コストもかかって大赤字!! [燃料電池]はもうオワコンなのか?

コストもかかって大赤字!! [燃料電池]はもうオワコンなのか?

 日本が長年にわたって開発を続けている燃料電池。ところが2025年を迎えた現在も、普及しているとは言えない状況が続いている。莫大な予算がかかるうえ、このまま開発をしていくことは、果たして最適解なのだろうか?

文:国沢光宏/写真:Hyundai、ベストカーWeb編集部

水素ステーションの数は増えず、価格も高なっていく次第
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■燃料電池は氷河期へ突入!?

水素ステーションの数は増えず、価格も高なっていく次第
水素ステーションの数は増えず、価格も高なっていく次第

 日本が圧倒的な強さを持っていたい燃料電池技術ながら、ここにきて政府は強いブレーキを掛けているように思う。水素ステーションの数でいえば、増えるどころか採算取れないということと、施設のメンテに高額のコスト掛かるといった理由により減少傾向。

 水素の価格だって「安くなる」と言っていたのに、10年前の2倍になっている。国は明らかに燃料電池車を普及させたくないようだ。トヨタもホンダも巨額の開発予算を投じ、世界TOPの燃料電池を作ったのに、もはやヒョンデに追いつかれ、遠からず中国にも抜かれてしまうことだろう。

 実際、トヨタもホンダも燃料電池の開発は大赤字ながら、意地で続けている状況。そんな中、ホンダと日産の統合話になった。ホンダからすれば日産という大きな荷物を背負う上、赤字の燃料電池開発もしなければならない。  

 加えて直近で燃料電池の普及が始まりそうなのは韓国と中国、そして欧州くらい。当初ホンダが期待したアメリカといえば、環境問題くそ食らえのトランプ大統領就任により、少なくとも4年間は日本と同じ石油利権の国になる。

 日本ですら原油輸入量は年間30兆円規模。これだけのお金が動くと、利権だって強大。水素のように将来性のあるエネルギー源にブレーキ掛けることなど容易だ。

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■ワンチームで技術力を磨くべき

CR-V e:FCEVに積まれている高圧水素タンクはトヨタ製
CR-V e:FCEVに積まれている高圧水素タンクはトヨタ製

 ホンダと日産の主力市場はアメリカ。アメリカで燃料電池のニーズが無ければ中国と欧州ということになるけれど、ホンダも日産も販売台数を落としている。

 中国市場は粘ろうとしているけれど、販売状況や直近に発売される新型車のラインナップを見ると、中国のメディアなどから「厳しいと思います」。何とか赤字が出ないよう。縮小均衡していくしかない。燃料電池の投入など無理だろう。  

 ちなみにトヨタはアメリカや日本での普及に見切りを付け、中国に軸足を移している。日本より大きい規模で燃料電池の工場を作っている(スタックは日本製)。おそらくトヨタの中国政府の間で燃料電池についての話をしているんだと思う。

 私も燃料電池技術の継承や進化に問題あるのなら、中国ベースにするべきだと考えます。ということでホンダと日産でした。果たしてどうする? 実は日産も水素関連の技術をたくさん持っていた。燃料電池車の開発も行っていた。されど「採算取れない」ということから断念している。

 おそらく日産の研究所に水素関連の技術は残っているんじゃなかろうか。しかし日産が持つ技術は古い。開発を諦めず頑張ってきたホンダに届かないと思う。ということで燃料電池を続けるのならホンダ主体と言うことになります。  

 ホンダは燃料電池の開発パートナーとしてGMを選んでいる。今やGMも中国市場で苦しんでおり、遠からず撤退の憂き目に遭いそう。

 となれば世界販売台数でホンダと大差なくなる。ホンダや日産と同じく中国も欧州もダメ。アメリカは日本より燃料電池の普及に強いブレーキを掛けているため四面楚歌になってしまう。いろんな意味でホンダの燃料電池開発は厳しくなってます。

 もちろん止めることはないと思う。今まで巨額の開発予算を投じてきましたから。かくなる上はトヨタとジョイントすべきかもしれない。すでにCR-Vの燃料電池PHEVに使われている高圧水素タンクはトヨタ製。燃料電池の開発メンバー同士も、お互いリスペクトしている。

 ヒョンデの燃料電池開発チームにも言えることながら、今の生産規模だとライバル関係にもならない。 だったらワンチームになって新たに参入してくる国(まぁ中国ですね)に負けないよう技術を磨くのがベストだと思う。

 繰り返しになるけれど、燃料電池は石油利権が強いブレーキを踏みたくなるほど可能性のあるパワーユニットだと考える。ディーゼルエンジン搭載のバスやトラックの代替パワーユニットとして考えたらベスト。ホンダは諦めず頑張って頂きたいと思う。

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