「新型フィット」「新型ヤリス」と立て続けにライバルメーカーからコンパクトカーが発表された。と、そんな時に、「デミオ」から「マツダ2」へと名称変更のマイナーチェンジ。
せっかくマイナーチェンジしたにもかかわらず、正直2台の話題に埋もれた感が否めないマツダ2……。果たしてマツダ2は大丈夫なのか?
このままでは新型フィット、新型ヤリスにやられてしまうのではないだろうか? ということについて、マツダ2の武器となるポイントと、もう少し頑張りが必要なポイントを分析していく。
では早速始めよう。まずはマツダ2のインプレッションから始めていきたい。
文/松田秀士
写真/編集部
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■長期試乗からわかった新型マツダ2のポイント
何のことはない、マツダ2と名称が変わってもデミオなんだから。そんな軽い気持ちで、先日マイナーチェンジしたマツダ2を、約1週間借りてみた。
デザインもシェイプされていて、なかなかかっこいい。スッキリしたし、野暮ったさがなくなってちょっと都会的。やはりマツダのデザインは、国産他社とはちょっと違う。ヒエラルキーのなかにある、コンパクトという位置付けを感じさせない。すでにデビューから5年が経っているというのに、この雰囲気は悪くない。
乗り込んで、シートポジションを合わせてエンジンを始動する。ここで、ボクが一番嫌いなヘッドアップディスプレイのプラスチックパネルが目の前に立ち上がる。マツダ車のなかで、唯一ボクがどうしても許せないのがこのプラスチックパネルのヘッドアップディスプレイ。
その理由は私が遠視であるから。この焦点距離はどうしても馴染めない。フロントガラスに投影するタイプのものは、だいたい焦点距離が2.3mレベルとなっている。
それに比べると、このタイプは中途半端に近すぎる。なので、使いたくないから表示をオフにするのだが、オフにしたところで 表示される数字や文字が消えるだけで、プラスチックパネルはそのまま立ちはだかる。これがまずいのだ。
使わないなら折りたたんで欲しいのだが、ずっとそこに居座り続ける。 ま、これはボクの戯言である。便利に使えている人もいるわけだから、単なる愚痴と理解していただければ幸甚である。
そんなことはさておいて、走り出してみる。 シートは骨格から作り直したようで、確かにその座り心地フィット感はなかなかいい。実は試乗車がまだ1500kmほどしか走っておらず、サスペンションの動きに渋さが感じられ、若干叩くようなハーシュがあったのだが、このシートはその弱点を吸収してくれていた。
またコーナリングでのホールド性も、これまでのシートより明らかに進化している。さらに電動パワーシートが選べるようにもなった。インパネのスイッチ類を眺めていてステアリングヒーターが付いていることにも驚いた。
走り出してすぐ感じたのが、室内の静粛性が上がっていること。マツダ車はロードノイズが大きなクルマが多いのだけれども、同じくマイナーチェンジした マツダ6も含めて、このマツダ2も耳障りなノイズがかなり低減した。
そして市街地を走っているだけでも、直進性が非常に進化してることを感じる。速度に関わらず自立直進性が上がっている。
ところで、サスペンションの動きがまだ新車だから渋いと前記したが、もしこのあと距離を走ることによって馴染んだとしても、おそらく前作デミオよりもサスペンションは締まっている。明らかにハード系のセットだ。
これはダンパーを改良したから。微低速域の減衰を上げ、中速域の減衰を下げるという、最近の流行りのダンパーコントロールを採用している。それゆえにデミオだった時代に比べてサスペンションの動きが硬いという印象を受けるのかもしれない。ただしそのおかげで剛性の塊感。今風のスポーティーな質感が備わった。
この乗り心地に関しては好き嫌いがあるだろう。その半面、ハンドリングは非常に進化している。前記した、直進安定性の格段の進化もその表われだが、コーナリングでのシャープなフロントの入り、切り足しの素直さはこれまでよりも数段上がっていて、そのハンドリングをサポートするシャーシも鉄板の肉厚をあげたかのようにとても剛性感を感じる。
運転支援システムでは、レーダークルーズコントロールが0km/hまでの渋滞対応になった。ただし、サイドブレーキはレバー式なので、停止した場合すぐにブレーキを踏まないといけない。またレーンキープアシストも装備。しかし、このふたつはメーカーオプションだ。
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