M2 M3 M4…エンジンメーカーBMWの誉れ高い直6エンジン搭載車の現在地

F87型M2クーペ/370psの3L、直6ターボを搭載するちょうどいいサイズのスペシャルティ


■おススメは450万円前後、走行距離は2万km台

M2クーペに搭載されるN55B30A型3L、直6ターボエンジンは370ps/47.4kgmを発生。最大トルクはオーバーブースト機能によって一時的に51.0kgmまで引き上げられる
M2クーペに搭載されるN55B30A型3L、直6ターボエンジンは370ps/47.4kgmを発生。最大トルクはオーバーブースト機能によって一時的に51.0kgmまで引き上げられる
2018年8月、M2クーペの直6、3Lターボエンジンをさらに強化して登場したのがこのM2コンペティション
2018年8月、M2クーペの直6、3Lターボエンジンをさらに強化して登場したのがこのM2コンペティション
最新モデルのM2コンペティションは、先代M4クーペの冷却システムを採用したS55B30A型3L、直6ツインターボエンジンを搭載。最高出力は410ps/56.1kgmにパワーアップ
最新モデルのM2コンペティションは、先代M4クーペの冷却システムを採用したS55B30A型3L、直6ツインターボエンジンを搭載。最高出力は410ps/56.1kgmにパワーアップ

M2クーペの中古車情報はこちら!

 まずは「M2クーペ」からいってみよう。BMW M2クーペは、初代M3や2002ターボの伝統を引き継ぐ「もっともコンパクトなMモデル」として、日本では2016年1月に発売された。

 ベースとなったのはBMW2シリーズクーペで、縦置きされるエンジンは最高出力370psの3L、直6ターボ。最大トルクは47.4kgmだが、オーバーブースト時には51.0kgmまで高められる。

 当初のトランスミッションは7速DCTの「M DCT ドライブロジック」で、駆動方式は当然FR。足回りには軽量な専用設計サスペンションと「Mコンパウンドブレーキシステム」が採用された。

 そして2016年10月には待望の6MTが追加され、こちらはシフトダウン時に自動でエンジン回転数を上げる「スロットルブリッピング機能」付きとなった。

 さらに2018年8月には、同じ3L、直6ターボながら最高出力410psを発生する「M3」「M4」譲りのユニットを搭載する「M2コンペティション」が登場。

 このタイミングで従来のM2クーペはカタログ落ちした。またわずか60台限定ではあるが、2020年4月には最高出力450psの軽量ハイパフォーマンスモデル「M2 CS」も導入された。

 ……というのがM2クーペの大まかなヒストリーなわけだが、新車時価格768万~1285万円だったそれの中古車は今、ズバリいくらなのか?

 結論から申し上げると、2016年から2018年途中の「M2クーペ」が380万~660万円で、2018年途中からの「M2コンペティション」が580万~740万円というのが直近の大まかな相場。

 ちなみに60台限定の「M2 CS」の中古車はさすがに希少かつ高額で、約1200万円の物件が1台流通しているのみである。

 BMW M2の中古車をこれから狙うのであれば、後期型に相当するM2コンペティションではなく、前期型である「M2クーペ」にするべきだろう。

 もちろん絶対的な諸性能はM2コンペティションのほうが上なわけだが、コンペティションは中古車相場も「上」で、底値圏の物件でもおおむね600万円は下らない。

 で、そこまでのお金を投じるならいっそ新車を買いたくなるのが人情というもの。新車ではなくあえて中古車を選ぶのであれば、「車両450万円前後、走行距離は2万km台」ぐらいのM2クーペを選ぶのが、結果として納得感の強い選択となるだろう。

F80型M3セダン/怒涛の431psの3L、直6ツインターボ!


■おススメは600万円前後、走行3万km台~4万km台

先代のF80型M3セダン(2014~2020年)。2017年5月に上級モデルのM3コンペティションがラインナップに加わり、2018年2月にはサーキット仕様のM3 CSが30台限定で販売された
先代のF80型M3セダン(2014~2020年)。2017年5月に上級モデルのM3コンペティションがラインナップに加わり、2018年2月にはサーキット仕様のM3 CSが30台限定で販売された
可変バルブタイミング&リフト機構を搭載した3L、直6直噴ツインターボエンジンが最高出力431ps/56.1kgmを発揮する
可変バルブタイミング&リフト機構を搭載した3L、直6直噴ツインターボエンジンが最高出力431ps/56.1kgmを発揮する

F80型M3セダンの中古車情報はこちら!

 お次は「M3セダン」である。2021年1月に大きなキドニーグリルをフロントに設けた新型M3セダンが発売されたわけだが、その中古車はさすがにまだ皆無であり、あったとしても高くて(筆者には)買えるはずもないため、さくっと省略して「先代M3セダン」について考えてみよう。

 F30型BMW3シリーズセダンをベースとする先代M3セダンが日本に上陸したのは2014年2月。搭載エンジンは可変バルブタイミング&リフト機構を搭載した最高出力431psの3L、直6直噴ツインターボで、シリンダーブロックには高剛性のクローズドデッキ構造を採用。高いねじり剛性と軽さを併せ持つ鍛造のクランクシャフトも採用されている。

 トランスミッションは、7速DCTである「M DCTドライブロジック」と6MTの2種類を用意。走りに関しては、左右後輪のロッキングファクターを0%から100%まで調整できる「アクティブMディファレンシャル」や、パワーステアリングのアシスト量を3段階に調整可能な「Mサーボトロニック」などを採用。さらにオプションとしてカーボンセラミックブレーキも用意された。

 またこのほか、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使った徹底的な軽量化などについても書いていけばきりがないのだが、2017年5月にはマイナーチェンジを行い、ハーマンカードンのサラウンド・サウンド・システムとカーボンファイバー・トリムが標準装備となった。

 このタイミングで、よりスポーティに仕立てられた「M3コンペティション」を追加設定。M3コンペティションは、3L、直6ターボの最高出力が450psとなり、足回りにはダンパーとスタビライザーに専用チューンを施された「アダプティブMサスペンション」を採用。

 さらに専用の「Mスポーツ・エキゾースト・システム」が採用されたことで、より官能的なエンジンサウンドを奏でられる一台にもなっている。

 そして2018年2月には、コンペティションより10ps増しとなる460psの直6ターボを搭載したうえで軽量化した「M3 CS」を30台限定で発売……というのが、現役時代のM3セダンの大まかな流れだ。

 先代M3の中古車は今どうなっているかというと、流通量は全国で約60台をやや少なめ。後述する同時期の「M4クーペ」半数以下だ。

 そしてモデル全体の相場は490万~1200万円。ただしこれは希少なCSや後期コンペティションも含んだ形の相場。ベーシックなM3セダンだけで見た場合の中古車相場は490万~800万円といったところだ。

 そのなかでも中古車としてのバランスが良いと考えられるのは(モノが悪くなく、それでいて中古車らしい買い得感が感じられる値段であるのは)、「車両600万円前後、走行3万km台か4万km台」といったニュアンスの物件か。

この価格帯だとどうしてもマイナーチェンジ前の前期型になるわけだが、普通に乗る分には特に後期型にこだわる必要もない。「コンディションの良い前期型が、まあまあ手頃な値段(500万円後半あたり)で見つかればそれで十分」というノリで探すのが正解となるだろう。

 なお、先代M3セダンには7速DCTだけでなく6MTも設定されてはいたが、その中古車は超希少というか、ほぼ皆無である。

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