■4気筒のRS200系はどうか?
続いてはRS200系である。こちらは伝統のスポーツエンジンである3S-GE型2L、直4エンジンを搭載した人気グレードで、6MT仕様は最高出力210ps、最大トルク22.0kgm。5速AT仕様のほうでも200ps/22.0kgmという高出力をマークしていた。
またそのほか、RS200系はブレーキや補器類も強化されており、MT車はチタン合金バルブを採用。5速AT車のほうもステアシフト機構が採用されたスポーティグレードである。
2021年7月上旬現在、中古車の流通量はAS200系の4倍近くとなる約110台で、その8割以上が5速ATではなく6MT。……うむ、さすがはスポーツセダン。
で、新車時価格は230万~330万円ほどだったRS200系の現在の中古車相場は……底値のほうはAS200系とほぼ同じく30万~90万円ぐらいで叩き売られているが、コンディションがまずまず良好と思しき個体は120万円前後で多数流通している。
さらにコンディションとスペック(走行距離など)が好ましい個体には150万~200万円ほどのプライスが付き、よりいっそう走行距離が短く、コンディション良好な6MT車には220万円前後の値が付く――というのが、現在のRS200系の相場である。
当然ながらR34型日産スカイラインGT-Rのようなバカ高い相場にはなっていないわけだが、生産終了から16年たっても150万~220万円ぐらいの値が付くということは、「まずまず挽回している! 新車時の汚名を返上している!」と見てもいいのかもしれない。
だが、まだ断定はできない。E46型BMW3シリーズのほうの相場も見てみよう。
160ps/20.4kgmの直6を搭載したAS200系のライバルは、170psの直6を搭載したE46型BMW320iでいいと思うが、210psの(ATは200psの)直4DOHCを搭載したRS200系の競合は何になるのだろうか? 一応6MTも用意し、最高出力231psの3L、直6を搭載した「330i」ということにしてみよう。ちょっと違うのだが、まぁよしとしよう。
で、そのE46型BMW330iの2021年7月上旬時点での状況は、流通台数が約12台で、相場は60万~260万円。いや、260万円の値を付けているのは1台だけで、大半の330iの中古車価格は150万円以下なので、ここはひとつ「60万~150万円」に訂正したいところだ。
■苦節23年、中古車となって挽回!
ということは、アルテッツァRS200系の相場がおおむね30万~230万円ほどなので苦節23年、アルテッツァはようやく宿敵BMW 3シリーズを打ち負かし、その立場を逆転させた!……ということもできる。
新車時は惨敗だったトヨタアルテッツァも、「MTで楽しめるFRセダン」という選択肢がきわめて少なくなったことで価値を高め、というかその価値が再発見され、ある種の「挽回」に成功したことは確かなのだろう。
それでもアルテッツァの相場は、ほかの平成名車のように相場がウルトラ高騰しているわけもない。それゆえ、「ほどよいサイズのFRセダン」を探している人はいま一度、トヨタアルテッツァに注目してみてもいいはずだ。
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