速度超過や一時不停止など、代表的な道路交通法違反には気をつけていても、なにげなくやってしまったことが違反とされることはあります。信号待ちでのドライバー交代も、そのひとつです。
長くなりそうな信号待ちだと「後続のクルマに迷惑はかからない」と考えがちですが、信号待ちでのドライバー交代はやってはいけない行為。なぜ信号待ちでのドライバー交代が違反になるのでしょうか? その理由や安全運転のために知っておくべきポイントをご紹介します。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_show999/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】動かないからってやってない?? 渋滞中や信号待ちでのドライバー交代は違反です!!(6枚)画像ギャラリードライバーがクルマから降りることは「停車」
家族や友人、仲間とクルマに乗っていて「ドライバーを交代しよう」となること、ありますよね。高速道路を走行中であればサービスエリアやパーキングエリアに入ったとき、一般道でもコンビニなどに立ち寄ったときに交代することが多いかと思いますが、タイミングよくコンビニが見つからない、ということもあります。そんなとき、特に長くなりそうな信号待ちだと、「いまなら(ドライバー交代)できるかも」と考えたくもなるもの。
しかしながら、信号待ちでのドライバー交代は、道路交通法に違反する行為。直接「信号待ちでドライバー交代してはいけない」と規定されているわけではありませんが、たとえば、道路交通法第44条では、交差点内や交差点から5メートル以内、横断歩道内および横断歩道から5メートル以内は、駐車および停車が禁止されています。
道路交通法における「駐車」とは、「クルマが継続的に停止すること、または運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にあること」。同様に「停車」は「車両等が停止することで駐車以外のものをいう。」とされています。
ドライバーがクルマから降りることは、少なくとも「停車」には該当すると考えられますので、この駐停車が禁止されている範囲内でドライバーを交代してしまうと、この道路交通法第44条に違反する行為となってしまうのです。

停車の方法も、道路交通法では規定されている
この駐停車が禁止されている範囲ではなくても、信号待ちでのドライバー交代は違反になる可能性があります。道路交通法第47条では、「車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」と規定されており、左端に沿っていない状態で、ドライバーがクルマを降りることによって停車の状態になることは、この規定に違反することになるからです。
また、運転者の遵守事項について規定している、道路交通法第71条の規定にも違反する行為となる可能性があります。道路交通法第71条5では、「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」と規定されており、続く5の2では「自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。」と規定されています(停止措置義務)。
信号待ちでエンジンをかけたままドライバーが運転席から離れることは、これに違反する行為。たとえ(車室内をウォークスルーできるクルマで)クルマから降りずにドライバーを交代したとしても、一瞬でもドライバーが運転席から離れることによって、違反とされる可能性はあります。
違反したとされた場合は、駐停車違反(駐停車禁止場所等、非放置)の場合は、違反点数2点で反則金12,000円(普通車)、停止措置義務違反の場合は、違反点数1点で反則金6,000円(普通車)が科せられます。
コメント
コメントの使い方