「いつかはクラウン」というキャッチフレーズが使用され、日本の高級車の代名詞となったトヨタクラウン。高級車=4ドアセダンという図式を確立させたモデルだが、次期モデルはSUVになるのではないかという噂も出ている。
日本市場において、現在は「セダン離れ」が進み、政治家の乗るクルマも4ドアセダンからアルファードなどのミニバンへと変わっている。
新車販売台数を見ても、2021年1月~6月まで半期の登録台数ベスト50のうち、4ドアセダンをラインアップしている車種はわずか5台。販売台数ではクラウンは、カローラに次ぐ1万2727台で第2位となっている。
セダンの王者である現行型クラウンは、中古車市場でも王者なのだろうか。最新の中古車事情で検証してみた。
文、写真/萩原文博
【画像ギャラリー】現行クラウンの変更点やバリエーションを画像でチェック(16枚)画像ギャラリーセダン離れの中でも中古車の流通台数は潤沢
現行型クラウンは2018年6月に登場し、旧型のロイヤル、アスリート、マジェスタが無くなりクラウン1モデルに統合された。新たなモビリティライフを提案する、初代コネクティッドカーとして、「クルマの機能を拡張するコネクティッド」と「デザイン/走り/安全性能の進化」が追求されている。
トヨタのクルマ構造改革である「TNGA」を採用し、プラットフォームやパワートレインなど一新し、ボディの高剛性化や低重心化を実現することで、意のままのハンドリングとフラットな乗り心地を実現した。
また向上した走行性能に合わせて、外観デザインも6ライトウィンドウを採用したスポーティなデザインへと一新。インテリアも8インチと7インチのディスプレイを連携させた新開発のダブルティスプレイを採用し、初代コネクティッドカーらしい先進性をアピールしている。さらにコネクティッドサービスとして、T-Connectサービスを3年間無料で提供している。
搭載するパワートレインは、2.5L直4ガソリンエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドシステムをはじめ、2L直4ガソリンターボエンジン+8速AT。
そして、トヨタブランド初搭載となった3.5L V6エンジン+モーターそして10速のトランスミッションを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムの3種類を用意。駆動方式は2WD(FR)を中心に2.5Lハイブリッド車にのみ4WDを用意している。
また3種類のパワートレインには標準モデル、走りに磨きを掛けたRSそして豪華仕様のG-エグゼクティブがそれぞれ設定。さらに、安全装備では、運転支援システムは第2世代となる予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備している。
歩行者検知(昼間・夜間)・自転車運転者検知(昼間)を行い衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」。
そしてレーダークルーズコントロール使用時に、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」など5つの機能がパッケージングされている。
2020年4月に現行型クラウンは一部改良を行い、T-Connect SDナビゲーションシステムにSmartDeviceLinkやApple CarPlay/Android Autoといったスマートフォン連携機能を追加し、スマホアプリをナビに表示し操作が可能となった。また、一部グレードを除きドアトリム&インストルメントパネルの加飾に合成皮革を採用し上質感を高めた。
そして2020年11月にも一部改良を行い、体調急変などドライバーの無操作状態が継続している場合、徐々に車両を減速させ自車線内に停車。早期救命救急をサポートする「ドライバー異常時対応システム」など機能を追加した最新の「トヨタセーフティセンス」を搭載。
さらに、ダブルディスプレイを廃止し、12.3インチのワイドディスプレイを採用しインストルメントパネルのデザインを変更。また、本革シート採用グレードの拡大や、「RSアドバンス」「RS アドバンス Four」専用の18インチアルミホイール(スパッタリング塗装)などホイールバリエーションを充実させている。
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