限定555台の特別仕様車、EJ20ファイナルエディションが即完売した後、カタログモデルも2019年12月23日の注文受付けも終了し、間もなくEJ20エンジンを積んだWRX STIの歴史が幕を閉じる。
さて、次のWRX STIはどうなるのか? EJ20に代わるエンジンは? いつデビューするのか?
いま、ベストカーが掴んでいる情報のすべてをお伝えしていこう!
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部
CGイラスト/ベストカー編集部
初出/ベストカー2020年3月10日号
【画像ギャラリー】WRX STI EJ20ファイナルエディションと次期WRX S4の未公開写真
名機EJ20の後はFA24型2.4Lターボか!?
EJ20は1989年1月にデビューした初代レガシィの時代からスバルの主力エンジンとして搭載され、インプレッサWRX、さらにSTIバージョンにも搭載されるなど、長年にわたり進化を繰り返してきた歴史ある名機だ。
レガシィ、インプレッサがWRCで活躍した時代を支えたのがEJ20エンジン。耐久性に優れるなど、基本的な設計素性のよさにより大パワー、大トルクにも充分対応し、ハードなモータースポーツでの使用にも高い信頼性で応えた。
しかし、さすがに基本設計の古さから、今後の燃費規制に対応させることが難しくなり、現行型WRX STIを最後についにその歴史に幕を下ろすこととなったのは既報のとおりである。
北米向けWRXに搭載される2.5LのEJ25ターボは今後もしばらくは生産が継続されるということだが、WRXシリーズのフルモデルチェンジを機にこちらも生産を終了することとなろう。
ちなみにEJ20型エンジンはボア=92.0mm、ストローク=75.0mmの超ビッグボア&ショートストロークが特徴的。
総排気量は1994㏄で1989年1月にデビューした初代レガシィに搭載された時は220ps/27.5kgmというスペックだった。最終モデルとなる現行型WRX STIでは308ps/43.0kgmにまでパワーアップされている。
2021年登場の次期型WRX STIは!?
まずは今年末に登場する新型レヴォーグが次期型WRXシリーズの『基本骨格』となることは間違いない。ツーリングワゴンのレヴォーグに対し、そのセダンバージョンがWRXという関係性は現行型でも同様だ。
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用する新プラットフォームは基本的にレヴォーグと共通だし、インナーフレーム構造を持つ強靱なボディ構造もレヴォーグと同様となろう。
レヴォーグとWRXシリーズはどちらがベースということではなく、並行して開発が進められていると理解したほうがいい。
新型レヴォーグでは、新開発される1.8L水平対向4気筒エンジンが搭載されることが明らかにされている。これは現行型の1.6Lターボと2Lターボを置き換える形で、燃費の引き上げが最大の開発テーマだという。
しかし、新型WRXでは燃費とともにパフォーマンスも求められる。現行型S4のエンジンはFA20ターボのみであり、レヴォーグに搭載される新開発の1.8Lターボではパフォーマンスダウンは否めない。
あるスバル役員は「スバルの"不文律"としてモデルチェンジをしてパフォーマンスダウンはあり得ない」と熱く語る。
もちろん詳細を口にすることはないが、S4のエンジンは最低でも現行型と同じFA20ターボをチューニングしてパフォーマンスアップして搭載することとなろう。
またベストカーが関係者から伝え聞いた情報では、北米向けアセントに搭載されているFA24型ターボをベースにハイパワー化して、320ps/45.0kgm程度のパフォーマンスを引き出す新エンジンをS4用に開発中、という。
FA20エンジンはボア=86.0mm、ストローク=86.0mmのスクエア比で総排気量1998cc。FA24型はストロークは86.0mmのままボアが94.0mmとなり、総排気量は2387ccだ。
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