時代を経るごとに、車は大きくなってきた。その背景には衝突安全性や室内空間の確保といった事情がある。
一方でサイズの拡大を含め、ある車種が“上級移行”した場合には、既存のユーザーのニーズを、下の車格のモデルがカバーしているという例もある。
例えば、ホンダ フィットは1987年発売のグランドシビックとほぼ変わらないサイズだ。本記事ではそんなことも含めながら「車のサイズの昔と今」を考えてみたい。
文:永田恵一
写真:編集部、HONDA、MAZDA、NISSAN
シビックにみる車のサイズの変遷
はじめに今の車と昔の車のサイズを、「歴史があって登場の新しい車」代表として、昨年7年振りにカタログモデルとしての復活したホンダ シビックを例に挙げてみよう。
シビックの初代モデルは、その車名通り、今でも同クラスとなるカローラやゴルフと比べても格段に小さい扱いやすいサイズだった。
2代目(1979年発売)から4代目(1987年発売)は、4代目で全幅が5ナンバーフルサイズになったのは気になるが、まあ同クラスの水準とはいえるサイズをキープしていた。
1回目のターニングポイントとなったのが5代目モデル(1991年発売)だ。
5代目モデルは5ナンバー幅こそ維持したものの、7代目モデル(2000年発売)までの4ドアセダンの全長は約4400mmと、この全長は、同時期に初代と2代目モデルだった1クラス上のプリメーラと同等にまで肥大してしまった。
また、性格が違うのは事実ながら7代目モデルで加わった5ドアハッチバックの全長は、同時期のカローラランクスやゴルフIVに対して100mmも長く、今になると7代目モデルが本格的な肥大化の前兆だったように映る。
そして、世界的なこのクラスの流れもあり、8代目モデルでサイズは一気に拡大。その後2017年に復活した現行シビックも肥大化は止まらず、これ以上肥大化するのは日本市場では考えモノなサイズにまで成長してしまった。
■現行型シビックと昔の車のサイズ比較
・現行型シビックセダン/全長×全幅×全高:4650×1800×1415mm
・3代目アコード/全長×全幅×全高:4565×1695×1355mm(1985-1990)
・初代レジェンド/全長×全幅×全高:4690×1695×1390mm(1985-1990)
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