[ロータリー]は新章へ!! 地球環境と[アイコニックSP]を結ぶマツダの動きが深い【京都モビリティ会議2024/マツダセッション】

■「13Bエンジンを今も製造中です」(マツダ・辻本氏)

発電用としてロータリーを作動させるMX-30ロータリーEVも「京都モビリティ会議2024」の会場で出品!
発電用としてロータリーを作動させるMX-30ロータリーEVも「京都モビリティ会議2024」の会場で出品!

塩川…さて、今回の出展車、MX-30ロータリーEVの特徴を教えてください。

辻本…電気を発生する発電機として、ロータリーエンジンを積んでいますね。

田中…ロータリーエンジンはフル加速時のような高トルク時のエネルギー効率が相対的に高く、短時間で発電チャージできる。さらにロータリーは小さくても高トルクなジェネレーターを回せるので、スペース効率がいいんです。

大坂…僕のNAはロータリーじゃないけど、ルックスの可愛さ、踏んだ時とハンドル操作の一体感が楽しくて。乗るたびに、走る喜びを具現化するマツダの代表車だと実感します!!

辻本…大事に長く乗っていただくのもSDGsに繋がっていると思います。

今回登壇した大坂さんの愛車 NAロードスター。「僕のNA愛を見せたい!」とばかりに、千葉県から自走で京都府までやってきた
今回登壇した大坂さんの愛車 NAロードスター。「僕のNA愛を見せたい!」とばかりに、千葉県から自走で京都府までやってきた

田中…ヨーロッパでは旧車の税金が減税や免税など優遇されるのに、日本では、新車登録から13年以上経過した乗用車は、自動車税と自動車重量税が増税(重課)されます。廃棄処理まで考えたら、どちらが環境に優しいのか微妙ですけど……。

塩川…難しい問題ですよね……。古いクルマといえば、マツダはロードスターのパーツ生産を始めていますよね。

田中…正式にレストアサービスを開始しています。1台3カ月ほどかけて、今、16号車をレストア中です。フルだと400万円を超えますが「新車のように蘇らせていただき、思い出と一緒にずっと走りたい」とおっしゃる方ばかりです。

辻本…大切に乗ってくださるお客様のために、(搭載する市販車はすでに生産を終了している)13Bエンジンを今も製造中です。製造現場の社員も生き生きとしていて、マツダはロータリーエンジンをまったく諦めてないんですよ。

田中…RX-8やFD RX-7に限って、月平均200台以上の13Bエンジンをずっと作り続けています。MX30ロータリーEVエンジンを作るために工場内が刷新されても、13Bエンジンの製造ラインは変わってない。

 新基準でパーツがよくなっても全体のバランスが崩れる恐れがあるので、13Bは昔ながらの鋳造でやっています。

■ズバリ!!「アイコニックSPの市販化は進んでいますか?」

2023年「ジャパンモビリティショー」で一番の注目モデル、マツダ アイコニックSP。課題は多いが、開発の歩みは止めていない!?
2023年「ジャパンモビリティショー」で一番の注目モデル、マツダ アイコニックSP。課題は多いが、開発の歩みは止めていない!?

塩川…そのロータリーエンジンの未来といえるアイコニックSP(2023年開催のジャパンモビリティショーに出展)。格好いいですよね!!

田中…NDロードスターのチーフデザイナーで、現デザイン本部長の中山雅が担当しました。彼は子どもの頃に見たRX-7を究極のスポーツカー! だと思ったそうです。

「フロントを低く、全長を短くしたい。ミドシップは速いけど、楽しくないのはマツダが目指すものではない。ロードスターのように小排気量のFRなら可能だが、ハイパワーにするには、ロータリーをフロントに入れるしかない」などと描いてゆき、できたのがアイコニックSPです。

塩川…ズバリ! 市販化が進んでいるという認識でいいですか?

田中…ロータリー開発チームは解散したんですが、アイコニックSPの反響が大きく、毛籠社長の思いもあって、ロータリー開発チームが再結成されました。

 現在、一生懸命やっていますが、超えるべき課題も多いです。ただ、皆様の応援があれば、社内も動くと思います。

2024年5月に公開された、ロータリーエンジンによるEVシステムのコンセプト。実はアイコニックSPとタイヤのパターンが同じ。これって偶然か!? 必然でしょうか?
2024年5月に公開された、ロータリーエンジンによるEVシステムのコンセプト。実はアイコニックSPとタイヤのパターンが同じ。これって偶然か!? 必然でしょうか?

大坂…見た目から惹かれて、マツダのよさ全開ですね!!

塩川…セブンっぽくもあり、エイトっぽくもあり。そして、ロードスターっぽくもあり……で!

大坂…ロータリーが載っちゃうということですね!

塩川…新しい技術でロータリーとともに乗って楽しい、「長生き」にも貢献できるクルマ作りを進めているマツダさん。これからも、ぜひ皆さんの応援をお願いしたいと思います。

次ページは : ■マツダのブース展示は?

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

トヨタ・クラウンの全てがこの1冊に!別冊ベストカー「クラウンSpecial」3/31日発売

トヨタ・クラウンの全てがこの1冊に!別冊ベストカー「クラウンSpecial」3/31日発売