スバルWRX STIを中古で買うなら歴代でいつのモデルが狙い目か

スバルWRX STIを中古で買うなら歴代でいつのモデルが狙い目か

 「スバリスト」と呼ばれる濃い口なスバルファンから、今も昔も熱烈に支持されているスバル WRX STI。だがそれは、スバリストというほどではない「普通のクルマ好き」にとっても、大いに魅力的な存在だ。

 とりあえず生産終了となっているため新車での購入は(今のところ)不可能だが、ちょうどいい感じの中古車を手に入れ、毎日楽しく乗り回してみたいのである。

 だが当方はあいにくディープなスバルマニアではないため、代を重ねながら長らく生産されたWRX STIの「どの世代」を買えばいいのかが、イマイチよくわからない。

 そのため、SUPER GT BRZ GT300公式応援団長でもあるスバリストな自動車ライター、マリオ高野氏の助言を仰ぎながら、「今、中古車としてちょうどいい塩梅のWRX STIは果たしてどれなのか?」ということを探っていくことにしよう。

文/伊達軍曹
写真/SUBARU

【画像ギャラリー】いまやレジェンド!「WRX STI」の登場から20余年の変遷を見てみよう!!


■ざっくりだと4世代に大別できるWRX STI

 まずは、スバル WRX STIというクルマのざっくりとした世代分けから。

 ちなみに、スバリストではない一般人向けにあえてざっくり行うので、細かな抜けはどうしても生じる。それゆえ「あのモデルが載ってないぞ!」みたいなマニアックで野暮なツッコミは、今回はどうかご遠慮願いたい。

●初代(GC型)|1992年11月~2000年8月

 「スバル インプレッサWRX」として登場。EJ20型エンジンの最高出力は当初240psで、1996年9月のマイナーチェンジで280psに到達。

初代GC「WRX」はWRCでの活躍で一気にブレイクしたモデルだ。今も六連星や555、故コリン・マクレー氏のステッカーを貼ったWRCカーをオマージュしたオーナーも多いモデルだ。写真はバージョンIII
初代GC「WRX」はWRCでの活躍で一気にブレイクしたモデルだ。今も六連星や555、故コリン・マクレー氏のステッカーを貼ったWRCカーをオマージュしたオーナーも多いモデルだ。写真はバージョンIII

●2代目(GD型)|2000年10月~2007年6月

・2000年8月に2代目インプレッサが登場し、WRX STiはやや遅れて同年10月24日に発売。最高出力280psで、変速機は6MT。当初のヘッドランプは丸目。

2代目GD型。問題? の初期の丸目フェイス。WRCに勝つため、ボディや駆動系の剛性アップが図られた。ちなみに今もスバル高性能車のシンボルカラー「WRブルー」は丸目に始まった
2代目GD型。問題? の初期の丸目フェイス。WRCに勝つため、ボディや駆動系の剛性アップが図られた。ちなみに今もスバル高性能車のシンボルカラー「WRブルー」は丸目に始まった

・2002年11月、フェイスリフト。ヘッドランプが「涙目」になり、STiは等長エキゾーストを採用。

表向き「フロント周りの空力改善」でいわゆる「涙目」に変更。丸目が不評で大幅改良となったことは間違いない。フードインテークやリアスポイラーも大型化され、WRカーのイメージに寄せてきた
表向き「フロント周りの空力改善」でいわゆる「涙目」に変更。丸目が不評で大幅改良となったことは間違いない。フードインテークやリアスポイラーも大型化され、WRカーのイメージに寄せてきた

・2005年6月、二度目のフェイスリフトでヘッドランプが「鷹目」に。STIの表記がすべて大文字となり、速度計は260km/hスケールに。

さらにフロントグリルが3分割され「鷹目」にチェンジ。車両としてはラリーイメージが前面に出ていたが、実際のWRCの成績は丸目以降は下降線をたどってしまった<br>
さらにフロントグリルが3分割され「鷹目」にチェンジ。車両としてはラリーイメージが前面に出ていたが、実際のWRCの成績は丸目以降は下降線をたどってしまった

●3代目(GR型)|2007年10月~2014年8月

・2007年6月、3代目インプレッサ(GH型)は5ドアハッチバックになって登場。その後WRX STI(GR型)はやや遅れて同年10月発売。最高出力は280psを超えて308psに。

3代目WRXはハッチバックで登場。ホイールベースの延長とリアオーバーハングの長さが改善され活躍が期待された矢先、WRCのワークス活動の撤退が決定(2008年)。それでもグループN等プライベーターでは圧倒的な戦闘力を誇った
3代目WRXはハッチバックで登場。ホイールベースの延長とリアオーバーハングの長さが改善され活躍が期待された矢先、WRCのワークス活動の撤退が決定(2008年)。それでもグループN等プライベーターでは圧倒的な戦闘力を誇った

・2009年2月、2.5Lターボ(300ps)+5速ATの「WRX STI A-Line」発売。

・2010年7月、4ドアモデル(GV型)を追加。カタログ等での表記では、車名からインプレッサがなくなって「スバル WRX STI」に。

追加モデルとして投入された4ドア。差別化のためかインプレッサの名が取れ、そのまま次世代にも受け継がれた
追加モデルとして投入された4ドア。差別化のためかインプレッサの名が取れ、そのまま次世代にも受け継がれた

●4代目(VAB型)|2014年8月~2019年12月

 フルモデルチェンジで4代目に。さまざまな年次改良を重ねたのち、2019年10月にWRX STIとしての最後の特別仕様車「EJ20 Final Edition」を発売。その後、販売終了。

EJ20ファイナルエディション。プレミアもついて販売価格は800万円! と、もはや買っても、乗るより愛でるクルマと化してしまった。新型を待つのが吉だろう
EJ20ファイナルエディション。プレミアもついて販売価格は800万円! と、もはや買っても、乗るより愛でるクルマと化してしまった。新型を待つのが吉だろう

 以上のとおり超ざっくり分けると「全部で4世代あるWRX STI」のなかから、今、中古車として買うならどの世代を選ぶべきか? というのが本稿の主題である。

次ページは : ■WRXは全モデルとも価格は上昇中。VABは特に高騰中

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