伝説の名機 WRX STI 生産終了後の中古車価格は超高値安定中!!

伝説の名機 WRX STI 生産終了後の中古車価格は超高値安定中!!

 トヨタの「4A-G」をはじめ日産の「S20型」や「L型」、そしてホンダの「ZC型」など昭和を代表する名機と呼ばれるエンジンがあるように、平成の時代もスカイラインGT-Rに搭載された「RB26」をはじめ、スープラの「2JZ」、三菱の「4G63」など名機と呼ばれたエンジンが数多くある。

 その名機のひとつが平成の30年間、スバルの躍進を支えた「EJ20型エンジン」だ。平成元年にデビューした初代レガシィに搭載されたEJ20型2L水平対向4気筒ターボエンジンはスバルのフラッグシップモデルに搭載されただけでなく、1990年代~200年代初頭までWRCにおけるスバルの黄金期を支えたスポーツエンジンでもある。

 しかし、そのEJ20型エンジンも2019年10月に東京モーターショーで発表された「WRX STI」の特別仕様車「ファイナルエディション」で幕を閉じることとなり、12月で標準モデルも受注を終了となった。そこで、今回は生産終了したばかりのスバルWRX STIの最新の中古車事情にフォーカスを当ててみる。

文/萩原文博
写真/編集部

【画像ギャラリー】2019年12月をもって受注生産の注文受付を終了した「WRX STI」、その熟成の歴史


■熟成をやめなかったWRX STI。特別仕様車も多数登場

 名機「EJ20型エンジン」を搭載した最後のモデル、スバル「WRX STI」は2014年8月に登場。グレード構成はSTIとSTIタイプSの2グレードで、STIタイプSはビルシュタイン製ダンパーや大型リアスポイラーなどを装着し走りに磨きを駆けたモデルとなる。

2014年に登場した「WRX STI」。かつては、インプレッサの「 WRX STI」というグレードだったが、フルモデルチェンジを受けてひとつの車名として独立した

 WRX STIに搭載されるミッションは6速MTのみ。駆動方式は4WDのみで、マルチモードDCCDを採用し、ドライバーの好みに応じて駆動力の配分を変更できるのが特徴だ。

 WRX STIは約5年のモデルライフのなかで何回か改良が加えられており、2015年6月は、先進安全装備の設定。2016年4月はシート表皮の素材の変更やリアワイパーブレードの形状を変更するなど静粛性を向上させている。

 2017年6月に大幅な改良を行い、内外装の変更をはじめ、マルチモードDCCDが全域を電子制御する新システムに変更。ブレンボ製のブレーキは従来の17インチから18インチへサイズアップ。さらに、サスペンションの設定も最適化とともに、STI タイプSは19インチホイールへとインチアップされている。

2017年6月に大幅改良を行ったWRX STI。それまで機械式LSDを組み込んでいたDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)を、電磁式LSDのみのフル電子制御に変更するなど、見た目でなく走りに直結する部分も変更された

 2018年4月の一部改良ではサンルーフがオプション設定され、2019年4月はハイビームアシストの作動領域の拡大や、フロントフォグのデザイン変更、タイプSのホイールが切削光輝仕様に変更されている。

 また、WRX STIは走りに磨きを駆けた高い人気を誇る特別仕様車(限定車)を設定している。2015年10月はSTIタイプSをベースにSTIが手掛けた特別仕様車の「S207」を400台限定発売。そして、2017年10月にはS207をより進化させた「S208」を限定450台で発売。そして、2018年7月にはSTI創立30周年を記念して、軽量化を施し機動力がさらに向上した「タイプRA-R」を500台限定で発売した。

 いずれのモデルも即完売となり、わずかに流通する中古車は高値で取引されているのが特徴だ。この変遷を踏まえて、それではスバルのスポーツモデルの最高峰であるWRX STIの中古車事情を見てみよう。

次ページは : ■流通台数は少なめながら前期型が狙い目

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