まさに下剋上! 10年近く前の旧型デミオでフィットを狩る!? S耐第5戦オートポリスでは激アツロマン展開が起きていた!!

えぇ!? ライバルチームのスリップを……!!

ついに決勝。完全に晴れというわけでもない読み難いコンディションのなかデミオは健闘した

 予選。S耐の予選はAドライバーとBドライバーのベストタイムの合計で順位が付く。まずはAドライバーの加藤選手がアタックし2分16秒060をマーク! 悪くないタイムだ。AドライバーのリザルトとしてはFIT勢2台に勝ってポジション4。

 チーム的には加藤選手のタイムは期待通りだったが、FIT勢のトップグループは想定以上に速かった。トップタイムをマークした#11 SAKAE MOTORSPORTS FIT(公団ちゃん)の大島選手はコースレコードを塗り替える2分14秒317。2番手の#67 YAMATO FIT(安井選手)も超僅差の2分14秒351。3番手の#4 THE BRIDE FIT(太田選手)も2分14秒980と上位3台は14秒台。

 これがデミオとフィットの差。現実を目の当たりにした気分。

 しかし、Bドライバー予選でミラクルな出来事。このセッションでトップタイムをマークしたのはFSW24hで優勝した#821 アンドリーガルMoty’s FIT(川福選手)の2分14秒448だったが、「YAMATO FITのスリップを狙います!」とコースインした小西選手が見事にアタックを決めてクラス2番手となる2分14秒718を叩き出したのだ。

 同じチームのマシンが捨て身で協力をしてくれるなら話は別だが、ライバルマシンを使って丸々1Lapスリップストリームの恩恵を受けるなど通常はあり得ない、リスクの大きい勝負だが、小西選手の強運とメンタルの強さによってミラクルなLapを作り上げた。その模様は是非、動画をご覧いただきたい。

 ちなみに、使い古したタイヤでCドライバー予選を走った筆者は1分20秒。使い切ったタイヤはレスポンスもグリップ感も無い。このタイム、走りを見ても分かるように、決勝レースはタイヤの使い方で勝負が決まる。

見えてきた勝利! これはワンチャンあるか……?

ついに決勝。完全に晴れというわけでもない読み難いコンディションのなかデミオは健闘した
ついに決勝。完全に晴れというわけでもない読み難いコンディションのなかデミオは健闘した

 いよいよ決勝。A・Bドライバーの合算タイムによってグリッドはクラス5番手。天気予報は晴れ。気温も路面温度も爆上がりかと思われたが、レースがスタートする午前11時になると時折霧雨が降る薄曇り。

 #17 NOPROデミオのスタートドライバーは加藤選手。スタートから先行したのは#4 BRIDE FITを駆る蘇武選手。間違いなくタイヤをセーブするペースなのでFIT5台がダンゴ状態。加藤選手はスタートの加速で#222 DURANCE J-net Cars Tokai FITにも先行を許すが、持ち前の冷静で安定した走りによってペースをキープ。

 周回を重ねるとトップを走る#4 BRIDE FITが18秒台をキープして次第に独走状態となる展開。と同時に#17 NOPROデミオが本領発揮! 17Lap目には#222 Cars Tokai FITを捉え、28Lap目には姿が見えないほど離されていた4番手の#11 公団ちゃんFITをオーバーテイク! 遂にFIT勢にタイヤの崖が来たのだ。

 この周、#67 YAMATO FITに食い付いていた#821 アンドリーガルがピットイン。タイヤを交換してアンダーカットを狙う作戦に違いない。それから5Lap、#17 NOPRO デミオ加藤選手は#67 YAMATO FITにプレッシャーをかけ続けクラス3番手でピットイン。

 フロントタイヤのみを交換し小西選手がコースイン。安定したラップを刻み、ピットした#4 BRIDE FITに抜かれるものの、4秒差をキープする快走。給油のみのピットストップを消化し、ピットストップで先行された#821 アンドリーガルをオーバーテイク。そしてスタートから2時間40分ほど経過した時点で入ったSCのタイミングでピットイン。

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