スバルWRX STIを中古で買うなら歴代でいつのモデルが狙い目か

■WRXは全モデルとも価格は上昇中。VABは特に高騰中

 で、ここから先はスバリストのマリオ高野氏にご登場いただくことにしよう。

――ということでマリオさん、ぶっちゃけどの世代が中古車としてはお薦めなんですか?

マリオ氏 WRX STIの中古車相場は昨今、世代を問わず全般的に上がってしまっています。なかでもVAB、つまり最後の世代は特に高騰していますので、「お買い得」とは言い難いですね。

――EJ20 Final Editonだと800万円以上ですし、そうではないフツーのVABでも350万円ぐらいはするみたいですね?

マリオ氏 はい、高いんですよ。しかし最終世代のWRX STIは今後もたぶん、大きく値落ちすることはありません。そのため、リセールも含めて考えるなら「決して高くはない」とも言えるのですが……やっぱり高いですよね(笑)。

――マリオさんも乗ってらっしゃる一番最初の世代、いわゆるGC8はどうですか?

マリオ氏 まったくお薦めしませんね! なぜならば、今やあまりにも古すぎて「メンテナンス地獄」に陥るからです! いや私は重度のスバヲタですので、あえてGC8をレストアしながら乗っていますし、大満足もしています。しかし、普通の人にはまったくお薦めできません(笑)。

GC型はもともとノーマルのスポーツバージョンが出発点。そこにWRCのイメージが着いてどんどん進化していったモデル。耐久性はいまひとつだった。今となっては「好きでないと乗れない」クルマだ
GC型はもともとノーマルのスポーツバージョンが出発点。そこにWRCのイメージが着いてどんどん進化していったモデル。耐久性はいまひとつだった。今となっては「好きでないと乗れない」クルマだ

――なるほど(笑)。ではマリオさん的なお薦め世代は?

マリオ氏 ズバリ2代目(GD型)が、普通の方がこれから中古車として買う場合にはいいのではないかと思います。

――2代目というと、新車当時はスバルマニアから「肥大化した!」みたいな感じで非難されていた記憶もありますが?

マリオ氏 そうなんですが、それはあくまで2000年代前半の感じ方であって、2021年の今見ると、GD型は「普通に小ぶりで軽快なクルマ」なんですよ。スカイラインのR33型もそうじゃないですか? 新車当時は「デブになった」とか言われましたが、今見ると普通に小ぶりですよね?

 2代目のWRX STIもそんな感じです。そしてこの世代は、エンジンとトランスミッションの耐久性が大幅に向上したのもポイントです。

――初代の耐久性はイマイチだったんですか?

マリオ氏 初代は「打倒ランエボ!」みたいな感じで目先のパワー競争に執着したため(笑)、ハッキリ言って耐久性は今ひとつでした。

――2代目のWRX STIというとヘッドランプが「丸目→涙目→鷹目」と変わっていきましたが、そのなかのどれを選ぶといいですか?

マリオ氏 前期型の「丸目」は不人気だったため、今や中古車の数も激少です。そのため現実的な選択肢とは言えないでしょう。そして後期型の「鷹目」は、いいクルマなんですが、VABなどと同様に相場が上がってしまっています。

――ということは?

マリオ氏 ということで、中期型の「涙目」がいいんじゃないかと思いますね。タマ数も豊富ですし、内装の質感なども前期型と比べればずいぶん向上しています。また先ほども言ったとおりエンジンとトランスミッションの耐久性も上がってますので、チューニングのためのベース車としても使えると思いますよ。

――相場的には今、いくらぐらいでしょう?

マリオ氏 世代全体の相場は130万~350万円といったところです(※限定車を除く)。おおむね200万円前後のゾーンに、狙い目の個体が多いと思います。

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