自動車ユーザーになじみ深いガソリンには、さまざまな税金がかけられている。例えば1リットル当たり170円だとしたら、実に4割以上が税金。クルマはもはや税金を燃やして走っているといっていい。しかも中には二重に課税されているものもあるのだ!!
※本稿は2025年1月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:AdobeStock
初出:『ベストカー』2025年2月10日号
ガソリン価格の推移
レギュラーガソリン価格が1L当たり170円でも、ガソリンの本体価格は97.95円だ。残りの72.05円は税金で占められる。
最も高い税金はガソリン税で53.8円だ。石油石炭税+温暖化対策税の2.8円も加わり、レギュラーガソリンの本体価格も含めると合計154.55円になる。そこに消費税の10%を加えると170円だ。
不思議なのはガソリンの本体価格+ガソリン税+石油石炭税+温暖化対策税の合計に消費税を掛けること。この二重課税に対する国の主張は「ガソリン税などは石油会社などが支払うべき税金だ。本体価格に含まれる税目だから、合計額に消費税を掛けている」という。
これは趣旨が違う。ガソリン税は道路特定財源として徴収を開始した。クルマのユーザーは道路の恩恵を多く受けるから、道路建設や整備費用も負担すべきという発想だ。
そこで走行距離が延びて道路を傷めるユーザーから、道路特定財源のガソリン税を多く徴収することになった。走行距離課税に近い考え方で、本来ならユーザーが走行距離に応じて税金を自己申告して支払うべきだが、困難だからガソリン価格と併せて徴収することになった。
そこでガソリン代とは別に、ガソリン税が記載されている。石油会社が支払うのではなく、ユーザーが別途負担すべき税金だから、ガソリン税に消費税を掛けるのは二重課税で誤りだ。
しかも道路特定財源制度は2009年に廃止されたのに、一般財源(普通の税金)として徴収が続いている。ユーザーは不当に多額の税金を負担させられているのだ。
【画像ギャラリー】騙されていると感じたことはあるか!? ガソリンの二重課税は自動車ユーザーへの不当行為だ!!(6枚)画像ギャラリー








コメント
コメントの使い方一向に解決しないのは、問題提起する側が、成り立ちからして不当、だけで思考停止しちゃってるせい
税が国の運営と我々の為に使われてる以上、具体的な要求は「代わりの財源として車以外から同額徴収してほしい」になります
ならその代わりの徴収先を提示し、例えばそれが法人税なら、その分上がる品価格とどちらが得か、といった論議を。議員削減なら削った分だけ不公平になる地域が増えるから折り合い付け方を考えていく。等々