テスラジャパンは、主力製品となるモデルYが、日本国内の電気自動車普通乗用車セグメント(軽自動車を除く)の2025 年1~7 月の累計販売台数において、第1位(市場調査会社JATOダイナミクスによる調査)を獲得した、と発表した。なぜこれほどまでに売れているのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:テスラ、日産自動車
世界中で大ヒットしているテスラモデルY
モデルY は、グローバル市場において、2023 年、2024 年と2年連続100万台を販売する人気のミドルサイズSUVで2022年6月に登場。2025年1月にはフェイスリフトを含む大掛かりなマイナーチェンジが行われ、モデルYロングレンジの一充電あたりの航続距離は635kmから682km へと進化。2025年第3四半期グローバル全体においても49万7000台以上販売し、世界中で大ヒットしている。
テスラでは日本国内の販売台数を公表していないためモデルYの正確な台数はわからないが、JAIA(日本自動車輸入組合)の月ごとの輸入車販売台数速報の普通乗用車「Others」がほぼテスラ車であると推測される。
このOthersの2025年1~8月の販売台数を見ていくと以下の通り。BYDの2100台(1~8月)と比べると約3倍だ。このままいけば、年間販売台数は1万台を突破しそうな勢いである。
では日本車BEVとの差は? テスラモデルYが国内BEV普通乗用車NO.1となった同期間、Othersの1~7月の累計販売台数は、5587台。対するリーフの1~7月の販売台数は2469台、アリアは1075台。テスラのモデルY+モデル3がいかに売れているかがわかる。ちなみに軽BEVのサクラは2025年1~7月は9427台とテスラの2車種を大幅に上回る。
・1月/ Others:320台、BYD:42台、リーフ:446台
・2月/ Others:546台、BYD:173台、リーフ:313台
・3月/ Others:1243台、BYD:327台、リーフ:367台
・4月/ Others:347台、BYD:166台、リーフ:173台
・5月/ Others:706台、BYD:416台、リーフ:312台
・6月/ Others:1407台、BYD:512台、リーフ:371台
・7月/ Others:1018台、BYD:225台、リーフ:295台
・8月/ Others:983台、BYD:239台、リーフ:192台
現在、モデルSとモデルXの右ハンドル車はなく、注文できるのは在庫車のみ。実質的に日本で買えるテスラ車は、モデル3とモデルYという状況だ。それぞれ正確な販売台数はわからないものの、世界中で大ヒットしているモデルYのほうが販売割合は高いと予想される。これは5月から9月末までモデル3を対象に最大55万円の値引きを行ったことが奏功したのだろう。
■モデルY:558万7000円、一充電あたりの航続距離:547~682km、CEV補助金:87万円
■モデル3:531万3000円、一充電あたりの航続距離:594~766km、CEV補助金:87万円
なぜテスラモデルYがこれほど売れるのか?
2023年通年、世界中で120万台以上販売し、テスラ自らが「世界で最も売れた自動車」と宣伝している。なぜこれほど売れているのだろうか?
セダンのモデル3をクロスオーバー化した、全長4760×全幅1925×全高1625mmというボディサイズは、日本においてはやや大きく扱いにくいサイズ感なのだが……。
モデルYは、BEVでありながら室内は広々としており、広いガラスエリアとシンプルな内装デザインで実用的な荷室スペースも備えている。いざ走ってみると、スポーティなハンドリングと、BEVならではの驚異的な加速性能、静粛性の高さで、購入意欲をそそられてしまう。
そして一充電あたりの航続距離は547~682kmと、遠出してもあまり不安を感じない、納得できる航続距離であることも大きなポイントである。
また日本では政府からのCEV補助金は87万円と、補助金を除けば473万7000円で購入できるという点もデカい。東京都ならZEV補助金でさらに80万円を受け取ることができる。実用性と走りのよさ、満足のいく航続距離、CEV補助金と、総合力が優れている点が人気の理由なのだろう。











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