなかでも中古車としてのバランスが良いと考えられるのは(モノが悪くなく、それでいて中古車らしい買い得感が感じられる値段であるのは)、「車両600万円前後、走行3万km台か4万km台」といったニュアンスの物件か。

この価格帯だとどうしてもマイナーチェンジ前の前期型になるわけだが、普通に乗る分には特に後期型にこだわる必要もない。「コンディションの良い前期型が、まあまあ手頃な値段(500万円後半あたり)で見つかればそれで十分」というノリで探すのが正解となるだろう。

 なお、先代M3セダンには7速DCTだけでなく6MTも設定されてはいたが、その中古車は超希少というか、ほぼ皆無である。

F82型M4クーペ/流通台数は先代M3の約2倍の約130台と多い


■おススメは500万円前後、走行3万km台~4万km台のM4 クーペ M DCT

E92型M3クーペの後継モデルとして登場したM4クーペ(2014~2020年)
エンジンはF90型M3セダンと同じ3L、直6ツインターボを搭載。最高出力は431ps/56.1kgm

F82型M4クーペの中古車情報はこちら!

 では最後に、一番人気と思われる「M4クーペ」について考えてみよう。といっても、2021年1月に発売された現行型の中古車はまだ0台であるため、考えてみるのは「先代M4クーペ」についてだ。

 先代BMW M4クーペは、F32型4シリーズ(要するに先代BMW 4シリーズクーペ)をベースに作られたハイパフォーマンスクーペ。日本に導入されたタイミングは先述した先代M3セダンと同じ2014年2月で、パワートレインも先代M3セダンと同じ最高出力431psの3L直6直噴ツインターボ+7速 M DCTドライブロジックまたは6MTだ。

 その後のマイナーチェンジ等においても先代M4クーペは先代M3セダンとほぼ同じ道をたどった。すなわち、2017年5月にマイナーチェンジを受けるとともに「M4コンペティション」が追加され、その後に軽量ハイパワーの「M4 CS」が60台限定で発売され……といった具合である。主な違いはCSの発売時期と、M4コンペティションには2017年8月に6MT版も追加された程度だろうか。

 ちなみに先代M4クーペと先代M3セダンは、ボディタイプは違うが、前後の軸重も含めて車両重量はほぼ同じ。それゆえドライブフィールもほぼ同じなので(まあレーサーが運転すれば超微妙な違いも感知するのかもしれないが)、どちらを選ぶかは「デザイン的な好み」で決めるのが一番だろう。

そして先代BMW M4クーペの中古車事情はどうなっているかといえば、まず流通量は、前述したとおり先代M3セダンの約2倍となる全国約130台。この種の車=輸入ハイパフォーマンスクーペとしては「多い」と評せる台数だ。

 気になる価格は、モデル全体としては400万~1800万円といったところ。ただし上限である1800万円付近の個体は、先ほど書き忘れた30台のみの特別限定車「M4 GTS(最高出力500ps!)」であるため、筆者のようなド庶民にはあまり関係がない。

 また1000万円以上の個体も「エディション ヘリテージ」や「DTM Champion Edition」などの希少で高価な限定車である場合が多いため、これまたあまり関係がない。

 しかし逆に400万円ほどの底値物件はけっこうな過走行車だったりもするため、こちらはあまり食指が動かない。

 あくまで中古車として見た場合に好バランスなのは、ズバリ「車両価格500万円前後、走行3万km台か4万km台」のM4 クーペ M DCTドライブロジックだ。

 さすがに新車のM4クーペと比べてしまうと、ハードウェアの面で見劣りする部分はある。だがまだまだ現役感は十分なこのクルマで、過給器付きエンジンとしては異例の7300rpmで431psの最高出力を発揮するBMW製直6ユニットならではの快感を、安全に留意しながらしみじみと味わうのはかなり素敵な行為である。

 M4クーペだけでなくM3セダンもM2クーペも、中古車であっても決して安い買い物ではない。

 しかし「BMW M社の手による珠玉のガソリン直列6気筒を味わうため」と考えるなら、つまり「ある種の世界遺産を手に入れるため」と考えるなら、決して高すぎるとは言えないはずなのだ。

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