ゲームの話じゃない。北米スバルが7月17日、コンパクト電動SUV「アンチャーテッド」を発表する。以前から噂されていたトヨタ「C-HR+」の兄弟モデルだが、このクルマが登場することで、スバルは人気のSUV市場にサイズ違いの3つのBEVをラインナップすることになる。いよいよスバルの本格電動化の幕が上がる!
文:ベストカーWeb編集部/写真:北米スバル、トヨタ
【画像ギャラリー】アンチャーテッドの兄弟車C-HR+をじっくり見ておこう!(20枚)画像ギャラリー最新技術を搭載したクーペタイプの電動SUV
7月10日の木曜日、北米スバルが新型BEV「アンチャーテッド」を世界初公開すると発表した。
リリースに添えられたティザー画像は、連なった丘に延びるトレイルを、砂ぼこりを上げて走るアンチャーテッドの後ろ姿。車両を拡大して見てみると、リアの傾斜したラウンドルーフと左右分離型のルーフスポイラーが見て取れ、アンチャーテッドがC-HR+の兄弟関係にあることが分かる。
現時点ではアンチャーテッドの詳細は分からないから、C-HR+の概要を確認しておきたい。
ボディサイズは全長4520mm、全幅1870mm、全高1595mm、ホイールベース2750mm。bZ4Xより一回り小さい電動SUVだが、サイズ的にはカローラクロス(全長4490mm)あたりが近い。プラットフォームはbZ4Xと同じeTNGAだ。
BEVとしての性能も優れている。バッテリーは77kWhと大きく、航続距離は600kmに達するし(FF/欧州WLTP目標値)、4WDを選べば252kW(343ps)というハイパワーが手に入る。値段が高すぎると感じる人には、リーズナブルな57.7kWhバッテリー仕様も用意されている。
インテリアはbZ4Xとほぼ共通。ダッシュボード奥に置かれるメーターパネルのしつらえも、スマホが2台置けるセンターコンソールのワイヤレス充電も同一だ。
トヨタ元町工場生産と予想するがアメリカ生産の可能性も
前述したC-HR+のスペックが、スバルのアンチャーテッドにもほぼ引き継がれるはずだが、もちろんエクステリアデザインはスバル独自のものになるはず。ティザー画像を見てもテールランプの造形がC-HR+とは異なっており、フロントマスクを見るのが楽しみになる。
もう1点、アンチャーテッドで気になるのは生産工場だ。スバルはbZ4Xの派生モデル、トレイルシーカーを群馬県太田市の矢島工場で生産するが、アンチャーテッドも同様になるのだろうか。現時点では詳細は不明だが、C-HR+の存在を考えると、bZ4Xと同じ元町工場製となる可能性は高そうだ。
生産には外的要因も影響する。トランプ大統領の関税政策で、スバルはいま、北米での生産ポートフォリオの再考を迫られているはずだからだ。
もともとスバルは、2027~2028年頃に北米でのEV生産を予定していたが、これを前倒しすることも考えられる。だとすれば生産が、インディアナ州にあるSIA(スバル・インディアナ・オートモーテイブ)で行われるという可能性も捨てきれない。
いずれにしろアンチャーテッドの登場により、スバルは人気のSUV市場に、クーペ系(アンチャーテッド)、メインストリーム系(ソルテラ)、エステート系(トレイルシーカー)という3種類のBEVをそろえることになる。
同社は中期経営計画で、2028年までにグローバルで8つのBEVを発売するとアナウンスしているが、アメリカではBEVの需要が失速しているから、当面は上記3台が、スバルのBEVの屋台骨を担うことになるのかもしれない。アンチャーテッドの姿を楽しみに待とう。






















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