2024年12月7日(土)、京都・東本願寺門前広場(通称「お東さん広場」)にて実施された「京都モビリティ会議」。地方自治体と自動車メーカー、若者とメディアが次世代モビリティ社会について語り合ったこのイベントでは、各出展者によるトークセッションが実施された。本稿では「マツダ」のセッションの様子をお届け! 地球環境に関わるSDGsから次世代ロータリーの一端まで、マツダの方向性が見えてくる!!
文:寺田鳥五郎、ベストカーWeb編集部/写真:寺田鳥五郎、小林岳夫、ベストカーWeb編集部
■まず燃費のいい、環境に優しい内燃機関で世界一になる!
※テーマは「マツダの考える環境とスポーツカー。ロータリーの過去、現在、未来」。マツダから田中秀昭さん、辻本宏治さんを迎え、大学生の大坂怜央さん、司会進行・ベストカーWebの塩川雅人でトークが展開される!
塩川雅人 ベストカーWeb編集長(以下、塩川)…先日の『第8回 サステナブル・ブランド国際会議』で、マツダ毛籠勝弘社長が講演された「マルチソリューション戦略」とは具体的にどんな戦略なのか、まず教えてください。
辻本宏治 マツダ広報主幹(以下、辻本)…ロータリーやSKYACTIVの技術を大切に、電動化技術を積み上げ、世界の発電事情に応じたパワートレインをそれぞれの地域へ投入して、カーボンニュートラルの世界に近づける、という考え方です。
田中秀昭 マツダ広報シニアエキスパート(以下、田中)…マツダは2005年、10年後の厳しい環境規制に対応するため、まずは燃費のいい、環境に優しい内燃機関で世界一になることを目指しました。そして、各国の事情に合わせて、それを広げていこう、という話です。
塩川…世界一の内燃機関を作りあげてから電動化に挑む。なるほど。そんなマツダは熱烈なファンが多いですよね。
田中…私は「M2」(1991年に発足したマツダのグループ会社。開発メンバーがユーザーと直接話し合って車両にフィードバックした。ロードスターベースの「M2 1001」などを発売)の開発責任者だったんですが、当時からマツダのお客様の知識欲がとんでもなくって、バネの巻き数まで聞いてくるんです。そのメンバーとは今も付き合いがありますね。
大坂怜央 成城大学生(以下、大坂)…僕はいま21歳で、自分が生まれる前に発売されたNA(初代)ロードスターに愛車として乗っています。コレに乗ると、辛い時でも気持ちが晴れるし、サーキットを走ることもできて、人生を豊かにしてくれるクルマだと思っています。
塩川…いい話ですね~。
■赤いチャンチャンコ代わりのNAを、90歳まで乗り続けた
塩川…マツダの広報車には「逸話」が多いと聞きますが……?
田中…はい。メディアの皆さんへ貸し出す用のNAロードスターの広報車は、90歳の女性オーナーから譲り受けました。還暦の赤いチャンチャンコ代わりに買われて、90歳までMTに乗り続けられたそうです。
また、先日、長崎県在住の79歳の女性が乗られていたRX-7のMTを譲っていただくことになりました。その方は55歳の時に『頭文字D』(しげの秀一著/講談社刊)を読んで、FD(FD3S/3代目RX-7)に一目惚れして購入されたそうです。
塩川…講談社も貢献した、ということですね(笑)。マツダといえばやっぱりロータリーですね。
田中…1950年代後半、政府主導による自動車メーカー再編の流れのなかで、マツダ(当時・東洋工業)には独自技術が必要だと考えた時に見つけたのがロータリーエンジン。6年の開発で量産化でき、社員の誇りになっています。
塩川…そのロータリーで走り、ル・マンで総合優勝されました。
辻本…マツダは自分たちが優勝すると思っていないから、新聞広告を用意してなかったんです。翌日、ジャガーの新聞広告に「おめでとうマツダ」という内容の広告が出て、やられたと思いましたね。
塩川…物語の一つひとつがファンの琴線に触れるんでしょうねぇ!
コメント
コメントの使い方未だにブァンケル式に固執しているのであれば、開発チームは無駄。(ブァンケル式ロータリーでは熱効率20%の達成は無理)レシプロは今や熱効率40%が当たり前。コレでエミッション改善が無理なのは解っているハズだか?
内燃機関で効率を追及するのはスズキやトヨタ同様で応援したいのですが、有言実行が伴わないといけません。
具体的には現行車のカタログ数値との乖離度合いが凄まじいです。例えば現マツダで一番燃費いい純内燃はマツダ2になるわけですが、そのガソリンモデル、
同クラスのスイフトやフィットと雲泥の差どころか、実燃費比較だとパワーが数倍違うGRヤリス1.6ターボと同等というカタログ詐欺状態。