子供への最初のプレゼントであり、一生つかう贈り物の名前には、パパ・ママのこだわりが詰まっているわけだが、「クルマが好き!モータースポーツを愛している!」というファミリーからは、子供の名づけにクルマへのこだわりが垣間見えるのだろうか。自動車ファンの集まるイベントで、クルマ好きの方々にお子様の名前を聞いてまわると、かなり深い名づけの由来を聞くことができた。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock・トヨタ・日産
【画像ギャラリー】ふうが君ってカッコいいな!! 名付けにも使われる「日産フーガ」をギャラリーでチェック(14枚)画像ギャラリー今の子供の名前の傾向はコレ
最近は、男の子が「碧(あお)・蓮(れん)・湊(みなと)」、女の子が「陽葵(ひまり)、凛(りん)、翠(すい)」といった名前の人気が高い。読みでは男の子が「はると・ゆいと」といった「と」で終わる名前、女の子は「さな・えま」といった2音の読みが人気だ。
では、生粋の自動車ファンたちは、どのような名前を子供に授けているのだろうか。調査の中で聞こえてきたのは、やはり一般ランキング上位に入る人気の名前が多かったが、「これは!」と感じるクルマ好きならではの、こだわりの名前も結構聞こえてきたぞ。
【画像ギャラリー】ふうが君ってカッコいいな!! 名付けにも使われる「日産フーガ」をギャラリーでチェック(14枚)画像ギャラリー愛車の名前・思い出のクルマの名前が由来の子供の名前
自動車メーカー名や車名には、そのまま子供の名前に使えそうなものも結構ある。例えば、自動車メーカーのスバルを愛してやまないご夫婦が、子供に付けた名前は「昴(すばる)」。イベントで1日聞き取りを行っていたところ、1組だけだが「スバリストなので昴にしました」というご家族に出会う事ができた。
夫婦の思い出のクルマの名前が、子供の名前の由来という例も。圧倒的に多かったのがトヨタの車名で「せりか」「かれん」「かりな(カリーナ)」「のあ」というもの。いずれも女の子の名前として、お父さんが付けたという。傾向としては、濁音・半濁音が入っていない3音の車名が、子供の名前には使いやすいようだ。
また、男の子では「ふうが」という日産フーガから取ったというお子様に出会った。フーガは、子供から見てお爺ちゃんが大切に乗っていたクルマだったという。お子様を妊娠中に、お爺ちゃんは逝去され、形見に近かったフーガから、その名前を取ったと話してくれた。人生に与えるクルマの影響の大きさを、改めて実感するエピソードである。
【画像ギャラリー】ふうが君ってカッコいいな!! 名付けにも使われる「日産フーガ」をギャラリーでチェック(14枚)画像ギャラリーモータースポーツ好きはレーサーの名前から拝借!
オリンピックで活躍した選手や、野球界のスーパースターが登場すると、その名前にあやかろうと名づけのブームが起きることがある。昭和50年代には高校野球で荒木大輔投手が甲子園に出場し、「大輔」ブームを起こした。このところの大谷翔平選手の活躍を見ていると、そろそろ「翔平」ブームも巻き起こりそうだ。
モータースポーツファンの子供に多かったのが、活躍したレーサーの名前を由来にするもの。国籍は問わず、伝説の偉人から現役レーサーまで、その幅は広い。
中でも一番人気があるのは、音速の貴公子アイルトン・セナを由来にした「せな」という名前。男の子でも女の子でも使えるジェンダーレスな響きで、毎年人気トップ50の中には入ってくる。
また、地上波でF1中継をしていた時代に活躍した90年代~2000年の初めごろのドライバーを名前の由来とするお子様も発見。30代半ばから40代のパパ・ママが、子供のころに活躍していたドライバーたちだ。
「みか(ミカ・ハッキネン)」、「きみ(キミ・ライコネン)」、「しゅうま(ミハエル・シューマッハ)」とF1チャンピオンの名前が並んでいる。日本人ドライバーから名づけた「琢磨」、「一貴」、「可夢偉」という名前を聞けたのも、嬉しい限り。
こうして名付けられた子供たちが大きくなり、自分の名前の由来となったレーサーの映像を見て、またモータースポーツに興味を持って欲しいと思う。
今回、名づけ事情を調査していく中で、クルマ文化やモータースポーツの未来を明るくし、「この名前で良かった」と今の子供たち思ってもらうことが、私たち自動車に関わるものの使命なのだと、深く心に刻んだ。
子供たちのためにも、みんなで一世紀先まで続く、クルマ業界の明るい未来をつくっていきましょう。
【画像ギャラリー】ふうが君ってカッコいいな!! 名付けにも使われる「日産フーガ」をギャラリーでチェック(14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方