【全ナイセストピープルに快適移動を!】ホンダの次世代電動モビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」発売開始

【全ナイセストピープルに快適移動を!】ホンダの次世代電動モビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」発売開始

 ホンダは、新世代のハンズフリーモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」を事業化し、2025年9月24日から法人向けに販売を開始する。座ったまま体重移動で操作でき、両手が自由に使えるこの一台は、観光地やテーマパークといった“目的地での移動”をねらった新発想の電動モビリティ。移動の快適性や可能性を広げることを目的としている。

文/松田大樹

 
 
 

目的地での移動を変える次世代モビリティ

 UNI-ONEは、座ったまま体重移動だけで直感的に操作でき、両手を自由に使える次世代の電動ハンズフリーモビリティ。過去のU3-XやUNI-CUB、アシモなどで培ったホンダのロボティクス技術を投入し、老若男女が利用しやすく設計されているのが特徴。その目的はテーマパークやショッピングモール、展示会場といった「目的地での移動」を快適化することで、ここが既存の電動モビリティとUNI-ONEのスタンスが異なる点だ。

 類するモビリティがないのでイメージしにくいが、ホンダが想定する活用法は「足腰が弱いおばあちゃんをクルマに乗せてショッピングモールに行き、現地でUNI-ONEに乗せて家族で一緒に買い物を楽しむ…」といったもの。目的地にUNI-ONEがあれば長時間歩行が難しいお年寄りも外出機会を増やせるし、一緒に出かける家族も車椅子を準備したり、現地で押す手間がない。腰掛けるような着座位置は歩行者との目線も近いし、ハンズフリーなので孫と手も繋げる…というわけだ。

 例えるなら空港などの「動く歩道」の個人版で、そうした意味ではモビリティよりもインフラに近い存在と言える。そのため販売は法人に限定されており、交換式バッテリーや整備/保険などをパッケージ化した「サービス契約」を結ぶ形態を取る。電動キックボードに代表される特定小型原付など、ラストワンマイルを想定したパーソナルモビリティとの違いが分かってもらえるだろう。

 とはいえUNI-ONEは公道走行もOKで「移動用小型車」として型式認証も取得済み。これはスズキのセニアカーなどの電動カートと同様、車両ではなく歩行者として扱われるもので、免許は不要だが速度は上限6km/hに制限される(UNI-ONEは4.5km/h)。販売は9月24日から始まり、初導入は大分県のサンリオキャラクターパーク「ハーモニーランド」で10月19日からスタート予定。今後は商業施設やスマートシティなど幅広い場所での活用が見込まれている。



ホンダ「UNI-ONE」



商業施設で歩行者と一緒に行動したり、働く人の歩行負担を減らすなどがUNI-ONEの目的。歩行者に混ざって動くモビリティと言える。



2009年のU3-Xや2013年のUNI-CUBはタイヤが1輪だったが、UNI-ONEはより安定した走行を目指して2輪構造を採用。

 
 
 

〈ミニ試乗記〉スポーツの可能性を感じる?!

 今回はメディア向けに試乗の機会も与えられた。とはいえ時間は3〜4分程度とごく短く、UNI-ONEに慣れる時間もなかったというのが本当のところ。微塵もフラつかず、ビシッと鋭いタイトターンを決められるまでには至らなかったが、単純な前進後進はなんら問題なくこなすことができた。

 速度調整も簡単で、わずかな体重移動にはゆっくりと、大きく体を傾ければそれなりの反応を見せる。しかもその応答が非常に滑らかで唐突感がない。両手がフリーのまま、前後の体重移動だけで滑らかにスルスル運んでもらえる感覚はとても新鮮だ。最高速度は4.5km/hで、どんなに唐突な加速を試みても驚くようなことにはならないものの、伴走者が持つハンドルやリード的なものがあれば、子供を乗せて人混みを進む際などは精神的に安心かもしれない。

 両手がフリーという特徴を活かすなら、車椅子バスケやテニスにも使えるような高性能版があっても面白いのでは…などと、素人なりに新たな可能性を思い浮かべるのはUNI-ONEが過去にない、新感覚のモビリティである証拠だろう。ホンダでもVRゴーグルと組み合わせたアトラクションなどを考えているようだが、発想次第でいろいろな発展性が考えられる、ちょっとワクワクできる乗り物だと思う。



着座し、右手にあるスマホスイッチを操作すると車体がぐいっと起き上がり、四隅の補助輪から開放。そこから進みたい方向にわずかに体重移動するだけでスルスルと動き出す。



言ってみれば「椅子」のような物体が、手を使わず、体重移動だけで動く感覚が非常に新鮮。操作にはやや慣れを要する気もするが、そもそも速度が出ないので怖さは全くない。



起動や停止などの操作は車体右側のスマホから。矢印ボタンを押せばその場で回転も可能。車体側にあるのは万が一、スマホとの通信が途切れた場合の操作用ボタン。



直感的な体重移動だけで全方向に進むUNI-ONE。1から4を常に繰り返している。



そのポイントとなるのがタイヤ。駆動輪として縦方向に回転しつつ、駆動ベルトで横方向にも移動可能。



タイヤの実物はこんな感じ。滑りやすい路面や耐久性もしっかり考慮されている。



バッテリーは着脱式。ホンダの電動バイクなどに使われるモバイルパワーパックe:ではない専用品なのはスペース的な制約から。



バッテリーのハッチに貼られる緑のシールは、移動用小型車の識別マーク。



左から、開発責任者の小橋慎一郎さん、事業責任者の中原大輔さん、デザイン責任者の金森聡史さん。ちなみにデザイン的には所有感よりもインフラであることを重視し、それでいて人に埋もれず、悪目立ちしないことを意識したとのこと。

 
 

ホンダ「UNI-ONE」概要

■名称:ハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」
■特徴:座ったまま体重移動で前後左右に移動可能、両手が自由に使える着座型
■用途:目的地で使うモビリティ(観光地、テーマパーク、空港、展示会場、商業施設などや高齢者や体力に不安のある方など)
■販売開始:2025年9月24日(法人向けサービス契約形式)
■初導入:2025年10月19日からサンリオキャラクターパーク「ハーモニーランド」(大分県日出町)で運用開始予定

スペック

■全長x全幅x全高:ハイポジ:655×575×860mm、ローポジ:787×662×710mm
■シート高さ:ハイポジ(走行時):700mm、ローポジ(乗降時):550mm
■重量:80kg
■乗員最大重量:110kg
■バッテリータイプ:交換式リチウムイオンバッテリー

価格(「サービス契約」販売パッケージ)

※UNI-ONE、交換式バッテリー(2個)、充電器、正規点検、オンサイト修理サービス、コールセンター、保険(対人、対物)、運用管理アプリを含む税込価格。1日から利用できる「短期レンタルサービス」も1日あたり5万5000円/1台から利用可能。



 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/486219/

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