■「13Bエンジンを今も製造中です」(マツダ・辻本氏)
塩川…さて、今回の出展車、MX-30ロータリーEVの特徴を教えてください。
辻本…電気を発生する発電機として、ロータリーエンジンを積んでいますね。
田中…ロータリーエンジンはフル加速時のような高トルク時のエネルギー効率が相対的に高く、短時間で発電チャージできる。さらにロータリーは小さくても高トルクなジェネレーターを回せるので、スペース効率がいいんです。
大坂…僕のNAはロータリーじゃないけど、ルックスの可愛さ、踏んだ時とハンドル操作の一体感が楽しくて。乗るたびに、走る喜びを具現化するマツダの代表車だと実感します!!
辻本…大事に長く乗っていただくのもSDGsに繋がっていると思います。
田中…ヨーロッパでは旧車の税金が減税や免税など優遇されるのに、日本では、新車登録から13年以上経過した乗用車は、自動車税と自動車重量税が増税(重課)されます。廃棄処理まで考えたら、どちらが環境に優しいのか微妙ですけど……。
塩川…難しい問題ですよね……。古いクルマといえば、マツダはロードスターのパーツ生産を始めていますよね。
田中…正式にレストアサービスを開始しています。1台3カ月ほどかけて、今、16号車をレストア中です。フルだと400万円を超えますが「新車のように蘇らせていただき、思い出と一緒にずっと走りたい」とおっしゃる方ばかりです。
辻本…大切に乗ってくださるお客様のために、(搭載する市販車はすでに生産を終了している)13Bエンジンを今も製造中です。製造現場の社員も生き生きとしていて、マツダはロータリーエンジンをまったく諦めてないんですよ。
田中…RX-8やFD RX-7に限って、月平均200台以上の13Bエンジンをずっと作り続けています。MX30ロータリーEVエンジンを作るために工場内が刷新されても、13Bエンジンの製造ラインは変わってない。
新基準でパーツがよくなっても全体のバランスが崩れる恐れがあるので、13Bは昔ながらの鋳造でやっています。
■ズバリ!!「アイコニックSPの市販化は進んでいますか?」
塩川…そのロータリーエンジンの未来といえるアイコニックSP(2023年開催のジャパンモビリティショーに出展)。格好いいですよね!!
田中…NDロードスターのチーフデザイナーで、現デザイン本部長の中山雅が担当しました。彼は子どもの頃に見たRX-7を究極のスポーツカー! だと思ったそうです。
「フロントを低く、全長を短くしたい。ミドシップは速いけど、楽しくないのはマツダが目指すものではない。ロードスターのように小排気量のFRなら可能だが、ハイパワーにするには、ロータリーをフロントに入れるしかない」などと描いてゆき、できたのがアイコニックSPです。
塩川…ズバリ! 市販化が進んでいるという認識でいいですか?
田中…ロータリー開発チームは解散したんですが、アイコニックSPの反響が大きく、毛籠社長の思いもあって、ロータリー開発チームが再結成されました。
現在、一生懸命やっていますが、超えるべき課題も多いです。ただ、皆様の応援があれば、社内も動くと思います。
大坂…見た目から惹かれて、マツダのよさ全開ですね!!
塩川…セブンっぽくもあり、エイトっぽくもあり。そして、ロードスターっぽくもあり……で!
大坂…ロータリーが載っちゃうということですね!
塩川…新しい技術でロータリーとともに乗って楽しい、「長生き」にも貢献できるクルマ作りを進めているマツダさん。これからも、ぜひ皆さんの応援をお願いしたいと思います。
コメント
コメントの使い方未だにブァンケル式に固執しているのであれば、開発チームは無駄。(ブァンケル式ロータリーでは熱効率20%の達成は無理)レシプロは今や熱効率40%が当たり前。コレでエミッション改善が無理なのは解っているハズだか?
内燃機関で効率を追及するのはスズキやトヨタ同様で応援したいのですが、有言実行が伴わないといけません。
具体的には現行車のカタログ数値との乖離度合いが凄まじいです。例えば現マツダで一番燃費いい純内燃はマツダ2になるわけですが、そのガソリンモデル、
同クラスのスイフトやフィットと雲泥の差どころか、実燃費比較だとパワーが数倍違うGRヤリス1.6ターボと同等というカタログ詐欺状態。