日産フィガロ 中古最高価格598万円!? なぜ人気なのか?

日産フィガロ 中古最高価格598万円!? なぜ人気なのか?

 日産 フィガロの相場がちょっと凄いことになっている。7年ほど前までは、100万円も出せばまずまずなコンディションの1台が探せたと記憶しているが、直近では100万円以下で買えるフィガロなど皆無。

 走行20万km超の個体でも160万円以上のプライスが付き、2021年6月上旬時点での最高値は、なんと598万円(!)である。

 その最高値物件を販売している愛知県の「アップル弥富1号線店」への取材を通じてわかったのは、イギリスを中心とする海外からの買い攻勢の激しさと、流通の枯渇により、今後はさらに相場が上がってしまうだろう……という悲しいお知らせであった。

 ちなみにちょうど1年3ヵ月前にフィガロの中古車相場を調べた際には、大手中古車検索サイトでは47台流通し、価格帯は約35万~約360万円。

 この最高値の360万円という中古車の走行距離はなんと9000km、修復歴なしという奇跡の物件だった。その中古車を除けば、上限は約170万円であった。約1年前と比べても高騰しているのである。

 そこでなぜ日産フィガロ人気がここまで上がったのか? 現在の中古車市場はどうなっているのか? 598万円で販売しているお店に話を聞きながら、解説していこう。

文/伊達軍曹 写真/日産自動車

【画像ギャラリー】本稿未掲載全16枚! 初代マーチがベースのクラシックカー 日産フィガロを見る


日産フィガロはどんなクルマ?

ボディサイズは全長3740×全幅1630×全高1365mmというコンパクトな2+2クーペ。リアピラーとサイドルーフレールは固定されているが、スライディングソフトトップを備え、オープンエアモータリングが堪能できた。ソフトトップの開閉は手動
ボディサイズは全長3740×全幅1630×全高1365mmというコンパクトな2+2クーペ。リアピラーとサイドルーフレールは固定されているが、スライディングソフトトップを備え、オープンエアモータリングが堪能できた。ソフトトップの開閉は手動

 まずは日産 フィガロというクルマ自体について、ごくごく簡単に説明しておこう。

 フィガロは、日産が1980年代後半にスタートさせた「パイクカーシリーズ」の第3弾として1991年に限定発売された、2+2の小型オープンカー。車台は初代日産マーチのものを流用し、そこにクラシカルな造形のボディと手動開閉式のオープントップを載せている。エンジンは1Lの直4、SOHCターボで、トランスミッションは3速ATだ。

 限定2万台での発売に対し、最初の1カ月で21万件もの応募が集まるほどの大人気となったが、当初の予定どおりの台数を売り切った1992年、惜しまれながら販売終了となった。

1991年2月から1992年にかけて合計2万台が生産されたフィガロ。価格は187万円だった(1991年式)。ボディカラーは四季をイメージした、エメラルド(春)、ペールアクア(夏)、トパーズミスト(秋)、ラピスグレイ(冬)の4色で、ルーフトップ部はいずれもホワイト
1991年2月から1992年にかけて合計2万台が生産されたフィガロ。価格は187万円だった(1991年式)。ボディカラーは四季をイメージした、エメラルド(春)、ペールアクア(夏)、トパーズミスト(秋)、ラピスグレイ(冬)の4色で、ルーフトップ部はいずれもホワイト

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