アメ車はダサい? デカすぎ? 日本人に刺さらなかった!? “不発”だった迷車たち

アメ車はダサい? デカすぎ? 日本人に刺さらなかった!? “不発”だった迷車たち

 日本では多くの輸入車が販売されているが、その中心にあるのは欧州車。もっと限定的に言えばドイツ車ばかりだ。その一方、アメ車は知名度こそ低くないものの販売は低迷している。欧州車が人気の理由はさておき、アメ車苦戦の原因は何なのか? そして、意気揚々と投入したものの不発だったクルマとは?

文/木内一行、写真/キャデラック ジャパン、Tesla, Inc.、CarsWp.com

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基準がアメリカだから日本の道路事情に合わない!?

アメ車はダサい? デカすぎ? 日本人に刺さらなかった!? “不発”だった迷車たち
古き良きアメ車といえばマッスルカー。1971年式のダッジ・チャージャーもその内の1台で、まさにオトコの乗り物といった雰囲気。どデカいボディとV8エンジンによる怒涛の走りは、今でもファンを虜にしている

 「アメリカで日本車は売れているが、日本でアメリカ車は売れていない」と、不満を口にするトランプ大統領。2024年度の日本でのアメリカ車の新車販売台数は1.1万台ほどで、これは国内全体数の1%に遠く及ばない数字。

 それに対し、2024年のアメリカでの販売台数で日本車が占める割合は37%もあるという。つまり、トランプ大統領の言っていることはあながち間違いではないのだ。

 では、なぜ日本でアメ車が売れないのか。みなさんお察しだと思うが、いくつかの理由がある。まずはボディが大きいこと。

 基準が広大なアメリカのため、日本の道路事情には向かないというのが正直なところ。混雑した都市部や入り組んだ市街地であればなおさらだ。大排気量で税金が高い印象もあるし、車種によっては左ハンドルしかないということも不利にはたらいている。

 また、アメ車の持つイメージも弱く、「高級車」とか「プレミアム性」となるとどうしてもメルセデス・ベンツやBMWといった欧州車に軍配があがる。

 そして、ディーラーの少なさなど、購入後のサポートに不安を持つユーザーも少なくない。

 ただ、一方でメリットや魅力がないわけではない。

 大きくてもその風貌や存在感は唯一無二だし、おおらかでゆったりした乗り味は欧州車にはないもの。

 最近のモデルはエンジンのダウンサイジング化が進んで経済性も高いし、レギュラーガソリン仕様のクルマも少なくない。デザインだって、以前のような無骨だったり、野暮ったいという感じではなく、実にスタイリッシュだ。

 とはいえ、アメ車が日本で苦戦しているのは今も昔も変わらず。自信満々に導入したものの、日本人のハートをつかめなかったクルマもたくさんあった。

「ドイツ製のアメ車は一粒で二度美味しい!?」 クライスラー・クロスファイア

アメ車はダサい? デカい? 日本人に刺さらなかった“不発”の迷車たち
全長4m超のボディは、往年のFRスポーツ的なロングノーズ&ショートデッキのフォルム。レトロ調でありながら、アメ車らしいマッチョな雰囲気も持ち合わせている。タイヤは前18インチ、後19インチという異サイズ

 1998年にダイムラー・ベンツ社とクライスラー社が合併したことで誕生したダイムラー・クライスラー社。これを機に生まれたのがクライスラー・クロスファイアだ。

 このクロスファイア、クライスラーブランドでありながらメルセデス・ベンツSLKのコンポーネントを39%使い、ドイツのカルマン社で生産する異色のモデル。 

 クライスラーオリジナルのクーペボディは、当時最新のアメリカ車のデザインを落とし込んだもので、レトロタッチかつモダン。それでいてマッチョな雰囲気も持ち合わせている。後にソフトトップを備えるロードスターモデルも追加された。

 その一方、中身はメルセデス・ベンツのため走りは欧州車的だ。

 アメリカ車の雰囲気と欧州車の走りを融合させたクロスファイアは、発売当初こそ注目されたが販売は低迷。日本でヒットすることはなかった。

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