トヨタのFRセダンのミドルクラスを担うマークX。従来のマーク2からの流れをくむモデルだが、昨年12月にマイナーチェンジ。エクステリアのみならず、ボディ剛性の向上、サスペンションの改善などかなり大規模な改良を行ってきた。その乗り味はいかに? レーシングドライバー松田秀士が徹底インプレッションする。
文:松田秀士
写真:平野学
初出:ベストカー2017年1月26日号
マークXの顔つきがガラッと変わった!!
一瞬、フルモデルチェンジか? と錯覚するほどに、マークXの顔つきが変わった。しかし、大人のスポーティセダンとして、より洗練されたデザインへと進化したマイナーチェンジなのだ。部長に恋するOLとの、ちょっと危ない関係のTVCMが記憶に新しいマークX。
今回試乗したのは、スポーツグレードの250RDS。2.5Lながら、いまどき珍しくもかえって新鮮なV6エンジンを搭載する。RDSグレードには、3.5ℓV6ユニットを搭載する350RDSもラインアップされている。インテリアはRDSグレードの専用色で、アルカンターラを採用したブラック×レッド。
なかなかシックで、部長が好む落ち着いた大人の空間という感じ。他に、ブラック×ホワイトも用意される。こちらは、もう少し若々しい感じで、係長クラスにピッタリ。しかし、係長クラスにこのクルマが買えるのか? 価格は343万円台だから、充分に手が届く範囲だ。
6気筒の悦びを噛みしめる
エンジンを始動した瞬間から、マルチシリンダーの振動感のないスムーズなアイドリング。そう、このフィーリング忘れていたなぁ。ここのところ、4気筒や3気筒、そしてディーゼルエンジンに慣れてしまっているものだから、改めてマルチシリンダーの”ありがたさ”が身に染みるというもの。
そして、アクセルを床まで踏み込めば、スムーズにそしてトップエンドの6600rpmまで気持ちよく吹ける。エンジンのパワー感は4000rpmあたりからが力強く、中低速だけにターゲットを絞った仕様ではないことがわかる。もちろん中低速もまったく不足のないトルク感だ。
ドライブモードはSNOW、ECO、SPORTの3種類で、センターコンソール上のスイッチ操作で即座に切り替えられ、コンピューターによるAVS(電子制御可変サスペンション)と協調して、スポーティとコンフォートを切り替えられる。
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