まさに下剋上! 10年近く前の旧型デミオでフィットを狩る!? S耐第5戦オートポリスでは激アツロマン展開が起きていた!!

まさに下剋上! 10年近く前の旧型デミオでフィットを狩る!? S耐第5戦オートポリスでは激アツロマン展開が起きていた!!

 第3戦スーパー耐久富士24時間レースでは無念の0Lapに終わってしまった大井貴之氏と17号車 DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2号。しかし、やはりただでは起きない!! リベンジを果たしにさっそく第5戦オートポリスに殴り込み! しかも今回はちょっとビックリなマシンをひっさげてきたようだ。

文:大井 貴之/写真:SPJ-JS

【画像ギャラリー】実力も運もチームワークもなにもかもフル動員でもぎとった勝利! S耐第5戦はNOPROチームがクラス優勝!(7枚)画像ギャラリー

富士の雪辱は大分ではらす!

富士スピードウェイでは不完全燃焼だったのか目の奥に闘志が見える
富士スピードウェイでは不完全燃焼だったのか目の奥に闘志が見える

 スタート直後にリタイヤすることになってしまったFSW24h。そのリベンジを果たすため第5戦のオートポリス戦に出場した。今回の参戦マシンはガソリンエンジンのデミオ(DE型)。2007年から2014年まで販売されていた旧型だ。

 今シーズンからST-5クラスがFF車のST-5FとFR車のST-5Rに分けられたスーパー耐久。ST-5Rがロードスタークラスだとしたら、ST-5Fはホンダフィットが幅を利かせているクラス。

 ロードスターが別クラスになったことで闘いやすくなったとは言え、ホンダ勢と勝負をするにはディーゼルエンジンのように真っ向勝負ではない武器があるとことが望ましいのだが、FSWで見舞われた謎のトラブルを解明し復活するにはかなりの労力とコストが必要ということで、ガレージの奥から古いマシンを引っ張り出してきたわけだ。

 そんな旧式で走る意味あるの? 普通に考えればそうなのだが、世界でレースが開催されているGT3やGT4では「BOP」、バランス・オブ・パフォーマンスというものがあってパワーや車重、そして車高による性能調整が行われている。

 だからこそマクラーレンやポルシェとベントレーがバトル出来ちゃったりする。じゃないと勝てるマシンは限定されて活躍が期待出来ないメーカーは居なくなっちゃうからね。それと同じように、S耐には「特認」という制度があって、ATしか無いモデルにマニュアルトランスミッションを換装出来たりする救済措置がある。

テンロクエンジンに換装! フィットに下剋上!

Fitと戦うためにチューニング! 旧型車が一気にバトルマシンへ!
Fitと戦うためにチューニング! 旧型車が一気にバトルマシンへ!

 その特認によってDE型デミオのエンジンは1.5Lから1.6Lへ。実は教習車用として1.6Lモデルが実在していて、それをベースにカムやピストンも変更されたチューニングエンジン。ミッションもノーマルパーツを組み合わせたクロスレシオ。

 標準のリアはドラムブレーキの設定しかないのだが、ディスクブレーキへの変更され、レギュレーションで定められた最低重量は960kgのGK5型フィットに対し900kgで走ることが認められている。装着出来るタイヤサイズは同じだから、車重の軽さは大きなアドバンテージ。

 どっちが速いかは別としてチューニングレベルが高いマシンの方がドライビングは楽しいに違いない! というのが大井貴之の期待だ。

 とは言え、現実的に狙えるのは表彰台の端っこ。第4戦のSUGOでは3位でフィニッシュしているが、トップの2台からは2Lap離されていた。しかし、オートポリスは国内のサーキットで最もアップダウンに富むチャレンジングなコースレイアウト。

 しかも路面のグリップは低くタイヤに厳しい! 悪条件が増えるということは、チャンスが増えるということ。重要なのはベストタイムよりロングランの速さ。加藤、小西というNOPROドライバーは若いくせにその辺をしっかり理解していて、SUGOラウンドより格段にソフトな、タイヤに優しい足回りを用意していた。

次ページは : えぇ!? ライバルチームのスリップを……!!

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